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本人と家族に安心をもたらす
認知症患者の入院における治療とケア

医療法人財団明理会 鶴川サナトリウム病院

(東京都 町田市)

最終更新日:2021/09/02

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  • 保険診療

認知症による行動の障害や精神症状が著しく自宅での生活が難しくなった患者を受け入れ、治療やケアをする認知症治療病棟。しかし、そこで実際にどのような治療やケアが行われているのか知らないことから、自分の親などが入院することになると、不安に思う人や何か後ろめたさを感じる人も少なくないかもしれない。しかし、「認知症患者さんに入院してもらうことで、患者さん本人とご家族の両方が、ハッピーになれることをめざせるのです」と話すのが、「鶴川サナトリウム病院」で認知症治療病棟の看護師長を務める浦島寛明さんだ。そこで、浦島さんと介護福祉士で認知症ケアを専門とする中尾美穂さんに、同院の認知症治療病棟における患者のケアについて詳しく話を聞いた。(取材日2021年3月9日)

専門的な治療とケアで患者本人と家族の両方がハッピーになることをめざす

Q認知症治療病棟にはどのような患者が入院しているのでしょうか?

A

清潔感のある治療病棟

【浦島さん】認知症治療病棟は60床で、入院されている患者さんの8割方がアルツハイマー型認知症で、ほかにアルコール性認知症や前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症など、何かしらの認知症を患っている方です。中でも、アルツハイマー型認知症の方は、例えば、同居している孫を叩いてしまったり、大声を出したりするなどの問題行動があり、家族が対応できなくなって入院することが多いです。治療を終えて自宅に帰ることがベストですが、患者さんと同様にご家族も高齢で、治療により症状が落ち着いても自宅で診ることが難しい場合は、特別養護老人ホームなどの施設に入所される方もいます。

Q認知症で入院するメリットを教えてください。

A

患者と家族、両方がハッピーになればと語る浦島看護師長

【浦島さん】入院を必要とする患者さんの多くは、BPSDで混乱しています。例えば、患者さんが何かおかしな行動をしているのを注意されたときに逆に怒るのは、自分では正しいと思っている行動を注意されるからなのです。しかし、そのような時の対応の方法を家族は知りません。つまり、患者さんも家族のどちらも間違っていないのに両方が困っている。そこに介入することで患者さんも家族にも落ち着いてもらうことが大切なのです。そして、入院してもらうことで、患者さんにとってスタッフは理解をしてくれる人で、家族にとっては自分たちが苦労していることを任せられる。患者さんと家族の両方がハッピーになることをめざせるのです。

Q入院環境の特徴はありますか?

A

患者に楽しんでもらうための工夫も随所に見られる

【浦島さん】小集団活動に力を入れています。例えば、夏なら患者さんと一緒に夏祭りをして焼きそばを一緒に食べたり、ヨーヨー釣りをしてみたり、12月にはクリスマス会や演奏会。誕生日の患者さんには誕生会を開き、ケーキを並べてみんなで食べたりしています。これらは、当院の認知症治療病棟ならではの取り組みだと思います。 【中尾さん】病棟のベランダでは作業療法士が中心となって、プランターに花やジャガイモ、ゴーヤなどの植物を育てています。昨日は、まだ芽が出ていなかったけど今日は出ていたとか、植物の成長を見るのが楽しいという患者さんも少なくありません。このように、自然にふれる機会があるのも当病棟の特徴です。

Qリハビリテーションにも力を入れていると伺いました。

A

リハビリテーションは専従の作業療法士が担当

【浦島さん】病棟には専従の作業療法士がおり、午前中は歩行訓練や手足の運動などの個別の身体ケア、午後は主に集団活動に取り組んでいます。患者さんにとっては住み慣れてない環境ですし、そこで体を動かさなければ、骨折や転倒のリスクは高くなります。特に、夜間は転倒が少なくないのですが、リハビリテーションをしていると転んだとしても重症化しにくいのです。加えて、リフレッシュにもなりますし、人は触れてあげることで落ち着きます。手を握ってあげるだけでも患者さんはすごく喜びますから、それらのことを考えると、リハビリテーションで筋力を維持することや実際の触れ合いを保つことは、とても大切なことだと考えています。

Q患者と向き合う際には、どのようなことを心がけていますか?

A

さまざまなスタッフが連携を取り、患者を支えている

【中尾さん】集団活動が中心となる中で、大丈夫な人は歩いてもらったり、手作業が上手な人には折り紙を折ってもらったりなど、患者さん個人が持っている力が失われないようなケアを心がけています。 【浦島さん】認知症のケアは、童話にある北風と太陽の話と同じだと思っているんです。旅人のマントを脱がせようとした時に、北風は冷たい風で脱がすことができなかったけど、太陽はニコニコ笑っているだけで暑くて脱ぎました。同じように、患者さんに対してあれも駄目、これも駄目としていると頑なになりやすいですが、優しく手をつないだり、そばにいて笑ってあげたりするだけでも、いつか心を開いてくれる。そういうケアを大切にしています。

患者さんへのメッセージ

小松 弘幸 認知症疾患医療センター長

2003年金沢医科大学卒業。2005年順天堂大学精神科入局、順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターに勤務。2009年より鶴川サナトリウム病院勤務。2015年9月に認知症疾患医療センター長就任。日本精神神経学会精神科専門医、精神保健指定医、認知症サポート医。

親御さんなどの認知症で困っている一方で、入院をさせることに抵抗を感じているご家族も少なくないと思います。しかし、患者さん本人とご家族の両方が幸せに過ごす時間を持つために入院が最適な場合もありますので、必要な時にはあまり消極的にならずに、一つの選択肢として考えてもらいたいと思います。そして、当病棟は最近リニューアルして明るく清潔な環境ですし、徘徊などの行動が理由の身体拘束はしていません。また、症状などで患者さんを断ることはなく、どのような患者さんでも受け入れるようにしています。ご家族などの認知症でお困りの方は、ぜひ当院を受診していただき、入院が必要だと言われても前向きに捉えていただきたいですね。

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