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医療法人社団東京巨樹の会 みどり野リハビリテーション病院

(神奈川県 大和市)

大山 治 院長

最終更新日:2020/11/25

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退院後の生活を見据えた手厚いケアを実現

小田急江ノ島線と東急田園都市線が交わる中央林間駅から徒歩約6分。今から5年前、急性期と療養を兼ね備えた前身から、回復期リハビリテーション病棟へと転化し名実ともに生まれ変わった「みどり野リハビリテーション病院」では、リハビリテーションにより、身体的・精神的・社会的・職業的な能力を有するまで回復させることを目標とする。「できるだけ早く自宅に戻って生活できるよう、また家庭や社会で仕事ができるようになって退院していただきたい」と語る大山治院長は、いたずらに在院日数を延ばすことを嫌う一方で、患者の日常・社会復帰が本当にできるのかを徹底したリアリティーをもって追及する。早期回復のための工夫から退院後のフォローまでどのようなことが実施されているのか、詳しく話を聞いた。(取材日2015年12月22日)

地域における役割と患者層について教えてください。

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この地域は急性期の病院が充実していて療養型の病床はたくさんありましたが、回復期の病床はまだまだ少なかったんです。そのため、全病床を転化してリハビリテーション専門にすることで、地域医療を支えたいと考えました。実際、当院の入院施設はほぼ100%稼働している状態です。患者さんは、地域のご高齢の方が急性期病院から転院されてくることが多いです。リハビリテーションが必要になる原因から言えば、脳卒中など脳血管障害が6割5分くらい、骨折などによる運動機能障害が3割、残りが肺炎で寝たきりになってしまったケースという割合になります。また、2015年にはパーキンソン病専門の部門を立ち上げましたが、パーキンソン病自体のリハビリテーションは回復期では認められていないため、運動障害による転倒で骨折してしまい当院でリハビリテーションを受ける、という患者さんが非常に多いです。

こちらの治療方針について教えてください。

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第一に決して諦めないこと。そして、早く退院して自宅に戻っていただくこと、できる限り社会的な仕事もできるようにサポートすることですね。退院を急ぐのは、長い入院生活を少しでも減らして差し上げたいからです。当院の在院日数は短くても、患者さんが入院しているトータルの日数は非常に長くなります。急性期病院では早くて2週間、当院の平均在院日数が64日ですから、単純に80日近くになるわけです。脳血管障害の患者さんともなると、150日、180日にもなりますから、半年以上もかかってしまいます。ですから、退院してもきちんと生活ができると確認できることが大前提ですが、早期に退院いただき、退院後は訪問でのリハビリテーションや通所リハビリテーションを受けながら、社会にどんどん出ていただくというのが当院の方針です。

早期に退院し、社会復帰するための工夫について教えてください。

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当院では、なるべく歩く、歩けなければ座ってもらう、という具合に、「ベッドから離れた入院生活」を心がけています。ですから、食事は食堂に足を運んでいただくのが基本。経管栄養の方も、人の声が聞こえ顔の見える食堂で栄養をとっていただくんです。その他、天気の良い日は外で園芸作業をすることも。そういった場で他の患者さんやスタッフと言葉を交わすこともリハビリテーションです。人と関わる機会をたくさん設けているためか、当院で認知症が進む方は非常に少ないと考えます。また、退院後の生活を見据えたケアにも力を入れています。例えばお風呂は、ご自宅に戻る訓練の一環として、可能な患者さんには19時頃に入浴していただき、シミュレーションができるようにユニットバスも用意。買い物訓練や調理訓練、バス乗車訓練なども行っています。料理一つをとっても、実は非常に高度な思考力が要求されるので、いいリハビリテーションになります。

自宅訪問ではどんなことをされているのですか?

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一言で言えば、ご自宅にお戻りになる時に、現在の体の動かし方が、ご自宅での生活に合うかどうかの確認をしています。玄関を上がれるかどうか、トイレは使えるか、寝室からトイレまでの動線上に段差はないか手すりはあるか、などを確認させていただきます。例えば、大腿骨の頚部骨折などの患者さんでは、脱臼しやすい禁忌の姿勢というのがありますので、お風呂の浴槽にどうやって入るかまでチェックします。試しにやってみていただき、リスクがあるようでしたら浴槽内に座る台を入れるようにアドバイスをしますね。それから、患者さん担当のスタッフがケアマネジャーと一緒に訪問して、どういうサービスを導入したら良いか、デイサービスは利用すべきか、などといったことを話し合います。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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近い将来、ドライビングシミュレーターを導入する予定です。当院では、自動車の運転を希望される患者さんが非常に多いんですね。そこで、教習所に行く下準備として当院で練習できるように導入を決めました。すでに何度か試してみましたが、非常に好評です。そして引き続き、患者さんのためにさまざま工夫を凝らしていきたいですね。例えば、夕食後のカラオケやスクリーンでのDVD鑑賞。言葉に障害のある方でも、マイクを握って声を出すのは有効なリハビリテーションの一つになると考えます。何より、皆でわいわいできるのは楽しいですよ。また、足湯や週に2回のフェイスマッサージとクレンジングも男女問わず好評です。入院生活が長いとなかなか自由が利きませんので、拘束感を持たれる方が出てきてしまいますが、当院ではそれを防ぐために努力を重ねています。地域の方々に選んでいただける病院になれるよう、今後も努力し続けていきたいと思います。

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大山 治 院長

1981年聖マリアンナ医科大学卒業。スピード感が求められるところに魅力を感じ循環器内科を専門とし、さまざまな経験を積む。院長として「己に厳しく、他人に優しく」をモットーに、目標は高く持ち決して諦めない精神で日々患者と向き合っている。

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