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軽度認知障害に対し
認知症予防・遅延をめざすプログラム

医療法人財団明理会 鶴川サナトリウム病院

(東京都 町田市)

最終更新日:2022/10/17

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  • 保険診療
  • 認知症

軽い認知障害があるものの、日常生活には大きな影響がない状態を指すMCI(軽度認知障害)。認知症の一歩手前の状態で、将来的に認知症になるリスクが高い一方で、「早い段階で適切に対処していけば、生活の質や認知機能の維持・改善の期待ができ、認知症への移行リスクを減らすことが望める」と話すのが、認知症疾患医療センターである「鶴川サナトリウム病院」の作業療法士の平野智也さんだ。同院では、2022年4月、MCI(軽度認知障害)トレーニングスタジオ「ASMO (あすも)」を開設。身体活動や知的活動、教育活動などのプログラムによって認知機能の維持や改善を図り、MCIと診断をされても目標や生きがいをもって生活が送れることをめざす。ASMOでの取り組みについて、詳しく聞いた。(取材日2022年7月5日)

軽度認知障害は、適切な対処で認知機能の維持や改善が期待でき、認知症への移行リスクを減らすことが望める

QMCIとは、どのような状態のことですか?

A

作業療法士の平野さん

MCIとは、軽度の認知症ではなく軽度認知障害です。誤解される方も多いですが、MCIは認知症ではなく、その手前の段階のことで、日常生活動作(ADL)である食事・排泄・入浴などには大きな問題はないが、手段的日常生活動作(IADL)で注意・判断力を求められる活動で面倒くささを感じたり、小さなミスが繰り返す状態を指します。具体的には、道をよく間違ってしまう、忘れ物が多くなったなどです。MCIの方は、健常者に比べると将来的に認知症になるリスクが高いとされている一方で、その時点で適切に対処すれば、認知機能の維持・改善、認知症への移行予防、あるいは発症遅延させる効果が期待できると考えられています。

Q加齢による物忘れと認知症の違いは?

A

ASMO (あすも)での知的活動プログラムの様子

加齢による物忘れとMCIの物忘れにはっきりと線を引くのは難しいのですが、加齢による物忘れ・MCIの場合は、例えば昨日の夕食に何を食べたのかを思い出せないときに、ヒントによって思い出すことができる。あるいは、物忘れをした自覚があり、何かしら食べたことは覚えています。しかし、認知症の物忘れの場合は、夕食を食べたこと自体を忘れてしまっているといった違いがあります。

Q医師はどのような状態であれば、MCIと診断するのでしょう?

A

タブレットで実施する検査の様子

MCIには「本人や家族からの認知機能低下の訴えがあるものの、認知症の診断基準は満たさず、日常生活動作や全般的認知機能に大きな問題がない」といった診断の基準があります。それらを確認するために、血液検査、頭部CTやMRIなどの画像検査、そして状況に合わせて心理検査などを行っていきます。さらに甲状腺機能低下症やビタミンB1・B12欠乏症なども認知機能低下の原因となりますので、可能性のある疾患の鑑別診断を行います。これらの結果を総合的に診ながら、医師がMCIの診断を行っていきます。

Qこちらでは、MCIの方にどのようなアプローチを行いますか?

A

一人ひとりの状態に合わせたプログラムを実施

当院では、MCIと診断された方に対して、生活の質、認知機能の維持・改善、認知症への移行を予防していく目的で、トレーニング施設「ASMO(あすも)」をご案内しています。ASMOでは、国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防運動プログラムであるコグニサイズや、ポールウォーキング、チェアヨガ、筋力トレーニングなどの集団プログラムを一人ひとりの状態に合わせて作業療法士が中心となって提供しています。週に1回3時間、身体活動や知的活動、教育活動を組み合わせ、健康保険内で実施しているのが特徴です。

QMCIトレーニングスタジオへは通い続けなければいけませんか?

A

病院周辺でのポールウォーキング

医師、専門職の評価をもとに、プログラムの実施期間は半年から1年が目安です。トレーニングによって認知機能の維持や改善を図りつつ、生活の質を落とさずに健康寿命を延ばせるようなライフスタイルを一緒に作ることが大切です。そのために、ASMOで身につけたリハビリに加えて、体を動かすことでできた生活リズムも維持する。つまり生活の中でご自分でも取り組めるものを見つけて習慣化し、当施設の卒業後も、セルフマネジメント力、自然治癒力を生かして、生活を継続してもらいたいです。そのための社会資源を紹介したり、体や心の変化、ストレスなどを当院の専門職にご相談いただいたり、内容を見直すなどのフォロー体制を整えています。

患者さんへのメッセージ

【平野智也作業療法士】ASMOの目的は、MCIと診断を受けても立ち止まることなく、目標をもっていただくこと。行動・心理症状などを発症する前に気づけたということは、それらに対しての予防や改善が図れるということです。認知症への移行を防いでいくための生活習慣や運動習慣からのアプローチを、当院のASMOで医師・スタッフが皆さんをサポートしていきますので、共に「明日もあなたらしい」未来を創っていきましょう。

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