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国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院

(神奈川県 横浜市栄区)

土屋 弘行 病院長

最終更新日:2024/10/01

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医療を通して誰もが笑顔になれる病院に

本郷台駅から徒歩7分の好立地で80年以上前から診療を続ける「横浜栄共済病院」。24時間365日対応の救急医療のほか、30近くの診療科が設置され、内科、外科ともに幅広い診療内容をカバーしている。特にカテーテルによる弁置換術「TAVI」も行う循環器部門、血管内治療にも力を入れる脳神経外科、内視鏡治療から外科治療まで対応する消化器部門などに強みを持ち、近年は「高齢社会でニーズが高まる整形外科の診療も充実させました」と土屋弘行病院長は語る。「整形外科では急患への対応、脊椎や関節など専門性の高い診療が可能になり、ロボット支援手術による人工関節置換術も行っています」。さらに泌尿器科でのロボット支援手術を含め多分野で集学的ながん治療を行うなど、地域の医療機関からの紹介先としても頼りにされている病院だ。2016年には産婦人科で分娩を再開し、計画的な無痛分娩にも対応している。同院の理念は「安心と信頼、そして笑顔」。「患者さんが笑顔になって帰れる病院が目標」と話す土屋院長に、同院の特徴や理念がめざす病院の姿などについて聞いた。(取材日2024年6月10日)

この病院の特徴や地域での役割などをお聞かせください。

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当院はこの地で80年以上も診療を続ける病院で、地域の基幹病院として救急医療や高度専門医療など病院機能の向上に努めてきました。2019年には、一層の設備の充実と快適さの向上をめざした病棟再整備事業も完了しています。また戦後から続く縁があり、横浜市南部の病院としては珍しく金沢大学医学部の関連病院で、現在も同大学出身の医師は多く、横浜市立大学医学部の協力も得ながら診療にあたっています。地域の中では地域医療支援病院として、近隣の医療機関から患者さんをご紹介いただき、必要とされる高度な治療を提供する役割を担っています。加えて救急告示病院として、主に救急車で運ばれた患者さんを24時間365日対応で診ています。平日昼間は日本救急医学会救急科専門医を中心に各科が連携し、休日・夜間も当直医師に加えて循環器内科、脳神経外科、消化器外科は専門の医師が診療可能な体制です。

診療面や設備面での最近の動きをご紹介ください。

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循環器部門、脳卒中部門、消化器部門などは以前から医師数も多く充実した分野でしたが、私の病院長就任後は高齢社会で多い運動器の病気・ケガを診る整形外科の拡充にも注力しています。現在は私を含む8人の医師が在籍し、骨折や外傷への緊急対応、脊椎や関節といった専門性の高い治療が可能です。休日・夜間の救急も必要な際は電話連絡で駆けつけるオンコール体制「さかえコール」をとっています。もちろんリハビリテーション科とも連携し、治療後の運動機能の回復までしっかりとサポートします。設備面では手術支援ロボットの導入が大きなトピックで、2023年から整形外科の人工関節置換術で使用するロボット、2024年からは腹腔鏡手術をサポートするロボットを泌尿器科の前立腺がん手術や胃がん、大腸がんの手術でも使用しています。従来の腹腔鏡手術に新たな選択肢が加わり、適応とご希望に合った治療が検討できるようになりました。

地域の医療ネットワークづくりも重視されているそうですね。

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現在は患者さんを地域全体で支える体制が必要で、当院では地域の医療機関や介護福祉施設とのネットワークづくりを積極的に進めてきました。以前から地域医療支援課を窓口に地域の先生方と連携を深め、訪問時には必要に応じて医師も同行して、当院が得意とする治療などをご説明してスムーズなご紹介につなげています。また、医療・介護関係者や患者さん向けのセミナーも新型コロナウイルス感染症の収束以降にようやく再開できました。さらに事前に登録した医療機関が担当の看護師長と連絡を取り、時には当院の医師も対応しながら入院などのご相談ができる仕組みも用意しています。ご紹介を断らないことを目標に連携を進め、地域の先生方から信頼される病院となり、しっかり関係を築いていきたいと考えています。一方で、今後は救急搬送先や急性期治療後の受け入れ先などを市全体で調整することも重要なため、そうした広域ネットワークの構築にも期待しています。

そのほかの先進的な医療やがん治療の特徴は何でしょうか?

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循環器部門と脳卒中部門では血管内治療にも力を入れ、循環器内科と心臓血管外科では連携してカテーテルによる弁置換術「TAVI」を2019年から行っています。脳神経外科は血栓溶解治療で対応できない脳梗塞に血管内治療などが可能です。また、消化器部門は内視鏡で大きめのポリープも一度に切除可能なESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などを得意としています。こうした消化器がんをはじめ、当院のがん治療はロボット支援手術も含む外科手術、抗がん剤、放射線を組み合わせた集学的治療により行われます。さらに骨軟部腫瘍の診断と手術にも対応し、各種のがんから起こる骨転移の診断・治療のキャンサーボードを立ち上げるなど、専門性の高いがん治療もカバーできるようになっています。今後はがんやその治療で運動機能が低下する患者さんを減らせるよう、治療とリハビリテーションを並行するような取り組みも検討しています。

病院の理念や今後の展望などをお聞かせください。

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栄区で急性期医療を幅広く行う当院の理念は「安心と信頼、そして笑顔」。誠実で質の高い医療、適切な説明と丁寧な対応で安心と信頼を生み、患者さんに笑顔で帰っていただける病院が目標です。また、職員のモットーは「明るく楽しく元気よく」で、私たちが楽しく働ける環境づくりが結局は患者さんの笑顔につながるとの思いで決めました。一方、将来の展望としては設備の更新や建物の改築といった現実的な面のほかに、医療を持続させるための人材育成として、当院に在籍する研修医などへの十分な指導で成長を促すことも重要になるでしょう。幸い当院には優秀な人材がそろっていると思います。今後も地域のネットワークを生かして多様な医療ニーズに応え、多くの患者さんや医療機関から頼られ、選ばれる病院をめざして、職員全員で協力して総合力を高めたいと考えています。

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土屋 弘行 病院長

1983年金沢大学医学部卒業。1988年同大学大学院医学研究科修了。医学博士。同大学大学院および同大学医学部附属病院で教育・研究・診療に従事し、1991年からウィーン大学留学。整形外科と生理学を専攻する。2010年同大学医学部整形外科教授。2023年同大学医学部整形外科名誉教授。2023年4月から現職。整形外科で使われる自家液体窒素処理骨移植法の開発でも知られる。日本整形外科学会整形外科専門医。

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