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医療法人社団明芳会 横浜旭中央総合病院

(神奈川県 横浜市旭区)

山中 太郎 院長

最終更新日:2025/01/10

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基本5科で救急体制維持。地域に安心を提供

横浜市旭区の横浜若葉台団地において、1981年の開院から40年以上にわたって、地域に住む人々の健康を支えてきたのが、「横浜旭中央総合病院」だ。現在は、さまざまな診療科と専門に特化した診療部門を設け、515の病床を備える総合病院として、救急医療や在宅医療を含め、急性期から慢性期まで地域の医療ニーズに応えている。そんな同院の山中太郎院長は、もともとは山梨医科大学でウイルスの研究に従事。その後は、同院が属するIMS(イムス)グループの中核である板橋中央総合病院で、新しい医師の教育システムをつくり上げたという。14年にわたり務める同院の院長としても、地域を愛し、地域から愛されるスタッフを育てることに情熱を燃やしている山中院長に、地域における病院の役割などについて詳しく聞いた。(取材日2024年12月3日)

開設から40年以上、地域での役割を果たしてきたと伺いました。

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横浜若葉台団地の入居開始とほぼ同時期の1981年に開設され、40年以上地域の医療と健康増進に貢献を続けています。横浜若葉台団地と、隣にある霧が丘団地を合わせると、最大4万人が暮らせるとか。若い家族も増えているものの、基本的には高齢化が進行しています。反面、このエリアにはクリニックが少なく、すべての診療科がそろっているわけでもありません。当院がなければ、バス等を利用して遠方まで受診のために足を運ばなければならないという方が多数いらっしゃるのです。当院としては、そうした方々のニーズに対し、幅広い診療で応え続けていくことが大切と考えています。私の考えでは、病院とは社会のニーズによってしか成立しないもの。医師の「先端医療等を実践したい」といった考えから生まれる病院は、決して求められ続けるものではなく、いずれ淘汰されてしまうものだと思うのです。

近年での変化があれば教えてください。

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病院として地域に求められ続け、質を保った医療を提供し続けるためには、常に時代のニーズを読み取り、それに応え続けることが必要です。そうした意味で、当院における近年の変化は、すべて時代の要請に応えてのものだと自負しています。直近では、救急搬送の受け入れが大幅に増加しており、これは、搬送受け入れ要請に応えるために、人材と設備を充実させたことによるものです。救急車を呼んだものの、急性期病院での受け入れ対象とならない搬送も多くあります。例えば、高齢者の誤嚥性肺炎や、老老介護でご自宅にお戻しすることが難しい例などです。そうしたケースも柔軟に受け入れ、地域の皆さんが安心して暮らせる体制を維持し続けることが使命と考えます。新しいことを始めるにはパワーが必要ですが、今行っていることを維持し続けることにも同様にパワーが必要だと実感しています。

救急搬送を積極的に受けていらっしゃるのですね。

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若葉台、霧が丘はもちろん、町田市や瀬谷区、大和市、相模原市からの搬送もあります。心筋梗塞や脳卒中、頭部外傷や骨折、吐血・下血、肺炎と、多種多様な患者さんが運ばれてきます。どのようなケースの搬送でも受け入れられるよう、広く一般的な疾患を診る内科と、場合によっては緊急の手術を行う外科に加え、脳卒中に対応する脳外科、骨折などに対応する整形外科、心臓発作を診る循環器内科と、最低でも5分野の医師が24時間待機しています。一度に広範囲の撮影が可能な脳血管撮影装置や、高精度画像を得られる心臓血管撮影装置などを導入し、臨床検査技師と診療放射線技師も当直しているため、血液検査やMRI、CT撮影も24時間行えます。9床の救急病床を設けて受け入れながら、JTAS(日本緊急度判定支援システム)も導入。院内トリアージを行いながら、より緊急性の高い患者への迅速対応がかなう体制を整えています。

研究者でもあり、教育者でもいらっしゃるとか。

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もとはウイルス専門の研究者でした。寄生虫による肝臓疾患が多いエリアにあることから、当時の山梨医科大学には肝臓の専門家が集まっており、B型肝炎の研究に熱中していたのです。その後、2001年に縁あってIMSの中核病院である「板橋中央総合病院」に入ったのですが、「教育ができない病院に未来はない」という考えを常々表明していたところ、教育システムの立ち上げに関わることに。気づくとグループ内のかなりの割合を、私の教育システムで育った医師が占めるようになっていました。従来は医局に頼って医師を確保していたのに対し、院内で医師を育てられるようになったのは、病院として大きな強みです。扱う疾患が多様で、救急受け入れも多いため、幅広いケースに数多くあたれる当院でも、研修医や看護師、薬剤師らを多く受け入れています。めざすのは専門性を追求するスーパードクターではなく、当たり前のことを当たり前にこなせる医師なのです。

今後の展望をお願いします。

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社会の変化は加速しており、病院としてニーズに応えることが難しくなってきていると感じます。医療情報に身近にアクセスできるようになり、医師や医療者に対する皆さんの見方も変わってきたのではないでしょうか。正しい医療情報を手に入れた患者さんは、薬局で薬さえ手に入れられれば、病院は不要ということになります。10年20年たつ頃には、医療はもっとドラスティックな変化を迎えているのではないでしょうか。そんな中で、病院として何ができるのか、5年後10年後を想像しながら、ニーズに応える努力を続けていきたいと思います。教育的立場に立って40年になりますが、対象者と世代が離れるほどに価値観を共有することの難しさを実感します。常に価値観を更新する必要性とともに、次世代にバトンを渡すことの大切さも思い知るのです。時代のニーズに応えること、人を育てること、それが今も昔も変わらない、私たちの使命だと噛みしめています。

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山中 太郎 院長

1986年山梨医科大学卒業後、同大学大学院でウイルス学を学ぶ。カリフォルニア血液センター留学、長野県内の病院勤務を経て、2001年よりIMS(イムス)グループ板橋中央総合病院に入職。同院の医師教育システムを構築し、多数の医師を育成。2011年9月に同じIMSグループの横浜旭中央総合病院院長に就任。日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。

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