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町田病院

(東京都 町田市)

五十子 桂祐 院長

最終更新日:2021/10/20

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診療所と高度医療の結び手として地域に貢献

町田街道の交差点近くに建つ「町田病院」は、東京都指定の二次救急指定病院として地域の急性期医療を担う中核病院だ。120床を有し、救急科をはじめ内科、外科、整形外科、胃腸科、リハビリテーション科、脳神経外科、循環器科、心療内科など幅広い診療に対応し、多様なニーズに対応する体制を整備。先進の設備や専門知識をもつ医師による診療を提供している。同院を束ねるのは、町田市出身の五十子桂祐院長。東京女子医科大学病院で救命救急の研鑽を積んだ経験から、医療だけでなく、社会的な視点を持つことの大切さに気づかされたと話す五十子院長は、病病連携、病診連携、病院救急車の活用、訪問看護ステーションや看護小規模多機能型居住介護事業所の設立、海外から迎える看護と介護の実習生など、地域医療にとって必要な医療を実現するためさまざまな取り組みを行っている。また、発熱や風邪症状の患者に対しては病院入り口でトリアージを行い、PCR検査も実施。地域に根差した医療を追求し、常に「患者ニーズに応える中核病院」としての役割を実践する五十子院長に話を聞いた。(取材日2021年6月17日)

病院の成り立ちと概要をお聞かせください。

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閉院されていた病院を当院の母体である医療法人社団創生会が受け継ぎ新規開設したのが2001年5月です。当初は外来診療のみでしたが、開設から3ヵ月後には30床、1年後には80床に増設し、現在は病床数120床となりました。こじんまりとした病院ですので、スタッフ全員の顔が見える関係性の中で運営していますが、医療という厳しい現場であるという緊張感を忘れずに地域の中核病院としての役割を担っています。院長に就任して今年で14年目になりますが、この1、2年はどのように新型コロナウイルス感染症に対応するかを考え続けてきました。当院では罹患した患者さんの入院治療は行っていませんが、発熱や風邪症状で感染したかもしれないと心配する方をできる限り診療しています。高齢社会の中で肺炎になったり骨折したり、ごく一般的な疾患というのは避けきれません。コロナ禍の中、当院が思い描く地域の医療というものを実践してきた1年でした。

特に力を入れている分野を教えていただけますか?

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当院が力を入れているのは「地域医療」です。近隣の診療所からの紹介や高齢者施設などからの依頼を受けて診療と治療を行い、必要な場合は高度急性期病院へ紹介する。そういった診療所や生活をベースにした施設と病院をつなぐ医療連携に注力しています。また、二次救急医療機関として救急医療の提供も当院の大きな役割だと考えています。当院の患者さんの中心は近隣にお住まいのご高齢の方で、入院患者さんには高齢者特有の肺炎、尿路感染症、心不全といった疾患が多いのですが、50代までの若い方にも多い消化器のがんに関しては、内視鏡や超音波などの検査機器をそろえて早期発見、早期治療に努めています。下剤の服用や検査技術が必要なため、診療所では実施しているところが少ないともいわれる大腸検査は、当院で注力し推し進めていきたい分野の一つです。また、整形外科では骨折などで手術が必要な患者さんにも対応しています。

地域にとってどのような病院でありたいとお考えですか?

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年を追うごとに近隣の病院との病病連携、病診連携が一番大切だと感じます。例えば、当院では対応が難しい手術は連携する病院でお願いする、高度医療を受け終わった患者さんを当院で引き受ける、という形で連携しています。高齢化が進む今、お互いに良きライバルであり仲間でもある病院同士が協力し合うことで、時代に合わせてより良い医療を提供できるようになるのではないでしょうか。地域包括ケアについても、広い圏域における診療所と高度医療の結び手でありたいと考えています。これは私が町田市医師会で地域医療福祉部を担当しながら見てきた経験が大きいと思います。医療をベースに患者さんを診る医師と生活をベースに患者さんをサポートする介護では、そのバランスが重要です。当院では2020年に看護小規模多機能型居住介護事業所を設立したほか、町田市にある12の高齢者支援センターと医療機関をつなぐ連携支援にも注力しています。

地域のためのさまざまな取り組みをされているのですね。

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取り組みの一つとして、病院救急車による搬送業務に取り組んでます。開業医からの要請を受け、緊急性は低いものの入院が必要な患者さんを病院の救急車で迎えに行きます。介護タクシーと異なるのは、救急車には看護師や救急救命士が乗車しているため、酸素の投与を行ったり、当院の医師に指示を仰ぎながら病院へ移動をしていただくのが可能なことです。この取り組みが、限られた救急車の有効活用につながることを期待しています。また、当院ではバングラデシュから看護助手として技能実習生、ベトナムからは介護分野における特定活動実習生を受け入れています。バングラデシュでは、女性が仕事に就くことが難しい状況にあります。そのような厳しい社会情勢の国から来ている彼女たちには、仕事に対する覚悟があります。最初は文化の違いなどで大変な面もありましたが、しっかり勉学に取り組み、今では当院にとってなくてはならない存在になっています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当院がめざすのは、これまでもこれからも地域医療への貢献です。これまでもクリニックと大学病院などの高度医療を行う医療機関との間に立ち、両者の橋渡しを担ってきましたが、先ほどお話ししたように在宅医療と医療機関を結ぶ役割も担っていきたいですね。点と点で結ぶのではなく、面でつながって連携を強固にしていくことが必要ですし、医療の質の担保もしなくてはいけません。すべての医療機関のベクトルはお互いに向かうのではなく、あくまでも患者さんに向かうべきものですから。そういう意味では、患者さんに上手にこの病院のハードを使っていただき、自分たちができることを提供し、ニーズに応えていきたいと思います。いろいろな要望は、遠慮なくご意見としていただきたいと思いますし、私たちにはそれに応えていく責務があると考えています。患者さんだけでなくスタッフからもさまざまな意見をもらいながら、一つ一つの解決に努めていきたいですね。

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五十子 桂祐 院長

帝京大学卒業後、東京女子医科大学救命救急センターで7年間、救命救急の現場で研鑽を積む。医療分野の中でも特異な知識を必要とする眼科を習得したいと北里大学病院眼科に勤務した後、生まれ育った町田市で地域医療に貢献したいと同院に着任。2007年より現職。町田市医師会理事、日本救急医学会救急科専門医。

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