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目蒲病院

(東京都 大田区)

堀部 有三 院長

最終更新日:2022/01/20

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地域に根差し患者と家族の思いを大切に診療

大田区南西部の下丸子、鵜の木、矢口地区では貴重な65床の入院病棟を持つ病院として、今後も地域医療に貢献したいと話す「目蒲病院」の堀部有三院長。院長就任は2021年だが、付属の「目蒲病院附属メカマクリニック」で院長を10年以上務め、病院の入院患者も診てきたため、近隣の多様な医療ニーズを熟知している。「クリニックとの一体的な診療で、幅広い分野に対応できるのが強み。しかもCTやMRIなどの医療機器を活用し、迅速で的確な診断を心がけています。加えて手の外科、脊椎外科、神経内科などの専門的な診療の充実も当院の特色です」。また院長就任後は、同院で新型コロナウイルスのワクチン接種に対応するなど、「今求められている医療」の提供にも尽力。パソコンやスマートフォンで予約が難しい住民も多いことから、自ら早起きして整理券を配るなど、地域特性に配慮した対応ができるのも地元で長く従事してきたからだろう。「地域に根差した当院では、今後も地域の実情に合った対応が重要。患者さんとご家族に喜ばれることは積極的に採り入れたいですね」と語る堀部院長に、同院の特色や将来像を詳しく聞いた。(取材日2021年8月18日)

こちらの病院の特色や地域での役割を教えてください。

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当院は開院から70年近く、大田区南西部の地域医療を担ってきました。診療科は内科、外科、整形外科、放射線科、リハビリテーション科で、神経内科の診療を行う目蒲病院附属メカマクリニックとの一体的な診療により、近隣の医療ニーズに幅広くお応えしています。例えば当院にあるCTとクリニックが持つMRIを相互利用し、初診当日にこれらの検査を行うことも可能です。整形外科では、前院長で現在は手の外科の診療に注力される平原博庸先生のほか、脊椎外科が専門の医師も在籍し、それぞれに強みを発揮。また、私は日本内科学会総合内科専門医で、神経内科、漢方内科の経験も豊富です。これらを生かして頭痛をはじめ体の不調でお悩みの方や、脳血管障害、認知症、パーキンソン病の診療も行っています。このため、ふらつきなどで当院の整形外科を受診された患者さんで、脳神経に関わる病気が疑われる場合はクリニックと連携するなど、柔軟に対応しています。

近隣には入院できる病院は少ないのでしょうか?

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ええ、当院がある下丸子、隣接する鵜の木、矢口といった地区では、病気やけがですぐに入院できる病院は限られています。その点、当院には65床の入院病棟があり、41床の一般病棟で患者さんを受け入れることが可能です。また、在宅療養の患者さんの一時入院にも対応することで、介護するご家族の負担軽減になればと考えています。24床の療養病棟には、医療的措置を伴う長期療養が必要な患者さんが入院されています。高齢の方も多く、当院でのお看取りもあるため、最初に患者さんとご家族と話し合い、緊急時の延命措置などを十分に確認します。入院後は患者さんとご家族の面会を大切にしてきましたが、コロナ禍の現在は面会を制限せざるを得ません。そこで私が間に入り、希望されるご家族とSNSでメッセージや動画をやり取りし、患者さんとご家族のビデオ通話を定期的に行うなど、少しでも入院中の患者さんの様子をお伝えできるよう努めています。

手の外科ではどのような症例を診るのでしょうか?

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平原先生が担当する手の外科分野では、スポーツで手にけがをされた方、骨折や腱鞘炎で痛みに苦しんでいる方、神経が麻痺して日常生活に支障を来している方など、さまざまな症例に対応しています。さらに治療後は手を動かす可動域訓練、手の感覚を取り戻していくためのリハビリテーションにも力を入れています。また、患者さんの多くを女性が占め、手のしびれや痛み、ペットボトルの蓋が開けにくいなどの症状が見られる「手根管(しゅこんかん)症候群」も当院で診療します。手のしびれからリウマチを心配されて来院され、実は手根管症候群だったというケースも多くあります。手が使いにくい、何か様子がおかしいと感じたら、手の外科を専門とする医師がいる整形外科の受診をお勧めします。しかも当院にはアレルギー・膠原病、神経内科それぞれを専門とする医師も在籍しているため、さまざまな観点から適切に診断や治療を行っていけるのも強みの一つでしょう。

先生ご自身はどのような分野を担当されていますか?

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私の専門は総合内科、神経内科、漢方内科で、現在も母校の大学病院で神経内科外来を週1回、漢方の外来を月2回担当し、知識と経験を深めています。当院では主に一般病棟の内科の入院患者さん、療養病棟の入院患者さんを診て、クリニックで内科、神経内科の外来を担当するなど、2つの医療機関で一体的に診療を行っています。例えば、病院にめまいの症状を訴える患者さんが来られた場合、ご本人がクリニックの受診に同意されたら、私が詳しくクリニックで診療し、必要な際はすぐに頭部のMRI検査を行い、脳や脳血管の状態を調べていくこともできます。漢方内科は、西洋医学的なアプローチが難しい場合に併用を検討します。特に月経との関連が深いタイプの片頭痛、気象病といわれる気候や天気の変化による体の不調などは、漢方が適している場合は多いようですね。この他ご自宅や施設で療養されている方の訪問診療も行うなど、地域のニーズにお応えしています。

院長就任後の病院の動きや今後の目標をお聞かせください。

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気持ち良く過ごしていただける院内をめざして、病室にアートパネルを飾り、壁の色を塗り替えるなど、少しずつ手作業で進めています。こうした身近なところからも、職員全員の「患者さんをお迎えする」気持ちを高められたらと思っています。また、地域の皆さんに当院のアットホームさをお伝えしようと、院内の写真と紹介文を手作り感のあるホームページに随時掲載し、一般にはなじみが薄い療養病棟は、レクリエーションを楽しむ患者さんの様子、新しい食事のメニューなどを写真でご紹介しています。地域に根差した当院では、今後も地域の実情にあった対応が重要になるため、SNSやビデオ通話でのコミュニケーションのように、患者さんとご家族に喜ばれることを積極的に取り入れるつもりです。加えて、在宅で介護されている方がお困りのとき、当院での一時入院というサポートがあることも知っていただき、地域医療に幅広く貢献したいと考えています。

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堀部 有三 院長

2000年昭和大学医学部卒業後、同大学神経内科入局。2002年から同大学医学部生理学教室(現・生理学講座生体制御部門)で研究を行い、医学博士取得。2006年同大学神経内科医局長就任。2008年目蒲病院附属メカマクリニック医長、2010年同院院長を経て、2021年から現職。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本内科学会総合内科専門医。

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