地域医療機能推進機構 相模野病院
(神奈川県 相模原市中央区)
今泉 弘 病院長
最終更新日:2020/12/25


がん治療から周産期医療まで担う中核病院
JR横浜線矢部駅北口からすぐの好立地にある「相模野病院」は、地域医療を60年以上も実践してきた。現在は消化器がん、乳がんなどの治療のほか、内視鏡による検査・治療も多く行う。高齢社会となり患者数が増えている心臓病に対して、体への負担に配慮したカテーテル治療を行う循環器内科も設置。さらに今泉弘病院長は「呼吸器内科のほか、血液内科も充実させ、腎臓内科では透析も行っています。加えて救急や地域周産期医療に注力するなど、地域医療の中核を担う病院となっています」と続ける。同院の健康管理部門では健康診断や人間ドックを行っており、病気の早期発見を通じて地域の健康寿命の延伸をめざす。「近くの北里大学病院と連携した『膵がん早期診断プロジェクト』など、当院では次世代の医療に貢献する活動にも力を入れています。ただ、設備面や患者さんに対するサービス面など課題もあり、それらの改善にも積極的に取り組みたいと思います」と話す今泉病院長に、相模野病院の特色について詳しく聞いた。
(取材日2020年11月25日)
こちらの病院の特色や診療内容を教えてください。

当院は地域に必要とされる急性期病院をめざして、内科の各分野をはじめ、消化器外科・乳腺外科が中心となる外科を擁し、婦人科・小児科・整形外科・皮膚科・眼科・歯科口腔外科・泌尿器科診療を行い地域の急性期医療を支えています。加えて地域周産期母子医療センターとして、県央湘北地区にお住まいの方の出産やお子さんの育成をサポートもしています。また、健康管理センターでは相模原市の特定健診、企業・個人の健康診断、各種の人間ドックで病気の早期発見にも力を入れるなど、診療機能と健診機能の両輪で地域医療に貢献する点も当院の特色です。診療面では、消化器内科は非常に多くの内視鏡検査・治療を行っており、循環器内科では心臓病のカテーテル検査・治療やペースメーカー埋め込み術などを提供しています。さらに白血病や悪性リンパ腫などを診る血液内科も常勤の医師が3人おり、充実した体制を整えています。
地域周産期母子センターにはどのような役割がありますか?

妊娠・出産時のリスクが高いと考えられる方に対し、産科と小児科、手術の際には麻酔科も含めた密接な連携により、妊娠から分娩・産後まで含む周産期医療に切れ目なく対応し、母子ともに安全な出産をサポートする部門です。神奈川県周産期救急医療システムにより、相模原市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、寒川町の県央北相地区では北里大学病院が基幹病院、当院が中核病院となっており、妊婦や新生児の救急搬送には産婦人科や小児科の医師が診療にあたっています。両科の医師は定期的なカンファレンスだけでなく、日常的に情報共有・意見交換を行い、母子の安全を守ることを目標にしています。さらに当院には母子が過ごす病棟と同じフロアに、新生児集中治療室(NICU)、新生児治療回復室(GCU)を設置し、妊娠28週以降・36週以前の早産、低出生体重児も受け入れています。
健康管理センターではどんな検査が受けられますか?

相模原市の特定健診、企業・個人の健康診断、生活習慣病予防に重点を置いた健康診断のほか、人間ドックは日帰りと1泊2日のコースを設けています。健康管理センターは6階にあり、健診の際は専用直通のエレベーターでお越しいただけ、検査機器として1階にMRIおよびCT、2階に内視鏡が設置されています。内視鏡検査は当院の消化器内科の医師が行い、経口、経鼻のいずれにも対応可能です。万一、検査で病気が見つかったら当院の該当する診療科へ連携が可能で、その後の治療がスムーズに進むのも病院併設の健康管理センターのメリットといえます。近年は早期の消化器がんなら、おなかを大きく切らずに内視鏡を用いた治療も増え、当院にもそうした内視鏡治療を得意とする医師が在籍しています。定期的な検査で、がんなどの病気が早い段階で見つかる可能性が高まりますから、例えば内視鏡検査を含む人間ドックなどを受けていただければと思います。
地域の医療機関との連携はいかがでしょうか?

当院は地域医療機能推進機構のグループ病院で、近隣の医療機関と連携した地域医療への貢献を使命としています。特に近くにある北里大学病院との関係が深く、医師の派遣を受けるほか、診断が難しい症例は患者さんの了解を得て北里大学病院で症例検討を行ったり、専門的な治療を受けてもらったりという形での連携も行っています。さらに昭和大学病院や自治医科大学附属病院などからも医師・歯科医師を派遣していただいています。また、その他の近隣の病院とも情報交換し、一体となって地域医療の質の向上に取り組んでいます。さらに地域のクリニックからご紹介を受ける際の窓口として総合患者支援センターの地域連携室を設けています。同センターでは名称通り患者さんへのさまざまな支援も行っており、医療ソーシャルワーカーによる医療福祉相談、スムーズでご不安のない入退院となるための支援、そのほか各種相談なども担当しています。
最後に今後の目標についてお聞かせください。

北里大学病院と連携した「膵がん早期診断プロジェクト」を進めています。膵がんは自覚症状なく進行することが多く、早期診断が難しい病気です。そこで地域の医療機関の先生方にお願いして、少しでも疑わしいケースがあれば、患者さんにプロジェクトの協力病院での検査を勧めていただくというものです。この結果をもとに膵がんの早期発見・診断の体制づくりを進めたいと思っています。院内については、現状では受付から診療、会計まで患者さんにお待ちいただく時間が長いため、各部署での対応をスピーディーにするなど改善していければと検討しています。このほか構想の段階ですが、駐車場や外来の待合スペース、院内のアメニティーなどの改善のほか、検査部門を充実させて外来機能を強化することも必要と考えています。ただ、現在は難しい状況にあるため、具体的な時期はまだこれから詰めるところです。

今泉 弘 病院長
1986年北里大学医学部卒業後、研修医を経て、北里大学病院消化器内科で主に内視鏡による検査・治療に従事。ドイツ・ハンブルク大学内視鏡センターへの留学なども経験。2018年に相模野病院消化器内科に入職し、副院長に就任。2020年4月から現職。日本消化器病学会消化器病専門医、北里大学医学部消化器内科客員教授。