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川崎市立川崎病院

(神奈川県 川崎市川崎区)

野崎 博之 病院長

最終更新日:2022/10/18

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地域に根差し、多領域で質の高い医療を追求

川崎駅からバスで数分のところにある「川崎市立川崎病院」。2001年に完成した地上15階建ての建物は、思わず見上げてしまうほどの大きさだ。1904年に伝染病院として設立された同院は、100年を超える長い歴史の中で時代の要請に応えながら、現在は40を超える診療科に713の病床を備え救命救急や外傷治療、集中治療、がんをはじめとする高難度手術、さらには小児周産期医療、精神科医療、感染症医療、難病医療、災害医療まで、地域の公立病院として幅広い医療を提供している。大学病院クラスの規模を持つ同院をけん引するのは、1999年に神経内科医長として同院に着任し、2021年9月病院長に就任した野崎博之病院長だ。新型コロナウイルス感染症への対応、認知症疾患医療センターとしての役割、ロボット手術やDBS治療などの先進医療にも注力し、地域のニーズに対して質にこだわった医療で応える同院について野崎病院長に話を聞いた。(取材日2022年9月9日)

病院の特徴と注力している点について教えてください。

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713床を有し、救急救命センターの機能を有する当院は、さまざまな領域で質の高い医療を追求し実践している病院です。がん、精神疾患、脳卒中、 急性心筋梗塞、糖尿病の5疾病、救急医療、災害時医療、僻地(へきち)医療、 周産期医療、小児医療の5事業に対し重点的に取り組む自治体病院ですから、どうしても幅広い領域に対応せざるを得ません。地域の基幹病院として急性期医療を担うだけでなく、昨年の8月からは認知症疾患医療センターを開設し、認知症の早期発見、治療にも取り組んでいます。また、今年の4月からは、地域がん診療連携拠点病院にも指定されました。今やがんは70代、80代の人たちの病気ですから、がんだけではなく合併している病気も診ていく必要があります。幅広い診療科を持つスペシャリストの集まりでなければいけませんが、広いベースを持ったスペシャリストを育て、活躍できる病院であってほしいというのが私の考え方です。

特徴を持つ科が多いと伺っています。

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まず消化器外科は、肝胆膵の外科までカバーしています。これは相当な規模の病院でなければできないことだと思います。また、始まったばかりですが、胃がんと大腸がんのロボット手術を導入し低侵襲の手術に注力しています。高齢者の手術では、がんは治療できたけど食べられない、動けないという期間が長くなるほど寝たきりになる確率が高くなります。それを避けるためにも低侵襲の手術は重要です。呼吸器外科は、たくさんの医師が在籍し、多くの手術実績を挙げている点が特徴です。肺がんは手術治療を行わないケースも多いため、呼吸器内科でも非常に多くの患者さんに対応しています。また、開業の先生方が、重篤な腹痛の患者に対して消化器専門の医師からの指示を受けられる「かわさき腹急ホットライン」や、同じく胸痛の患者が循環器専門の指示を受けられる「かわさきコロナリー(冠動脈)ホットライン」も設置し、24時間365日体制で対応しています。

それぞれの診療科が強みを持って対応している印象です。

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例えば肺がんは、転移性脳腫瘍の一番の原因で、転移性ですからリスクも高くなりますが、脳外科がしっかりと対応してくれています。地域がん診療連携拠点病院となったことから、強度変調放射線治療(IMRT)も実施できるようになりました。また、パーキンソン病の治療では、デバイス補助療法(DAT)として、脳に電極を挿入して電気信号を送る脳深部刺激療法(DBS)を開始しました。各科の医師が興味を持っている治療があり、立ち上げてくれたからこそ、それらの治療ができるわけですし、それが当院のニーズにも合っているということだと思います。新型コロナウイルス感染症への対応としては、駐車場に設置した「ひまわりビレッジ」で、発熱している人を新型コロナ感染症の患者さんとそうでない患者に分け、院内感染を防いでいます。

病院の理念について教えてください。

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「病気ではなく、病人を診る心を大切に」という院理念は、簡単なようで実際には非常に難しいことですが、これからの時代ますます大事になってくるでしょう。今は社会の高齢化によって、いろいろな基礎疾患を持つ患者さんが増え、単一の病気だけを診ていればよいという時代ではなくなってきています。私が当院の内科医長に就任した1999年頃は往診も行っていたんです。そこで感じたのは患者さんの生活背景を見なければ何もできないということでした。また私は、慶應義塾大学病院の神経内科に勤務していた頃に沖縄県立八重山病院で2ヵ月ほど赴任し診療を行ったことがあるのですが、そこで総合診療を行っている先生方と働いたことで「全身を診なければ見落としてしまう、検査に頼って局所を診ているだけではダメだ」ということを身をもって感じました。そのような経験から「病気」を診るのではなく「病人」を診る心を大切にすることに力を入れています。

最後に、今後の展望をお願いします。

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神奈川県は少子高齢化率がほかの地域と比べて低いほうですが、今後はどんどん進んでいくでしょう。それに対応していくためには、がんや循環器疾患の治療に注力していかなければならないと思います。近年、栄養状態が悪い低栄養が病気の予後の悪さにつながることがわかってきました。そのようなことも踏まえて老年病学の考え方を取り入れ、筋肉量が減少する老化現象、サルコぺニアを改善を図るリハビリテーションの充実も不可欠だと考えています。また、外国人実習生の人数が増え、当院の外来にも日本語がまったく通じないベトナム人や中国人の患者さんもいらっしゃいます。これまで日本にはなかった感染症や遺伝性の疾患も見られるようになっていきますから、外国人患者の受け入れ体制も整備し、さらに開かれた医療をめざしたいですね。10年後、20年後を見据えた医療を展開していきたいと思います。

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野崎 博之 病院長

1987年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学病院内科に入局。清水市立病院神経内科医長、Max Planck Institute(ドイツ)留学を経て、1999年川崎市立川崎病院内科医長に着任。内科部長、副院長を歴任し、2021年9月病院長に就任。日本内科学会認定総合内科専門医、日本神経学会認定神経内科専門医、慶應義塾大学医学部内科学客員教授。

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