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横浜東邦病院

(神奈川県 横浜市港南区)

梅田 嘉明 院長

最終更新日:2020/11/25

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急性期から慢性期まで、365日診療

横浜市港南区において40年以上地域の医療を支えてきた「横浜東邦病院」を訪ねた。2016年の増改築に伴い新しくなった外来ロビーは広々として、白樺や動物の絵に囲まれた癒やしの空間となっている。同院では、整形外科を中心に急性期の医療を提供する一方、症状が安定した患者が社会復帰できるまでの受け入れ体制があるのが特徴。一般病床に加えて2016年、医療療養型病棟もオープンした。「方法論はいろいろあるが、もっとも大事なのは病気ではなく病人を治療するという姿勢」と語る梅田嘉明院長。今回は梅田院長に、地域において果たす役割や病院の在り方などを語ってもらった。
(取材日2017年9月28日/情報更新日2019年3月4日)

病院の成り立ちについてお聞かせください。

1

当院を開設する前は東邦大学病院に勤務しており、将来的にも大学に残るつもりでした。ですが、私自身が2度の大病を患ったことをきっかけに、人間中心の医療を実践していきたいと強く感じるようになり、自らの病院を開設するに至りました。当時、クリニックや病院という所は、患者さんにとって少し壁のある、行きにくい場所だったのです。また、診療時間も午前中や午後の数時間というのが普通だった時代です。でも、その頃24時間営業のコンビニエンスストアが登場し、世に受け入れられたのを見て、私は「これからは医療も年中無休の時代だ」と直感しました。病気やけがには、夜間もお正月も関係ありませんからね。私は365日、夜間診療にも対応できる病院をつくろうと決心しました。結果的に、そうした診療方針が地域の皆さんに大変喜ばれて、当院では1979年の開業以来、整形外科と内科については夜間、土日の診療を続けています。

現在の診療科目を教えてください。

2

整形外科と内科からスタートし、現在は、リハビリテーション科、眼科、皮膚科、泌尿器科、他には物忘れや糖尿病、禁煙専門の外来もあります。私の専門が整形外科ですので、昔も今も整形外科の患者さんが多いです。当院は、来院患者数が600人以上の日が3日に1回はあるように、多くの患者さんがいらっしゃっています。約40年の歴史の中で、私たちの病院の考え方が地域に浸透しているとしたらうれしいです。院内に設置したご意見箱を通じて、ときにはお叱りをいただくこともありますが、おしなべて感謝の言葉が多いです。そのことに甘んずることなく、これからも皆さんに感謝される病院にしていきたいですね。最近は、患者さんも病気についてよく調べていらっしゃいます。だからこそ私たちは、日進月歩の医学に対して真摯に、そして日々勉強を忘れず、患者さんが知りたい情報を私たちの肉声でお伝えしていくことを大事にしています。

地域でどのような役割を担っている病院だと考えますか?

3

超高齢社会になり整形外科の重要性はますます増していますが、それだけではなく地域のニーズに呼応する形で診療科を増やしてきました。訪問看護に関しても、特注の車に入浴設備を取りつけて訪問入浴を行ってきました。なぜなら入院患者のベッドには限りがあるため、手術が終わった患者さんを長くお預かりすることはできないからです。急性期を脱しても、症状が安定するまでは訪問看護で診るようにしたのです。また、40床の介護老人保健施設、地域包括ケア病床と医療療養型病棟も開設しました。急性期病院としての機能を果たしつつ手術後の受け皿も用意して、責任を持って患者さんを診ていきたいと考えています。2018年の11月には駐車場だったスペースにリハビリテーション科の施設を移転する形でクリニックを開設しました。そこでは、男女が別々のフロアでリハビリができるので異性の目を気にせず、思いっきり体を動かせると言っていただいています。

梅田院長が、医師として印象に残った出来事を教えてください。

4

以前、野球で腰を痛めてしまったという15歳の男の子を診ました。しかし、レントゲンを撮っても外診所見から見ても、悪いところはまったく見受けられない。実は彼の症状は、他の病院で「手術をしたほうがいいかもしれない」と言われ、「もう野球ができなくなるのではないか」と思い込んでしまったことが原因だったのです。そこで私は、整形外科の医師としてではなく、一人の人間として彼と向き合いました。治療をする必要はなかったので、たくさん世間話をして、「必ず治るから」と励まし続けたのです。すると彼は安心したのか、症状が次第によくなり、しばらくしてから「レギュラーになったよ」と報告してくれました。私はそれまで、手術によって数多くの患者さんの症状を治療してきましたが、このときばかりは医師の言葉の重さを実感しましたね。私が当院の医師や看護師、医療スタッフにいつも伝えているのは、そういった、患者さんに寄り添う姿勢なのです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院には3つの理念があります。1つめは「地域に根ざした病院でありつづけます」。当院を表す十字のマークは一部が欠けた形になっていますが、これには「(扉は開いているので)どうぞ気軽に中に入ってきてください」、「私たちのほうからも行きますよ」という思いを込めています。2つめは「なにより質の良い医療の提供につとめます」。いつの時代も勉強を怠らず、どんなときも医療の質を一番に考えていきます。3つめは「人間愛にみちた医療をめざします」。手術を受ける患者さんにとって、メスを持つ医師の手は鬼の手のように見えるかもしれませんが、私たちは仏の心で治療をさせていただいております。これが院是「鬼手仏心」の精神です。この3つの理念に忠実に、これからも地域の皆さんのお役に立てる病院でありたいです。

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梅田 嘉明 院長

東邦大学大森病院で整形外科の医師として勤務した後、1979年に横浜東邦病院を開設。その後東邦大学の理事・評議員に就任。横浜市民間病院協会会長。日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医。

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