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呼吸リハビリテーションで改善をめざす
COPDとSAS

医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院

(神奈川県 川崎市川崎区)

最終更新日:2026/01/20

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  • 保険診療
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

喫煙などが原因で肺の機能が低下する「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」。国内の患者数は500万人以上と推定されており、非常に身近な疾患と言えるだろう。このCOPDに対し、専門的な治療を提供しているのが「日本鋼管病院」である。同院では「COPD・SASセンター」を設置し、「呼吸リハビリテーション」や「COPD教育入院」を提供。薬物療法や運動療法、栄養管理などを組み合わせた継続的なアプローチにより、COPD患者のQOL(生活の質)の維持・向上を支援している。睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対しても専門性の高い診療を行っている同センターの取り組みについて、宮尾直樹センター長に詳しく話を聞いた。(取材日2025年12月16日)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者をチームでサポート

QCOPDとはどのような病気で、どのような症状がありますか?

A

COPDについて語る宮尾先生

主に喫煙や有害物質を長年吸い込むことで肺に炎症が起き、空気の通り道である気道が狭くなったり、酸素を体内に取り込む肺胞などに不可逆的な障害が生じたりする病気です。それによって呼吸機能が低下し、階段の上り下りや横断歩道を渡る、少し早歩きをするといった軽い動作でも、息切れや激しい咳が出るようになり、日常生活を送ることが困難になります。それに伴い、筋肉が衰えるフレイルやサルコペニア、骨粗しょう症、がん、動脈硬化による心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの合併症を起こし、呼吸器以外の全身に影響が及びます。50歳以上で発症することが多く、70~80歳になると普段から酸素吸入が必要になることも少なくありません。

Q検査や治療はどのように行いますか?

A

COPDおよびSASのリハビリテーション入院治療が可能

まず、肺機能検査です。この検査では、1秒間に吐き出せる息の量を測定し、それが自分の肺活量の70%以下であればCOPDを疑います。加えて、年齢、息切れやたんなどの自覚症状、喫煙歴を考慮し、肺のCT撮影も行って診断します。息切れは、喘息や間質性肺炎、慢性気管支炎などが原因の場合や併存していることもありますので、しっかりと鑑別診断する必要があります。治療は、喫煙者の場合は禁煙することが大前提で、その上で狭くなっている気道を広げるための気管支拡張薬や、たんが多い場合には去痰薬を使用します。これだけでも症状の改善は期待できますが、それでも日常生活に支障がある場合には、呼吸リハビリテーションを行います。

Q呼吸リハビリテーションとは、どのようなものですか?

A

呼吸リハビリテーションでは、呼吸困難の軽減や日常生活動作(ADL)能力の改善を目的に、呼吸法の指導や排たん、筋力や持久力のトレーニングをオーダーメイドで行います。導入に当たっては、外来通院での週1~2回程度のリハビリテーションではあまり効果が望めません。そのため当院では「COPD教育入院」を行っています。「COPD教育入院」では1~2週間程度入院し毎日、呼吸リハビリテーションに取り組んでいただきます。その後は、外来通院で継続的に呼吸リハビリテーションを行うことで、息切れの軽減や体力維持、再入院の予防をめざします。

Q睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療についても教えてください。

A

入院での精密検査にも対応

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に喉の奥が閉塞し呼吸が一時的に止まってしまう病気です。同じ睡眠時間でも質が落ち、日中に眠気が出るようになります。加えて、動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞、さらにはがん発症のリスクになり得ることがわかっています。当院では、PSGと呼ばれる1泊2日の入院での精密検査を実施した上で重症度を確認し、中等症以上にはCPAP(持続陽圧呼吸療法)、軽症の場合は歯科でのマウスピース作成を案内しています。睡眠時無呼吸症候群は、例えば鼻中隔の側湾が原因で、それを治療することで改善が望めるケースもあります。そのため、検査結果だけで判断するのではなく、原因を突き止めることが重要です。

Qこちらの病院でのCOPDや睡眠時無呼吸症候群の診療の特徴は?

A

当院では「COPD・SASセンター」を設置しています。このセンターでは、COPDに対する薬物治療に加え、全国でも数少ない呼吸リハビリテーションや「COPD教育入院」を行っています。呼吸リハビリテーションを専門とする理学療法士が4人在籍しているほか、医師、看護師、管理栄養士、臨床工学技士などがチームとなり、COPDの患者さんをトータルでケアできる体制を整えています。睡眠時無呼吸症候群に対しても、簡易検査から精密検査、診断、CPAPやマウスピースによる治療まで提供しています。さらに、総合病院であるため、合併症のある患者さんなどにも必要に応じて各科が連携し、総合的な診療を行うことが可能です。

患者さんへのメッセージ

宮尾 直樹 センター長

1995年浜松医科大学卒業。慶應義塾大学医学部内科学教室研修医、北里研究所病院内科、市立川崎病院内科、慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科助手を経て、2002年より日本鋼管病院呼吸器内科。2013年から現職。現在は副院長、臨床研修センター長、治験管理室長を兼務。日本呼吸器学会呼吸器専門医。慶応義塾大学客員講師。専門は、呼吸器疾患全般の診療と気管支鏡検査、気管内ステント、睡眠時無呼吸症候群。医学博士。

COPDに対する呼吸リハビリテーションは、呼吸器が専門の医師の間でも重要性が広く知られていますが、実際に行える医療機関は少ないのが現状です。また、一般の人たちの知名度も低く、「薬だけで何とかなる」「年齢だから仕方がない」と諦めている患者さんもいると思います。そのような方々に呼吸リハビリテーションを知っていただき、受けていただくことで、少しでも希望の光が見えてくれば、本人はもちろん家族も喜ばれるのではないでしょうか。さらに、いびきをかいている方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いといえます。家族から指摘される方や、日中に強い眠気がある場合には、一度検査を受けることをお勧めします。

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