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東海大学医学部付属東京病院

(東京都 渋谷区)

海老原 明典 病院長

最終更新日:2023/06/12

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大学病院の強みを生かして地域医療に貢献

1983年に開設され、コンパクトな規模できめ細かな診療を行う「東海大学医学部付属東京病院」。同院の呼吸器内科で十数年診療する海老原明典病院長は、「患者さん一人ひとりを丁寧に診ていく当院の気風を大切にしながら、地域と連携した医療をさらに強化したい」と話す。「当院は、新型コロナウイルス感染症の患者さんの受け入れに加え合併・併存する多様な病気を診療し、地域医療の網の目から漏れてしまう患者さんの受け皿という役割に大切さを実感しました。新型コロナウイルス感染症の対応は継続しながら、そうした新たな役割も担うべく体制を整備したいと思います」。このほか同院では開設当初から注力する消化器分野での内視鏡検査・内視鏡治療、健診センターでの予防医療にも強みを持つ。大学病院の診療のクオリティーを生かして地域医療に貢献したいと言う海老原病院長に、同院の特徴、コロナ禍およびその後の医療について詳しく聞いた。
(取材日2023年5月12日)

この病院の特徴や地域での役割をお聞かせください。

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当院は東海大学医学部が2番目に開設した付属病院で、内科、外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、眼科、人間ドックを行う健診センターからスタートしました。開設当初から現在まで消化器・肝臓部門に力を入れ、多くの内視鏡検査・内視鏡治療を行うと同時に、時代のニーズに応じて他の診療科も拡充。現在は11診療科99床とコンパクトな規模ながら地域に必要な医療をご提供しています。大学病院としての診療のクオリティーに加え、都市部の好立地にある通いやすさ、きめ細かな対応も特徴です。さらに神奈川県伊勢原市の東海大学医学部付属病院とも密接に連携。医師同士の人的交流も深く、当院では難しい手術の受け入れ先となるほか、当院の患者さんのCT画像などを共有し、同院で放射線を専門とする医師が読影するダブルチェック体制もとっています。また、2020年7月から新型コロナウイルス感染症の専用病床を設けて治療を行ってきました。

新型コロナウイルス感染症への対応は今後も続けると伺いました。

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ええ、2023年5月に2類から5類へと区分が移行しましたが、これは国の制度が変わっただけで、新型コロナウイルス感染症という病気は依然として存在しています。特に多くの病院で新型コロナウイルス感染症専用病床を縮小し、即時受け入れ可能な病床が減っていく中、当院は同感染症の中等症以上、または高齢や認知症などで十分な診療が必要な患者さんがすぐに入院できるよう、2023年5月時点で40床を専用病床として確保しています。東京都の指定である新型コロナウイルス感染症入院重点医療機関の当院では、デルタ株が蔓延した時期は中等症から重症まで多くの患者さんを診療してきました。呼吸器内科の医師が専門性を生かし、現場の医師と協力して診療する体制、特殊な呼吸管理による治療など経験豊富な点も強みです。一般の患者さんの診療と感染症への備えをバランス良く両立させながら、地域の皆さんに役立つ医療をご提供したいと思っています。

消化器・肝臓部門にはどんな強みがありますか?

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中心となるのは常勤、非常勤を含め多数の医師が在籍する消化器内科で、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医の医師も診療しています。外科にも消化器分野を専門とする医師が多く、協力して診療にあたるのが特徴です。消化器内科は食道、胃、十二指腸といった上部消化管、大腸、肝臓・胆道・すい臓と、多分野で高い専門性を持ち、特に内視鏡検査と内視鏡治療に力を入れています。検査は主に当院の健診センターや地域の医療機関からの依頼で行い、内視鏡治療はポリープ切除のほか、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に対応。内視鏡で胆道・すい臓を詳しく調べる内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)も実施できます。消化器がんの治療は放射線治療のみ連携先の医療機関で行い、腹腔鏡手術や開腹手術、抗がん剤治療などは院内で行っています。

そのほかの診療科の特徴を教えてください。

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糖尿病内科は当院常勤の医師と医学部付属病院から派遣された医師が協力して診療し、外来で受診される患者さんに加え、健診センターや他の診療科で糖尿病が見つかった患者さんも診ています。治療は糖尿病をコントロールするための食事・運動療法、薬物療法が基本です。高齢になると糖尿病以外に腎臓病も気になるところですが、当院では腎臓病の治療や人工透析を専門とするクリニックの医師を招いて診療しています。循環器内科は常勤の医師に加え、非常勤で多くの医師が入って広く診療を担当し、ペースメーカーの植え込みにも対応します。呼吸器内科は新型コロナウイルス感染症を治療する一方で、一般の患者さんも並行して診てきました。泌尿器科は排尿障害に対する薬物療法、早期の前立腺がんの方には医学部付属病院でのロボット支援手術もご紹介可能です。外科系の診療はコロナ禍で一時縮小していたので、まずは以前の体制に戻すことに力を入れています。

コロナ禍を経て、今後の目標などをお聞かせください。

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当院は新型コロナウイルス感染症専門病院だった時期に、東京都と渋谷区医師会と協力して多くの患者さんを診てきました。新型コロナウイルス感染症はもちろん、合併・併存する多様な病気を診療し、より地域に根差した医療の大切さを実感しています。従来のコンパクトな大学病院という特徴に加え、今後は渋谷区医師会をはじめ地域の先生方との連携をさらに強め、高齢の患者さんで、急性期病院には頼めないが自宅や入院設備のない医療機関では対応に苦慮するような状況の受け皿になるなど、地域で求められる役割を改めて考え、実践していくつもりです。私自身、肺がんの高度な治療に従事した後、北海道のへき地医療で、専門性とゼネラルな地域医療の両立を図ってきました。そうした経験を病院運営に生かしたいと思います。また、当院は紹介状なしでも医療費が加算されませんし、大学病院ながらどなたでも気軽に受診していただける点ももっとアピールしたいですね。

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海老原 明典 病院長

1999年東海大学医学部卒業。東京都済生会中央病院で肺がんをはじめ、呼吸器疾患全般の診療に従事する。その後、地域に根差したへき地医療に興味を持ち、2006年にえりも町国民健康保険診療所院長に就任。子どもから高齢者まで診療し、救急医療、訪問診療も経験する。2011年に東海大学医学部付属東京病院呼吸器内科に移り、2020年呼吸器内科学教授、2023年4月から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医ほか。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/ 4万1690円~(税込み)

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