全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院8,041件の情報を掲載(2021年9月24日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 町田市
  4. 鶴川駅
  5. 医療法人財団明理会 鶴川サナトリウム病院
  6. 小田切 統二 院長

医療法人財団明理会 鶴川サナトリウム病院

(東京都 町田市)

小田切 統二 院長

最終更新日:2021/04/16

20210209 main20210209 main

認知症と内科的疾患の総合的な診療を提供

1973年の開院当初から、認知症への対応に専門的に取り組んできた「鶴川サナトリウム病院」。現在は、内科的な疾患を診る内科・老年内科と、主に認知症を診る精神科・老年精神科を併設、物忘れ・認知症相談窓口や栄養・胃ろうに関する外来も設けている。高血圧や糖尿病などの生活習慣病や心臓病などの合併症を持つ患者は認知症の進行が早いというデータから、内科的な病気も含めた総合的な診療を実施。こうした体制や実績を積み重ね、2015年9月には東京都より「地域連携型認知症疾患医療センター」の指定を受け、町田市における認知症医療・介護連携の推進役として、認知症患者とその家族を支えている。同センターに指定されたことで病院の業務内容も拡大し、新規に訪れる患者の数も増えてきているという。認知症の診断や治療だけではなく、早期発見や市民への啓発活動などに積極的に取り組む同院について、小田切統二院長に話を聞いた。(取材日2021年1月27日)

認知症疾患医療センターとしての取り組みを教えてください。

20210209 1

私どもは地域連携型の認知症疾患医療センターとして、認知症の鑑別診断だけでなく、行動・心理症状(BPSD)がひどくなってきた際の対応、医療・介護・生活支援の調整などを行うとともに、町田市からの委託による認知症電話相談も行っています。中でも認知症の早期発見に力を入れており、医師、看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーや地域包括支援センターのスタッフなどから構成される認知症初期集中支援チームが、直接地域に出向き、できるだけ早く認知症の方を探し出すことに努めています。認知症は治る病気ではないため早期発見し進行を遅らせる治療を施すことが大切です。病院に来た方を診察して治療するだけではなく、地域の多職種との協力で認知症の方をどう支えていくかが重要です。また、臨床心理士を中心に多職種で組織される「家族支援委員会」があり、ご家族の苦悩や心の葛藤を分かち合い励まし合う場を設け、精神的なサポートをしています。

地域の方への啓発活動にも力を入れているそうですね。

20210329 2

認知症を早期に発見しても、中にはどうしても受け入れられない方もいます。そこで重要なのが家族の存在で、同居している高齢のご家族の認知機能の低下が、単なる加齢による物忘れなのか認知症なのかを早い段階で気づいていただくために、認知症についての啓発活動に力を入れています。全部を物忘れで済ませてしまうのではなく、多少なりとも知識を持っていただくことで単なる物忘れなのか認知機能が落ちているのかの区別ができるように、情報を提供することも私たちの使命だと考えています。当院では市民公開講座や医療・介護の勉強会などを積極的に開催しており、2019年には20件主催しのべ1673人が参加、協力や共催も含めると30件以上開催しました。また、認知症の方は家族だけではなく地域全体で支えていくべきものとして捉え、町田市とともに多職種の連携がうまくいくためのサポートや研修にも取り組んでいます。

合併症のある患者についてはどのように対応していますか?

20210209 3

認知症は高齢者に多い病気ですから、ほとんどの方が何かしらの合併症をお持ちです。そこで当院では、開設以来、老年内科と精神科の連携による2科主治医制をとっています。病床については、内科病棟208床、精神科病棟379床を有していますが、そのうち231床は認知症治療のための病床として確保しています。精神科である程度まで治療を終えた患者さまについては内科病棟に移っていただいています。内科専門の医師と精神科専門の医師が主治医として診療していく中、お互いを尊重しあってチームワーク良く、高齢の患者さまへの対応ができていますし、ご家族にも安心感を与えられていると思います。

認知症患者の方の栄養面も重視されていると聞きました。

20210209 4

高齢の患者さまの中には毎日の食事内容に偏りがあったり、食事がうまくできなかったりするケースが見受けられます。栄養状態が悪いと身体合併症も治りにくく、万一寝たきりになれば認知症の進行も早まるため、栄養面の管理はとても重要な要素です。当院ではNST(栄養サポートチーム)を早くから立ち上げ、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、精神保健福祉士など病院スタッフが一体になり、入院患者の栄養状態の評価や改善に努めてきました。また2005年からは、栄養サポートに精通するスタッフの育成を目的に研修を実施し、年間130人を受け入れて教育にも注力しています。一方で外来の患者さまには栄養に関する専門の外来を設け、栄養に関する相談、胃ろうが適しているかの相談、胃ろう造設やメンテナンスまでを、医師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなどが連携してサポートします。

最後に今後の展望についてお話しください。

20210329 5

認知症は社会全体として避けては通れない問題で、政府による認知症施策推進大綱も含めてどのように認知症と向き合っていくか、長寿国としてどのような取り組みをするかが世界中から注目されていると思います。そのような中、当院の担う任務も重くなってくると考えています。この先のビジョンとして、当院では患者さまが退院した後も精神科医療の提供の継続のために在宅医療部門の充実や、回復期リハビリテーション病棟の開設を検討中です。また、認知症があり重度の合併症がある方を受け入れる医療機関はまだ少ないと思いますが、これからは認知症だけではなく、さまざまな高度治療ができる機能のある病院が求められてくると思います。そういった高次の高齢者専門病院をめざすことで、地域のニーズに応えていきたいです。

20210209 main

小田切 統二 院長

昭和大学大学院医学研究科修了。同大学付属の病院で呼吸器内科の臨床と医学教育に携わった後、1996年医療法人財団明理会鶴川サナトリウム病院院長に就任。その後別の病院の院長を務め、2010年再び同院院長就任。職員全員が同じ意識を持って業務に取り組めるように月に一度、職員全員に病院の現状や自身の思いを伝える機会を設けている。1人の医師としては患者と医療者の立場の違いをなくし同じ視点で話せる診療をめざす。

access.png