医療法人社団幸隆会 多摩丘陵病院
(東京都 町田市)
小澤 壯治 院長
最終更新日:2023/06/20
ぬくもりのある医療と看護の提供をめざす
町田市下小山田町の自然豊かな環境の中にあるのが、「多摩丘陵病院」だ。1982年の開院以来、かかりつけの病院として地域とともに歩んできた同院は、建物や設備の老朽化に伴い2023年に新築移転し、同時に回復期リハビリテーションの機能を分離。現在は、急性期病院として内科系と外科系をはじめとする診療科による幅広い診療に加え、消化器疾患や救急医療、形成外科、美容外科、胸部外科などに力を入れている。そんな同院の院長に新病院のオープンとともに就任し、「緑豊かな環境が当院の圧倒的なアドバンテージだと思います」とにこやかに話す小澤壯治院長に、同院のことや地域医療にかける思い、今後の抱負などを聞いた。(取材日2023年4月24日)
最初に病院を紹介していただけますか?
当院は41年前に開設しましたが、建物や設備の老朽化などから2023年5月に一般急性期と地域包括ケア病棟を新築移転しました。回復期リハビリテーションは、これまでの地に「多摩丘陵リハビリテーション病院」を開院し、継続して運営しています。当院は、199床の病床に幅広い診療科を備えることで、地域の医療ニーズに幅広く応えることができる病院をめざしています。私は、当院で2年前より副院長兼外科部長を務めてきましたが、新築移転に伴い新たに院長に就任しました。当院の理念は、開院当初から「生きる力を支え合い、ぬくもりのある医療と看護を提供します」ですが、これは新病院となっても変わらずに尊重しています。そして、当院の周りには緑が多くオゾンがいっぱいです(笑)。タヌキのつがいが出てくるのには驚きましたが、自然豊かな環境は当院の圧倒的なアドバンテージだと思います。
力を入れていることは何ですか?
まずは、消化器内科と消化器外科が緊密に協力して診療にあたる体制を敷いて、消化管疾患や肝臓・胆嚢・膵臓疾患の総合的な診断と治療を行っていることです。それらの臓器のがんに加え、肝炎や炎症性腸疾患をはじめとする良性疾患まで、幅広く対応しています。理事長の島津元秀先生は肝臓・胆嚢・膵臓外科のスペシャリストで、私は食道外科にも長年携わってきました。加えて、当院は慶應義塾大学の外科教室の関連病院で、先進の医療を学んだ医師が来ているなど質の高い医療が提供できる環境が整っています。また、救急医療にも力を入れており、断らない救急をめざしオールラウンドに対応しています。日勤帯には、救急が専門の医師2人体制で内科系と外科系の両方に対応しているほか、骨折をはじめとする外傷など整形外科的な治療が必要な救急患者も積極的に受け入れて、手術などを行っています。
ほかにも力を入れている診療などはありますか?
今回、呼吸器外科の外来を新設しました。私は食道外科を専門にしていますが、呼吸器外科と食道外科は胸部外科というくくりで力を入れていきたいと考えています。呼吸器外科では、肺がんに加えて自然気胸の診療を行います。食道外科では、食道がんに加え、食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎の手術も行っています。特に、食道の手術は専門的なスキルが必要で、食道外科を専門とする外科医は全国的に306名と多くありません。そして、私は2年前に当院に着任してから「胸焼け」の外来診療を開始して、薬を飲んでも改善しない逆流性食道炎の患者さんには、腹腔鏡による手術も行っています。もう一つは、昨年に新設した形成外科、美容外科です。こちらでは、通常の形成外科診療に加えて、自由診療になりますがしわやしみのケアなど医療としての美容にも取り組むことで、患者さんの生活の質を向上できるようお手伝いすることをめざしています。
病院を運営する上で心がけていることを教えてください。
基本方針がいくつかあるのですが、その中でも特に「職員と家族の幸福を願い、働きがいのある病院をめざす」こと。これは本当に重要で、患者さんのために死に物狂いというのではなくて、自分たちに喜びや幸せがないと、患者さんに優しく接することはできないと考えています。そして、私が長年診ている高齢の患者さんがいるのですが、その方とご家族が、この病院は看護師さんや技師さんたちがとても親切だと言ってくれたのです。それまでいろいろな医療機関の対応を受けてきた方が、この病院のことを親切だったと私に直接言ってくれた。それが、まさに当院の理念にある「ぬくもり」だと思います。私自身も、患者さんがそう言ってくれるような病院で診療ができることに大きな喜びを感じています。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
当院は地域の医療を担う非常に重要なポジションにいますので、そこにさらに貢献していくこと。その一環として、特に救急医療。地域の救急患者さんをできるだけ受け入れることが非常に大切だと考えています。そして、新しい病院はバリアフリーで、無料駐車場は488台分を用意するなど、患者さんも通いやすくなったと思います。また、先ほども話したように当院はのんびりした緑あふれる場所にあることに加え、院内も明るくて清潔感がある配色で、2階と3階には患者さんたちが憩うことができる開放感があるスペースを用意するなど、心地良く療養できる環境が整っています。大学病院や大規模病院とは違う小回りのきく、ぬくもりのある医療をモットーに、みんなが多摩丘陵病院ファミリーという気持ちで対応させていただきたいと思っています。健康のことで何か困った時には多摩丘陵病院ということで、いつでもいらしてください。
小澤 壯治 院長
1981年慶應義塾大学卒業。米国ニューヨーク州立大学バッファロー校留学、慶應義塾大学医学部外科講師、藤田保健衛生大学医学部外科教授、東海大学医学部消化器外科教授などを経て2020年より同院。専門は消化器外科と内視鏡外科。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本気管食道科学会気管食道科専門医。医学博士。
自由診療費用の目安
自由診療とは・しみのケア:電気分解法 1万円〜
・しわのケア:ヒアルロン酸注射 1本8万円、ボツリヌス毒素製剤注射 5万円〜