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医療法人社団仁恵会 黒河内病院

(神奈川県 相模原市南区)

森谷 光俊 病院長

最終更新日:2023/04/10

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地域の健康寿命延伸にも取り組む急性期病院

小田急線相模大野駅を最寄りとする「黒河内病院」は、有床診療所時代から60年にわたって地域医療を支え、現在も「断らない救急」をめざして多くの救急車を受け入れている。加えて、生活習慣病の治療を中心とした内科、内視鏡による早期がんの発見・治療に力を入れる外科など、地域に必要な医療を提供。その中でも「幅広い診療内容と、人工関節置換術や脊椎内視鏡治療、骨粗しょう症の予防・治療などの専門性を併せ持つ整形外科に強みがあります」と話す森谷光俊病院長。「人工関節は耐久性が向上し、治療後の活動性も高いなど、50代の患者さんでも有力な選択肢となるほど。一方、高齢の患者さんは骨密度の低下などによる骨折も多く、地域に根差した病院として骨粗しょう症の予防と早期発見は重要と考えています」。このほか健康診断業務も重視し、「病気にならない、健康寿命を長く保てる」ような地域づくりをめざす同院について、その特徴や森谷病院長の地域医療への思いなどを詳しく聞いた。(取材日2023年2月20日)

病院の特色や地域での役割などをお聞かせください。

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黒河内三郎理事長が初代病院長として当院を開院した時から今まで、地域医療と救急医療という診療の2本柱は変わっていません。ただ、高齢化などにより医療ニーズも変化しており、それに合わせて当院の診療内容も進化してきました。例えば24時間対応の救急医療では現在も多数の救急車を受け入れていますが、患者さんは骨粗しょう症などにより、ちょっとしたはずみで骨折した高齢の方が増えています。このため当院では救急で骨折の治療をお引き受けしながら、整形外科を中心に「骨折しないよう骨粗しょう症を予防する」取り組みにも力を入れたいと考えています。地域医療の面でも高齢の患者さんが増え、整形外科では股関節の人工関節置換術のご希望も多くなっています。また、内科では糖尿病や脂質異常といった生活習慣病の治療を行い、外科では内視鏡による上部消化管、下部消化管のがん検診、大腸の早期がんの治療などに対応しています。

骨粗しょう症の予防ではどんな取り組みをされていますか?

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当院では高い精度が期待できるDEXA(デキサ)法で骨密度検査を行い、骨粗しょう症の進み具合に合わせた治療や生活指導を行います。加えて、現在の治療内容、薬の飲み合わせの注意点、骨密度を高めるための運動、定期的に検査した骨密度の結果などをまとめた「骨粗しょう症手帳」を制作。これで骨粗しょう症の改善に役立つ情報が一目でわかる上、骨密度グラフで治療経過を見える化することで治療を続けていただくモチベーションにもなります。また、当院では数年前から整形外科の医師、看護師、理学療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種によるワーキンググループを設け、骨粗しょう症のリスクについて地域の皆さんへの啓発活動も続けています。ただ、骨粗しょう症の予防や検診の受診率向上には、病院に来ない方へのアプローチが重要で、介護施設などでの取り組みが欠かせません。そうした他施設、行政とも連携して予防に努めたいと思います。

人工関節など整形外科の強みを教えてください。

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整形外科は、救急の患者さんの手術から、骨粗しょう症の予防と治療、股間・膝の人工関節置換術、脊椎内視鏡手術など、幅広さと専門性を備えた診療を行っています。私は北里大学病院整形外科での経験を生かして当院でも股関節の人工関節置換術を担当し、膝関節は北里大学病院からの非常勤医師が手術を行います。人工関節は使用パーツの耐久性向上で50代の患者さんも手術の適応となり、手術後もスポーツができるほど活動性が保てることが期待できます。一方で高齢になっても安心して使い続けるには、人工関節と接する骨がもろくなって不具合が起きないよう骨粗しょう症の予防も大切になります。当科は地域に根差した整形外科として、精密検査や生活指導などで骨粗しょう症の予防にも力を入れ、高齢になっても人工関節を使えるようサポートしたいと考えています。また、脊椎は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの内視鏡治療が可能です。

骨粗しょう症検査のほか健康診断全般に力を入れると伺いました。

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骨粗しょう症は自覚症状なく進行して骨折に至るケースも多いため、当院では定期的に骨密度検査を受ける方を増やし、病気となる前兆を早期に見つけたいと考えています。まだ骨密度に関心がない方に対しては、当院で行う生活習慣病など内科の健康診断からアプローチすることも検討中です。生活習慣病になるような偏った食事、普段の運動経験の少なさは、骨密度低下を招きやすくなるため、両方の病気が併存している患者さんも少なくありません。当院の理事長は、2023年で100歳になった今も当院の経営や診療を支えてくれるほど元気ですが、それは定期的に健康診断を受け、大きな病気にならないよう注意して生活してきたことも要因ではないでしょうか。人生100年時代を最後まで楽しむためにも、病気の早期発見につながる各種の健康診断、内視鏡を用いたがん検診などを利用していただければと思います。

今後の病院の方針についてご紹介ください。

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地域社会や患者さんの医療ニーズの変化に応え、変わり続ける病院でありたいと考えています。これまでも電子カルテを導入して利便性を高め、職員が患者さん対応に力を入れる余裕をつくったほか、患者さんからご希望の多かった待ち時間表示の電子掲示板も設置するなど、院内の体制をリニューアルしてきました。以前には病院ホームページも新しくしましたし、当院が着実に変化していることは職員にも患者さんにも伝わっているのではないでしょうか。今後も現場の職員の声にしっかりと耳を傾け、院内の整備も含めた働きやすい職場づくり、患者さんが居心地の良い院内づくりに取り組んでいきます。診療面では救急医療を継続し、日々の診療をしっかり行って地域の先生方の信頼をさらに厚くすることが大切だと思います。加えて、病気の予防に向けて定期健診を充実させ、地域にお住まいの方の健康寿命を延ばすお手伝いができる病院をめざしていきます。

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森谷 光俊 病院長

2003年藤田保健衛生大学医学部卒業後、北里大学医学部整形外科入局。同大学病院整形外科をはじめ地域の基幹病院の整形外科などで診療経験を積む。2010年北里大学医学部整形外科学助教に就任。2017年黒河内病院入職。同院副院長を経て、2019年から現職。専門領域は股関節外科、外傷一般、スポーツ医学など。日本整形外科学会整形外科専門医。学生時代から今までテニスが趣味で、スポーツ整形にも詳しい。

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