医療法人社団広恵会 春山記念病院
(東京都 新宿区)
瀧川 慎也 病院長
最終更新日:2025/03/04


外傷に特化した救急医療に注力
大久保駅から徒歩約2分。北新宿百人町交差点からすぐのところにあるのが、「春山記念病院」だ。開院から70年以上にわたって、救急病院として地域医療に貢献してきた同院。現在も外傷の救急医療に力を入れており、患者を積極的に受け入れながら迅速に治療を行い、回復期リハビリテーションを経て、患者が早期に社会復帰できるよう努めている。そんな同院の病院長で「『全外傷患者に、早期の医療を提供する』という当院の理念を先頭に立って実践することを心がけています」と話す瀧川慎也先生に、同院の診療や地域医療にかける思いなどを聞いた。(取材日2025年1月30日)
最初に病院を紹介していただけますか?

当院は、1954年に前病院長の父である春山廣臣先生が18床の春山外科として開設しました。その後、2代目病院長の春山廣記先生が2015年に建物も新築して、急性期病棟59床、回復期病棟40床の春山記念病院として新たにスタート。私は10年ほど前から非常勤で当院に勤務し、その後は常勤になってずっと廣記先生のもとで勉強させてもらいました。2020年からは副院長を務め、廣記先生が引退される2024年4月に病院長を引き継ぎました。現在も基本的には変わらず、急性期病棟が39床、回復期リハビリテーション病棟が60床のいわゆる中小規模の救急病院です。その中で、外傷に特化し救急車を積極的に受け入れていて、必要であれば入院もしていただいて、早期に治療や手術を行う。その後は回復期リハビリテーションに取り組んでもらって、患者さんが早期に社会復帰ができるよう努めることで、地域医療に貢献することをめざしています。
力を入れていることは何ですか?

今も話したように、救急患者さんの受け入れと早期治療です。外傷の患者さんを受け入れて、できるだけ早く手術をして、リハビリテーションを開始できるようにすることに力を入れています。救急科には、三次救急を経験している常勤医師が2人いて、その医師たちを中心に外傷の救急患者さんをできる限り受け入れています。加えて、外傷では骨折と頭部の強打が同時に起こることが多いため、整形外科と脳神経外科で治療が必要となる場合があります。当院では、私が整形外科の専門で、他に脳神経外科や形成外科の医師もいるので、そのような患者さんにもチームで適切に対応できるのが強みです。手術も昼間なら当日、夜間でも翌日など、極力早期に行うよう努めています。救急搬送されるのは転倒した高齢者が多いと思われがちですが、繁華街も近いことから、酔って階段から転落したり自転車で転倒したりといった比較的若い人の受け入れ体制も整えています。
地域における病院の役割について、どのようにお考えですか?

近隣には東京医科大学、慶應義塾大学、東京女子医科大学の各大学病院のほか、国立国際医療研究センター病院、東京都立大久保病院などの基幹病院がありますので、それらの病院では対応が難しいことを当院が行うという役割分担ですね。大学病院などは、基本的に専門治療で予定手術がほとんどです。外傷は、いつどこで誰がどのようなといった予測がつきません。その緊急手術を、それらの病院で行うのは難しいのが現実です。また、都会の皆さんは時間に追われています。特に働く人などは、骨折をしても一刻も早く社会復帰をしたいと希望されるでしょう。でも、大学病院などでは手術に1〜2週間待つことも少なくありません。その部分をわれわれが受け持つことで、翌日や、状況によっては当日中にも手術ができる仕組みを整えています。その後は、回復期リハビリテーションを受けてもらうことで、患者さんの早期の社会復帰をめざしています。
病院を運営するにあたって心がけていることはありますか?

「全外傷患者に、早期の医療を提供する」が、当院の理念です。とにかく、来た患者さんは断らずに診療して、われわれができることなら、早期に治療に取りかかること。それは、初代の春山廣臣先生と2代目の春山廣記先生からの考えで、私も受け継いでいます。そして、私にはその理念を体現する使命があります。私が先頭に立って理念を実践するからこそ、職員にも徐々に浸透するのだと思いますし、実際にその心積もりでいてくれていると思っています。もう一つは職員とのコミュニケーションです。大きな病院なら、朝に顔を合わせたら夜まで合わないこともあるかもしれませんが、当院の規模なら、私が歩き回ったり、エレベーターに乗ったりしていれば、嫌でも顔を合わせます。ですから、何か気になることがあったらその人に近寄って「どうなっている?大丈夫?」と声をかけるようにするなど、全職員と可能な限りコミュニケーションを取ることを心がけています。
最後に今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

急性期医療をさらに充実させて、東京中の外傷患者さんを全員診られるようにすること。加えて、患者さんを回復期から早期に在宅医療や在宅リハビリテーションにつなげて社会復帰をめざせるような、一貫してコンパクトな流れをつくりたいと思っています。その一環として、訪問診療と訪問リハビリテーションを提供できるよう準備しているところで、今年の春から稼働することを目標としています。また、医療を取り巻く環境はこれからも激変していくことが予想されますので、外傷の救急搬送の患者さんをたくさん受け入れることができるという強みを生かしがなら、未来を見据えて流れに柔軟に対応して、地域医療に貢献していきたいですね。当院では、特に外傷を負ってしまった地域の方を断らずに、すぐに治療に取りかかるための体制を整えていますし、インバウンドの患者さんにも積極的に対応しています。お困りの際には、安心して受診してほしいと思います。

瀧川 慎也 病院長
2002年東京医科大学卒業後、順天堂大学医学部整形外科に入局。2015年より同院に非常勤で勤務。その後、常勤となり2020年より副院長。2024年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。専門は、整形外科一般。