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医療法人社団聖仁会 横浜甦生病院

(神奈川県 横浜市瀬谷区)

澤田 傑 病院長

最終更新日:2020/11/25

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緩和ケア病棟も備えた地域のかかりつけ病院

消化器外科出身ながら、がんセンターで緩和ケアに出会い、その縁から緩和ケアを重視する聖仁会グループの「横浜甦生病院」院長に就任したという澤田傑院長。「岐阜大学出身で関連病院では、外科全般何でも担当しました。緩和ケアや下肢静脈瘤に興味を持ったのもその経験が関係しているかもしれません」と優しい笑顔が印象的な先生だ。就任以来、病院改革に取り組み、自らの専門分野も生かして内視鏡検査や下肢静脈瘤の外来など特色ある病院へと変貌させた。また地域連携室を充実させ、療養病棟や緩和ケア病棟も駆使して医療の谷間に陥りがちな患者や家族をサポートする。毎朝病棟をまわり、患者やスタッフと挨拶するところから1日が始まるという澤田病院長。「フットワークが軽くコミュニケーションがよいから、的確な医療が提供できるのが特徴です」。人口に比して病院が少なく、地域医療の充実が課題となっている瀬谷区で「病院ならではのメリットを生かして地域に貢献したい」と語る。開業医ではなかなかカバーがしにくい特徴ある外来診療や、在宅医療や急性期病院をつなぐ受け皿としての役割を担う病院だ。(取材日2017年8月22日)

まず、こちらの病院の概略を教えてください。

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当院は、外来診療、療養病棟での入院診療、緩和ケアの3つを柱とする病院です。内科や人工透析科など多様な診療科があり、下肢静脈瘤の外来なども行っています。また、胃や腸の内視鏡検査をはじめ、生活習慣病などにかかわる各種検査・検診も実施し、病気やその兆候を早く見つけ、適切な予防や早期治療を行っています。療養病棟では、急性期治療後、自宅療養が難しい方や、在宅医療では対応が難しい方を受け入れるなど、家庭や施設、大規模病院との隙間を埋める役割を果たしています。また、聖仁会グルーブは緩和ケアを重視しているのが特徴で、当院も早くから緩和ケア病棟を立ち上げ、県内の緩和ケアの先駆け的存在となっています。診療方針は、地域重視の姿勢を第一に、「患者さま一人ひとりのかけがえのない人生の支えとなれるように、人に優しい医療、看護、介護を実践すること」を基本理念とし、地域医療への貢献をめざしています。

こちらの緩和ケアにはどのような特徴があるのですか。

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緩和ケア病棟専任の医師を中心に、日本看護協会緩和ケア認定看護師など経験豊かな看護師がそろい、診療体制が充実していることが第一の特徴です。看護師のケアの細かさや、カンファレンスによる全体での情報共有や連携には自信があります。また緩和ケアは、一般にがんの末期患者さんを対象とするものというイメージがありますが、当院では、心不全や腎不全、呼吸不全など、がん以外の病気の高齢の患者さんも受け入れ、できるだけ苦痛を除き、穏やかに最後を過ごしていただく診療を行っています。緩和ケア病棟では面会時間の制限はなく、ご家族やお友だちとの時間を大切に過ごしていただけますし、節度を守ればお酒も召し上がれます。私は外科出身で、最後まで諦めず手術で救う方法の重要性もわかっていますが、緩和ケアという選択肢も身近にあり、その方らしい最後が選べることがとても大切だと考えています。

外来診療ではどのような特色がありますか。

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私の専門も生かし、内視鏡検査と下肢静脈瘤治療に力を入れています。内視鏡検査は、内視鏡専門の医師が担当し、消化器のがんの早期発見はもちろん、小さな大腸ポリープはその場で切除するなど安心して検査を受けていただけるような体制を整えました。内視鏡検査を受けられる方も徐々に増えています。下肢静脈瘤は、足の血管が浮き出したり、凸凹が目立ったりする病気です。女性に多く、悩んでいるが何科を受診すればいいかわからないという方や、潜在的な患者さんが多いとされる病気です。当院では、検査技師による超音波検査で精度の高い診断を行い、ラジオ波(高周波)を利用した、切らない、低侵襲の治療を行います。足に傷をつけないので出血もなく傷も残らず、患者さんのも軽減でき、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方にも受けていただけます。紹介の患者さんも増え、私もやりがいを感じているところです。

地域連携や、地域の中での果たす役割について教えてください。

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以前から療養病棟と緩和ケア病棟には地域連携室を設けていましたが、さらに地域連携を充実させるために、今年から病院全体の地域連携室を作り、外来患者さんの入退院なども含めて、開業医の先生との連携や、病病連携などを担っています。また病棟でのカンファレンスにケースワーカーも加わり退院後の支援体制も検討するなど、患者さんとご家族を包括してケアする体制をとっていることも当院の特徴です。地域の方や連携する施設の患者さんに関しては24時間365日の受け入れ体制を整備しています。地域の中では、在宅医療や他の医療機関などと連携して、医療の谷間で困られている方をフォローする役割を果たしていると思います。もっとマンパワーが確保できたら、在宅診療部門を設け24時間体制での看取りにも取り組みたいですし、近い将来の地域包括ケア病棟設置も視野に入れながら病棟運営を行い、地域医療を支える要となっていきたいと考えています。

今後の展望についてお聞かせください。

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建物が古く手狭で建て替えも計画していますので、それまでに診療面を充実していきたいと考えています。少子高齢化問題もふまえ、地域医療に貢献できるよう、療養病棟の充実やリハビリテーションにも力を入れていく予定です。緩和ケアや療養入院という慢性期を主とした治療に加え、地域ニーズに応える検診や予防にも力を入れて、地域のさまざまな医療の入り口の役割を果たしたいと考えています。病気を未然に防ぐための健康診断やがん検診で健康を守り、大きな病気になってしまったら大きい病院へ速やかに紹介し、高齢や終末期に在宅で無理になったら入院というように、ライフステージに合わせて当院を活用していただく。さまざまな領域の専門職がそろい、入院にも対応できる、病院だからこそ提供できる医療によって地域に貢献していきたいと考えています。

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澤田 傑 病院長

1992年岐阜大学医学部卒業後、同附属病院第一外科に入局し、消化器外科診療の研鑽を積む。愛知県立がんセンター、横浜総合病院外科部長、ヘルシンキ大学医学部血管外科留学などを経て、2014年横浜甦生病院病院長就任。日本外科学会外科専門医及び日本消化器病学会消化器病専門医。内視鏡検査や下肢静脈瘤の外来も担当し、多忙な毎日。健康第一と、毎週ジムに通い体を鍛えている。

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