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横浜旭中央総合病院

(神奈川県 横浜市旭区)

山中 太郎 院長

最終更新日:2022/12/28

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急性期から慢性期まで地域が求める医療を

横浜市旭区の横浜若葉台団地において、1981年の開院から40年以上にわたって、地域に住む人々の健康を支えてきたのが、「横浜旭中央総合病院」だ。現在は、合わせて30を超える診療科と専門に特化した診療部門を設け、515の病床を備える総合病院として、救急医療や在宅医療を含め、急性期から慢性期まで地域の医療ニーズに応えている。そんな同院の山中太郎院長は、もともとは山梨医科大学でウイルスの研究に従事。その後は、同院が属するIMS(イムス)グループの中核である板橋中央総合病院で、新しい医師の教育システムをつくり上げたという。そのため、同院でも地域を愛し、地域から愛されるスタッフを育てることに情熱を燃やす山中院長に、地域における病院の役割などについて話を聞いた。(取材日2022年10月12日)

横浜若葉台団地ができた時に開設された病院だと伺いました。

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そうですね。横浜若葉台団地の入居開始とほぼ同時期の1981年に開院しました。横浜若葉台団地と隣にある霧が丘団地を合わせると、最大で4万人が入ります。一方で、この地域は陸の孤島と言いますか、十日市場や青葉台、三ツ境など、どの駅からも若干遠いんですね、ですから当院の基本的な役割は、若葉台と霧が丘地域の人々の医療や健康に貢献すること。もっと言えば、当院の運命は若葉台と霧が丘、両団地とともにあるのです。住民は、最近は若い家族も増えていますが、基本的に高齢化していますから、患者さんも60〜70代の方が中心です。そのような中で当地域はクリニックが少なく、すべての診療科がそろっているわけでもありません。仮に当院がなくなってしまうと、この地域の人々は遠くの病院まで通わないといけなくなります。そのため、当院は地域密着の総合病院として、地域に必要とされる幅広い医療ニーズに応えることが大切だと考えています。

診療での特徴はありますか?

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私は、どういう医療に強いとか、どういう設備を持っているとか、こんな名医がいるといったことは、あまり意味を持たないと思っています。なぜなら機械は5年もたてば古くなりますし、人も10年すれば年を取るからです。それに、本来の医療は社会や地域のニーズが決めていくもの。いかに心臓の手術ができようが、ニーズがないと役に立ちません。医療者側が、これができます、あれができますなどと言うのは、ニーズがあってこそ意味を持つわけです。そう考えると、私たちに求められているのは、この地域に必要な医療を継続的に提供すること。そして、当たり前の治療をきちんと提供することでしょう。その中で、当院は総合病院ですから、まず救急車をちゃんと受け入れる。そのためには、最近はこういう病気が多いから、それに対応できる医師をそろえないといけない。そういうアンテナをしっかりと伸ばしておかなければいけないと思っています。

救急医療について、もう少し教えていただけますか?

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若葉台と霧が丘に加え、町田市や瀬谷区、大和市、相模原市からも搬送されてきます。地域に多い病気による救急搬送患者をできるだけ受け入れるためには、脳卒中に対応できる脳外科、骨折などに対応できる整形外科、心臓発作を診る循環器内科、肺炎や腹痛など一般的な疾患を診る内科、場合によっては緊急の手術が行える外科、少なくともこの5つの分野の医師は24時間常に待機するようにしています。加えて、一度に広範囲の撮影が可能な脳血管撮影装置や、精密な高解像度の画像が得られる心臓血管撮影装置なども導入しています。当院では、臨床検査技師と診療放射線技師も当直していますから、夜中でも24時間、血液検査やMRI、CT撮影が行えます。また、主に重症筋無力症やパーキンソン病などの患者さんには在宅医療も提供しています。一般的な疾患での在宅医療はクリニックの先生、神経難病は当院、と役割分担しながら地域医療に貢献しています。

先生は研究者でもあり、教育者としても経験があるそうですね。

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山梨医科大学を卒業した後、大学院でウイルス学者をしていました。山梨県は寄生虫が原因の肝臓疾患で死亡する人が多く、山梨医科大学には肝臓の専門家が集まっていたんです。B型肝炎を研究し始めたら面白くなり、ウイルスの遺伝子組み換えが専門になりました。その後、2001年にIMSの中核病院である東京の板橋中央総合病院に入り、ウイルス疾患などを担当していましたが、病院の教育システムを私がつくることになり、若い医師たちを育ててきました。気がつくと当グループのかなりの医師は、私の教育システムで育った人たちが占めるようになっていました。それまでは、大学の教授のところを回って医師を派遣してもらえるようお願いするのが普通でしたから、自前で医師を育てられるようになったのは、とても良かったと思います。当院が必要とするのはスーパー医師ではありません。当たり前のことが当たり前にできる医師を育てればよいと思います。

院長としての抱負と、読者へのメッセージをお聞かせください。

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院長の仕事は、病院をどう持続させていくのか。どのような医療サービスの提供が必要なのかを考えること。患者満足度は、職員の満足度に比例します。職員一人ひとりが仕事に誇りを持ち、満足することが、患者さんの満足度の向上につながる。この私の考えは、1300人いる職員にいろいろな手段を用いて、伝えるようにしています。そして、病院という組織の基本になっているのは人ですから、人を育てることが重要です。IMSではグループ内の病院間で人事異動を行っており、これが人を育てることにつながっています。めざすのは、当たり前のことが当たり前にできる病院、そして地域から愛される病院です。われわれスタッフが、まずは地域を愛することができれば、地域からも愛され、地域に貢献できるはずだと信じています。そのため、職員が誇りを持って、地域の皆さまに医療サービスを提供できる体制づくりに今後も努めていきます。

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山中 太郎 院長

1986年山梨医科大学卒業後、同大学院でウイルス学を学ぶ。カリフォルニア血液センター留学、長野県内の病院勤務を経て、2001年よりIMS(イムス)グループ板橋中央総合病院に入職。同院の医師教育システムを構築し、多数の医師を育成。2011年9月に同じIMSグループの横浜旭中央総合病院院長に就任。日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。

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