医療法人社団蒼紫会 森下記念病院
(神奈川県 相模原市南区)
森下 将充 院長
最終更新日:2023/06/19
圧倒的なチーム力で温かい医療を届ける
小田急線東林間駅から徒歩5分。国道16号にも近く、相模原だけでなく周辺都市からも通院しやすい「森下記念病院」。1963年に祖父が開設した同院を引き継いだ森下将充院長は、時代や地域のニーズに応えて、透析と慢性腎臓病の診療を中心とする病院として再スタートさせた。院長就任時に掲げた「圧倒的なチーム力で患者様に温かい医療を提供します」という理念を実現するため、腎臓病や透析に精通した医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士、栄養士、薬剤師らが心を一つにして連携し、患者を支えるために日々研鑽を積む。病院経営のために米国でMBA(経営学修士)を取得したという森下院長に、同院の医療の特徴や腎臓病診療に対する思いを語ってもらった。(取材日2023年4月11日)
慢性腎臓病の患者さんが多い病院だと聞きました。
もともとは消化器外科の病院でしたから消化器疾患の患者さんもおられますが、現在は腎臓病の患者さんも増えてきています。当院は1972年に透析施設を設け、血液透析を開始しました。医療の進歩や地域のニーズを考えると個人病院が外科手術中心の病院として地域に貢献するのは難しいと考えましたので、私は腎臓内科の研鑽を積み、透析だけではなく、腎臓病の初期から終末期までを包括的に診療する腎不全診療に特化した病院として地域に貢献することをめざしました。腹膜透析や血液透析の脱血・返血の出入り口であるバスキュラーアクセスでは外科的な手技も必要なため、外科を開設していた当院の強みも生かせます。地域のクリニックの先生方にも当院の方針が浸透しはじめ、腎臓病の患者さんをご紹介いただけるようになりました。また、腎臓と関連が深い眼科、泌尿器科、循環器科、もともと得意分野である消化器外科、各種健診や人間ドックにも注力しています。
腎不全診療の特徴を教えてください。
腎臓内科、透析・血管外科、透析部門が協力し、慢性腎臓病の初期における薬物治療や生活習慣指導、腎代替療法選択、透析導入、通院透析、入院透析、シャントや人工血管の造設やトラブル対応、透析合併症や他の併存疾患の診療、栄養相談、医療福祉相談、さらには通院送迎まで、腎不全患者さんに包括的な対応をします。腎移植を希望される患者さんは大学病院との連携により対応していますので、すべての腎代替療法が選択可能です。さらに透析患者さんに特化した療養病棟も有し、通院透析が難しくなった方や急性期病院での治療後も在宅復帰が困難な方を受け入れています。日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、透析血管手術に精通した医師、腎不全や透析の専門知識や技術を有する看護師や臨床工学技士などのスタッフがそろっていることも特徴です。
最近、力を入れている透析治療はありますか。
透析には施設で行う血液透析と、在宅で行う腹膜透析があります。ご高齢の患者さんにはなるべくご自宅で過ごす時間を増やしていただきたいと思い、腹膜透析の普及に尽力しています。腹膜透析は仕事や家事で忙しく、通院回数を減らしたい年齢層の患者さんにも適しております。血液透析に比べて体に負担が少なく、残された腎臓の働きを守ることができる利点もある一方で、患者さんやご家族が機器を操作する必要があるため不安に思われる方もおられます。当院では腹膜透析導入のための入院期間中にご家族にも何度かご来院いただき、不安がなくなるまでスタッフが指導しています。また腹膜透析を行っておられる患者さんへの訪問看護も開始しました。地域に腹膜透析に対応できる医療機関は多くはないので、ご要望に沿いながら、できる限り対応していきたいと思います。ご状況に応じて、週に1回血液透析、残りは腹膜透析を併用するハイブリッド透析も行っております。
多職種のチーム医療を重視されているのですね。
院長就任の際に掲げた理念は「圧倒的なチーム力で患者様に温かい医療を提供します」です。スタッフに対しても「この規模の病院ならではのチーム力を磨き上げよう」と常に発信していますし、院内研修も積極的に開催し続けています。腎不全の患者さんは一生にわたって病気と向き合って生活しなければなりませんから、医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士、栄養士、薬剤師などの多職種が連携して、患者さんに少しでも明るく充実した人生を送っていただけるようにお支えするという姿勢を、これからも大切にしていきます。また、停電や断水に備えて自家発電装置と2系統の透析用水を確保し、災害時も安全性に配慮して透析が継続できるように体制を整えています。東京慈恵会医科大学附属病院や北里大学病院、聖マリアンナ医科大学病院など専門的な医療機関との連携体制も整えていますのでご安心ください。
地域の皆さんやクリニックの先生へのメッセージをお願いします。
当院は初期の慢性腎臓病に対して適切な治療や指導を行い、将来的に透析や腎移植が必要になる患者さんを減らしたいと考えています。地域のクリニックと連携した慢性腎臓病診療にも力を注いでいるところです。何よりも患者さん自身が納得して治療を選択し、透析が必要になった場合も希望を持ってより良い生活が送れるよう、多方面からサポートします。健康診断で尿タンパクや腎機能の異常が指摘されたら、早めに受診してください。東林間は相模原市ですが、大和市や町田市にも近く、比較的広いエリアを対象に送迎を行っています。慢性腎臓病や透析でお悩みのことがあれば遠慮なく相談していだだきたいですね。内視鏡検査をはじめとする消化器外科診療、健康診断、人間ドックにも注力していますのでご活用ください。また、地域のクリニックからのご依頼には機動力をもって、速やかに対応させていただきます。少しでも困ったことがあればご相談ください。
森下 将充 院長
2007年東京慈恵会医科大学卒業後、同大学病院腎臓・高血圧内科に入局。大学病院や関連病院で研究や診療に携わる。病院経営を学ぶためアメリカに留学し、MBA(経営学修士)取得。2018年医療法人社団蒼紫会森下記念病院の副院長・血液透析部門長に就任。2019年6月より現職。日本透析医学会透析専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医。医学博士。趣味は釣りで、職員とも釣りを楽しむ。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万4000円~