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東京医科大学病院

(東京都 新宿区)

山本 謙吾 病院長

最終更新日:2021/12/15

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高度医療とともにわかりやすい医療を提供

1931年に開院し90周年を迎えた「東京医科大学病院」は、特定機能病院として地域の医療機関と連携しながら、難易度の高い手術と先進的な医療を提供している。2019年にオープンした新病院には、3ヵ所のロボット支援手術専用ルームやハイブリッド手術室を設置し、ロボット支援手術や胸腔鏡下および腹腔鏡下の手術を積極的に行っていく環境を整えた。患者への負担が少ない治療によって早期の退院、早期の社会復帰をめざす。大学病院として高度急性期医療に取り組みながらも、同院が大切にしているのが「患者に優しい医療」だ。予約診療センターの開設や入院前の外来通院時から介入する入退院支援、丁寧でわかりやすい医療の実践など患者に寄り添う医療の徹底に取り組む。そこで、2021年9月に同院の病院長に就任した山本謙吾先生に、現在の同院の取り組みについて聞いた。(取材日2021年11月10日)

今現在、力を入れて取り組んでいることは何ですか?

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新型コロナウイルス感染症の患者さんの受け入れと同時に、今現在私たちが注力しているものが、医療連携です。医療連携というとこれまでは病院と病院による病病連携や病院と診療所の病診連携が言われてきましたが、当院では西新宿という場所柄、大きな企業も集中していることから企業との連携にも力を入れています。その一環として2021年6月に予約診療センター「メディカーサ」を開設しました。ここでは、専用のスペースで受付から検査、診察、会計までを完結。完全予約制で、初診は40分、再診は20分の診療時間を設定し、ご希望の医師にゆっくりとご相談していただける内容としました。このスペースをより多くの方にご利用いただけるように、医療連携室を中心に各企業へ訪問してご説明しており、病院と企業が直接窓口を作り、やがては患者さんと病院との連携につながるような取り組みを始めています。

診療における強みや特徴を教えてください。

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当院には内科系診療科と外科系診療科が協力し、多角的な視点で集約的な治療を提供する「センター医療」を積極的に行っています。複数の診療科が1つにまとまることで、患者さんは内科に行ったり外科に行ったりする必要がなく無駄な検査も省けると考えていますし、時間的にも経済的にもメリットが大きいと思います。いくつかのセンターの特徴をご紹介すると、人工関節センターでは、治療はもちろん人工関節の性能を私たちが検証し評価した上で最適だと思われるものを提供し、手術後はリハビリセンターとともにフォローをしています。遺伝子診療センターでは、遺伝子レベルで検査をして把握することで治療に生かしていきます。また、炎症性腸疾患(IBD)・良性腸疾患センターでは、内科と外科の共同参画チームが検査から治療を一手に担い、無駄のない治療方針を立てて適切に治療を行えるようにしています。

入退院支援にも力を入れているそうですね。

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当院の掲げる「患者に優しい医療」の1つとして、外来通院中から患者さんやご家族が入院後の治療や療養生活をイメージし安心して治療に専念できるように、入退院に関わるすべての支援に力を入れています。各病棟には退院支援看護師や医療ソーシャルワーカーを配置し、入院中の療養生活に関することや退院後の生活や在宅介護、転院や施設入所について、介護保険や福祉制度の手続きなどのご相談をお受けしています。私は、副院長時代に総合相談・支援センター長を務めていましたが、患者さんをご紹介いただく入口の連携に比べ退院後の患者さんを支援する出口の連携は難しく、いろいろな病院に出向き顔の見える関係性を築くことはとても重要でした。当院では退院した患者さんが住み慣れた地域で療養や生活を継続できるように、相談センターのメンバーが頻回に受け入れ先の医療機関や訪問診療の先生のもとを訪れることで良好な関係づくりを心がけています。

先生の考える「安心と安堵を感じる病院」とはどんな病院ですか?

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日々の診療で本当にわかりやすい言葉で十分に説明をすることが、患者さんの安心感につながっていくのではないかと考えています。全職員がそのことを心がけ、一歩入ったときから安心感を持っていただけるような病院にしていきたいですね。特に第一印象となる受付の対応1つで病院の評価は決まってしまいます。これまで不十分なところもあったと思いますが、どの大学病院も医療レベルの差はほとんどない中で、患者さんの気持ちにどれくらい寄り添っていけるか、そこを徹底していきたいです。2019年に新病院になり手術支援ロボットをはじめハイテクな機械が導入されましたが、新しい機械に頼りすぎていると忘れてはいけないものを忘れてしまうことにもつながりかねません。それによって患者さんに苦痛を与えてしまっては意味がありません。基本に立ち返ることを忘れず地道にしっかりとやっていくことを病院長として若い職員にも伝えていきたいです。

最後に今後の展望や地域の人へのメッセージをお願いします。

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これまでお話しした企業連携や退院支援に注力すると同時に、2024年にスタートする働き方改革にも着手していかなくてはなりません。医師の超過勤務を減らし、より仕事を均等に効率化するため、今まで以上に多職種連携に取り組んでいきたいです。また、出産や育児で休職した人がスムーズに復職できるように職場復帰支援のためのコースを充実させることで、“ここに戻って働きたい”と思える病院にしていきたいですね。能力を持った職員がその能力を最大限に発揮できる環境を作っていくことは病院長の役目だと思っています。当院では断らない医療の実践に取り組み、地域医療に貢献しています。地域の先生は診療科ダイレクトコールをご利用いただければ該当診療科の医師が直接電話で対応いたします。患者さんが直接病院に来られてもできる限りお断りすることなく受け入れていきたいと考えていますので、お困りの際には頼りにしていただければと思います。

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山本 謙吾 病院長

1983年東京医科大学卒業。1998年〜1999年米国ロマリンダ大学留学。東京医科大学病院副院長、総合相談・支援センター長を経て、2021年より現職。専門は股関節外科学、生体材料学。日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医。日本整形外科学会副理事長。

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