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医療法人裕徳会 港南台病院

(神奈川県 横浜市港南区)

神谷 貴仁 院長

最終更新日:2026/06/12

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地域医療の隙間を埋める、結節点として貢献

高齢化が加速する地域において、医療と生活の境界線をいかに支えるかが、今問われている。「港南台病院」は、高度急性期医療と在宅・施設療養との間に生じる隙間を埋める、地域医療の結節点として、独自の役割を果たしてきた。2026年、新院長に就任した神谷貴仁先生は「地域という大きな循環の中で、誰も孤立させない医療」を掲げる。同院の特徴は、医局の垣根を取り払った多職種間の密な連携に加え、法人グループのネットワークを駆使した圧倒的な受け皿としての機能にある。他院では対応が難しい社会的背景を持つ例や、退院後の調整に時間を要するケースも、「最後まで責任を持って診る」という覚悟で引き受ける。病気を治療するだけでなく、その先の暮らしにまで血を通わせる同院の姿勢は、地域住民や介護現場にとって大きな安心感となっている。新体制となった同院の現在地と、地域共生社会を見据えた展望について神谷院長に聞いた。(取材日2026年3月26日)

地域においてどのような役割を果たしていますか?

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当院は緊急入院用の病床を備え、急性期医療を中心に据えつつ、高度急性期医療と在宅医療の間をつなぐ受け皿・橋渡しの役割を担っています。高度急性期治療が必要と判断したらすぐに地域の中核病院へ紹介し、急性期治療が一段落したものの自宅復帰にはもう少し治療が必要な患者さんを積極的にお受けしております。こうした体制を維持するため、日頃より地域の中核病院や近隣医療機関、在宅診療所との情報共有と双方向の連携を図り、円滑で迅速な医療提供体制の構築に努めています。また、独居や生活困窮などの課題を抱える方に対しても、グループ内の地域包括ケア病院や介護施設、訪問診療部門と連携し、医療から生活支援まで包括的に支援しています。「港南台病院に相談すれば、なんとかなるし、なんとかしてくれる」と思っていただけるよう、その方の人生や暮らしを丸ごと支えていくのが私たちの使命です。

診療面での強みや、注力している取り組みをお聞かせ願えますか?

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高度な専門医療が必要な場合は専門機関へ紹介し、その後のアフターケアは当院が担います。診療の中心は総合内科で、糖尿病・高血圧・慢性腎不全をはじめとする生活習慣病の継続管理に注力しています。肺炎や尿路感染症などの急性期症状、呼吸器疾患や心不全、CVポート・胃ろう造設やCART療法、日帰り手術、緩和医療、栄養管理まで、全身状態を見ながら幅広く対応できるのが強みです。特に摂食嚥下ケアに力を入れ、嚥下内視鏡検査や言語聴覚士との連携により、安全な食事を追求しています。院内では、急性期治療後の継続的な治療やリハビリテーションを中心とする地域包括ケア病院をはじめ、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、訪問看護などの機能を活用し、患者さんの症状や生活状況に応じた適切なご案内を行っております。当院は患者さんを面で支える体制の構築を深化させるとともに、外部医療機関とのさらなる連携も強化していきます。

他病院や地域との連携についても教えてください。

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顔の見える連携をさらに一歩進め、お互いの役割を補完し合う関係性を構築しています。いわゆる「スープの冷めない距離」にある近隣中核病院とはホットラインでつながっているほか、地域包括ケア病院や介護施設とのグループ内連携も強固です。当院の最大の特徴は、医局に壁がないことです。医師も看護師も、事務スタッフやソーシャルワーカーも、患者さんに関わるすべてのメンバーが同じスペース、ワンチームで働いているため、患者さんの医学的な状態だけでなく、ご家族の状況や退院後の課題といった情報がリアルタイムで共有されるのです。この距離の近さが、迅速な意思決定と温かみのある対応につながっているのではないでしょうか。地域の開業医の先生方や施設スタッフの皆さんとも、単なる紹介状のやりとりにとどまらない、信頼に基づいたシステム面での連携も含めこれからも深めていきたいですね。

院内の雰囲気や働き方への取り組みはいかがですか?

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医療の質を支えるのは、やはり「人」です。スタッフの満足度が高くなければ患者さんに質の高い医療を届けることはできません。院長として、職種の垣根を越えて誰もが発言しやすく主体的に自走できる、働きやすい環境づくりに心血を注いでいます。例えば、看護師不足は業界全体の課題ですが、なぜ人が離れるのかを考え、現場の声を反映したテコ入れを行います。医局内に全スタッフを集めるのも、孤立を防ぎチームで支え合う文化をつくるためです。この距離感が当院らしさだと思っており、その雰囲気が患者さんにも伝わり、「相談しやすい」と言っていただけることも多いです。また、外国人材の受け入れも積極的に行い、彼らが地域の一員として溶け込み、キャリアを築けるよう法人全体でサポートしています。スタッフ一人ひとりが「港南台病院で働いて良かった」と思える場であり続けることが、結果として患者さんや地域への貢献として還元されると信じています。

今後の展望をお聞かせください。

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地域の皆さんが気軽に相談できる場所であり続けたい、その一心です。外来を入り口として、困ったことがあればなんでも話していただける環境を整えていきます。これからの時代、医療は完結するものではなく、地域の中で循環していくものです。当院がハブとなり、急性期の治療からリハビリテーション、訪問診療、そして施設やご自宅での看取りまで、切れ目のない安心を届けていきたいと考えています。父がこの地に病院を立ち上げた想いを受け継ぎつつ、時代のニーズに合わせてさらに進化させていく覚悟です。医療グループとしての総合力を生かし、地域社会の活性化に貢献すること。そして、患者さんもスタッフも、関わるすべての人が「港南台病院に関わって良かった」と思える病院にすること。それが、私が描く港南台病院の未来図です。地域の皆さんとともに歩んでいければと思います。

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神谷 貴仁 院長

東海大学医学部卒業。港南台病院開設者である父の背中を見て育ち、医師として総合内科・糖尿病内科を中心に研鑽を積む。港南台病院に入職後、副院長を経て院長に就任。よこはま港南台地域包括ケア病院の院長を務める実弟の神谷周良先生とともに地域医療を支える。父の代から引き継いだ「地域に開かれた医療」の精神を継承しながら、働きやすい環境整備や訪問診療の拡充など、次世代の地域医療体制づくりに取り組んでいる。

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