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横浜相原病院

(神奈川県 横浜市瀬谷区)

藤渡 辰馬 院長

最終更新日:2021/08/26

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認知症や、精神疾患の包括的な医療を提供

「横浜相原病院」は1993年の開設以来、統合失調症患者の社会復帰をめざす治療や認知症ケアなど地域の精神医療の中心となってきた病院だ。2021年に藤渡辰馬院長が病院長に就任。新型コロナウイルス感染症が流行する中で、うつ症状のある人などはその症状が増長される傾向にあるため、同院ではこれまで以上に急性期治療に注力。必要に応じて措置入院も受け入れるほか、治療後に速やかに患者が自宅や地域に戻れるように努めているという。また2020年12月に認知症疾患医療センターを開設。認知症専門の医師を中心に、より積極的に認知症患者のケアを行う。電話相談窓口も設け、家族のサポートを含めた認知症対策をめざしている。また内科医師が常勤し、内科診療に注力しているのも特徴で、内科療養病棟も整備して身体合併症のある患者も受け入れる。外来では、不登校やひきこもりなどにつながる思春期の心の問題から、現役世代の心身の不調、認知症の問題行動など幅広い症状に対応。「適切な医療に結びつけ解決に導くためにも、気軽に受診していただける病院でありたい」と語る藤渡院長に、病院の特徴や日々の取り組みについて聞いた。(取材日2021年8月6日)

まず、こちらの病院の概要を教えてください。

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当院は、1993年の開設以来、新しい治療法や新しい分野を取り入れた精神医療と、健康の増進と機能障害回復のためのリハビリテーションを行う病院として医療内容を充実させてきました。認知症疾患や合併症を持つ高齢者のさまざまな問題への対応など、地域社会のニーズや国の要請に応える病棟や診療を増やしてきたのも特徴で、現在は一般的な精神科病棟に加え、精神療養病棟、特殊疾患病棟、認知症治療病棟、医療療養病棟などを整備しています。心の病を抱えた方が社会で生活していくために必要なスキルを身につけることを目的とする、SST(社会生活技能訓練)などのリハビリテーションにも力を入れています。

内科診療にも力を入れているのが特徴だと聞きました。

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そうですね。精神科病院にしては珍しく内科医師が2人常勤しており、CTや内視鏡装置などの設備も整え、内科的な合併症を持つ患者さんへの対応にも力を注いでいます。精神疾患の患者さんも高齢化により内科的な病気を併せ持つ人も増えてきています。一般的な精神科病院では合併症があると受診を断られ、内科では精神疾患があるからと受診を断られることもありますので、当院では精神科以外の診療についても充実を図り、多様な患者さんを受け入れてきました。2021年6月に新規開設した、医療療養病棟は、内科的な疾患で急性期治療を終えても継続的な医療提供を要し、病院での療養が必要な患者さんを対象とする病棟です。また、外来診療では、中高年の患者さんの合併症となりやすい、睡眠時無呼吸症候群の検査と治療にも対応しています。さらに週に一度ですが、眼科、歯科、皮膚科、泌尿器科の医師による診療も行っています。

認知症については認知症疾患医療センターを開設したそうですね。

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はい。2020年12月より認知症疾患医療センターを開設しました。これまでの認知症患者さんへの診療経験を生かし、地域の中で認知症が疑われる方の認知症の識別診断を当院で行い、また地域医療機関や介護施設、行政と連携を取ることで在宅や施設での療養生活を支えることをめざしています。認知症専門の医師を中心に、家庭や施設での対応が難しい行動面の症状や合併症への対応にも力を入れ、かかりつけ医の先生や看護、介護、在宅支援関係者への研修会の実施、医療・行政・関連施設などで構成される連携協議会の開催、医療・福祉・介護に関する情報の集約や発信にも取り組んでいます。横浜市の「もの忘れ検診」も行っていますし、認知症に対する一般市民の皆さんへの啓発活動にも力を入れていきたいと考えています。新型コロナウイルス感染症の流行で対面の活動は難しくなっていますが、オンラインを利用しての取り組みは積極的に行っています。

地域の中で果たす役割について聞かせてください。

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瀬谷区の精神科病院としてニーズに応える精神医療に取り組み、医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、作業療法士、ケースワーカーなど多職種が連携して、患者さんやご家族を地域全体で支える手助けを実践しています。精神科デイケアや通所リハビリテーションも設けて、退院後も手厚いサポートを行い、心に病を抱えた方が、その人らしく地域の中で生活していくことをめざしています。私も瀬谷区の精神保健の相談を担当するなど、院外に向けた活動にも取り組んでいます。また愛の手帳(療育手帳)の交付を受けた人を対象とした専門の外来も開設し、障害年金の診断書や障害者総合支援法における障害程度区分認定のための医師意見書、成年後見申立書に関わる診断書などの作成も行っています。さらに看護学校や種々の専門学校に対する講師派遣、実習受け入れ病院として、診療・研究・教育の3本柱で地域に貢献しているのも当院の特徴だと思います。

最後に地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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当院の立ち上げより尽力された、吉田勝明前院長の「名病院というよりは、愛し愛される心を持った良病院」との理念を受け継ぎ、また、統合失調症やうつ病患者さんの社会復帰に向けた取り組みや認知症ケアの豊富な経験を生かしながら、地域社会のニーズに応えた精神医療を提供していきたいと考えています。また感染症対策を徹底しており、入院患者さんとのリモート面会なども積極的に行っています。コロナ禍によるストレスや不安など心に与える影響も大きい中で、より一層患者さんやご家族、そして市民の皆さんが求める医療を実践していきたいと考えています。最近増えているうつ病や、不登校やひきこもりにつながる思春期の心の問題などについても幅広く対応しています。精神科というと敷居の高いイメージがありますが、当院では、家族相談やレスパイト入院など柔軟な対応を心がけ、包括的な診療やケアをめざしていますのでぜひ気軽にご相談ください。

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藤渡 辰馬 院長

1995年福井医科大学卒業、同大精神医学教室入局、1999年同大学附属病院神経科精神科助手。2001年日本医科大学精神医学教室入局。日本医科大学千葉北総病院メンタルヘルス科医局長、日本医科大学付属病院精神神経科助教を経て2010年東京都保健医療公社豊島病院精神科医長に就任。2015年横浜相原病院入職。副院長を経て2021年4月より現職。専門は、精神科一般。

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