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社会福祉法人恩賜財団 済生会神奈川県病院

(神奈川県 横浜市神奈川区)

長島 敦 病院長

最終更新日:2020/11/25

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地域のニーズに応える救急医療と急性期医療

JR京浜東北線・東神奈川駅より徒歩5分、京浜急行、東急東横線の駅からもほど近いアクセス抜群の立地にある「済生会神奈川県病院」は、1913年に済生会病院として開院して以来、100年以上という長きにわたり「恵まれない人々のために施薬救療し、済生の道を弘める」という済生勅語の精神に則り、地域に密着した公的医療機関として多大な信頼を集めてきた。2016年2月に本館の建て替え工事を終えた同病院は、旧病棟を東棟、新棟を西棟として外来診療の診療科目の増設をはじめ、手術を含む救急医療や透析・予防医療などの機能拡大と良質な医療の提供をめざす姿勢が注目を集めている。「これまでは回復期リハビリテーションと慢性期医療が中心でしたが、今後は救急患者の受け入れ数や手術件数を増やしながら、病院の機能を特化した急性期医療に転換していきたい」と笑顔で語るのは2016年に病院長に就任した長島敦先生。東部病院と同病院の現場を知り尽くした長島先生ならではの改革案や、今後の取り組みについてじっくり聞いた。(取材日2017年8月28日)

昨年の院長就任以来、病院の改革を進めてこられたそうですね。

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2007年に済生会横浜市東部病院が開設され、それまで当院で行ってきた診療部門の大部分が東部病院に移行され、高度な急性期医療は東部病院、リハビリテーションなどの回復期医療と慢性期医療は神奈川県病院と機能分化が行われましたが、2016年に新棟西館がオープンしたのを機に、再び急性期医療にも取り組み、救急患者の受け入れや手術にも対応するように方向転換しました。財務の立て直しはもちろん、済生会神奈川県病院としての大半の機能が東部病院に移ってしまったことで地元の患者さんや診療所の先生方に非常につらい思いをさせてしまい、「ぜひ急性期医療を復活してほしい」という地域のニーズに応えたいと思ったからです。昔ながらのアットホームな雰囲気はそのままに、人間ドックや特定健康診断などに対応する予防施設や在宅と連携した急性期緩和ケアの充実など、地域の皆さんに喜んでいただけるよう機能拡充を図っていきたいと思っています。

済生会神奈川県病院ならではの救急医療の特徴を教えてください。

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東部病院では高度急性期医療を取り扱っているので、当院ではそれ以外、高齢者救急をめざしています。高齢社会では脳疾患や心疾患以外にも肺炎、脱水、骨折などによる救急搬送が今後ますます増えてくることが予測されます。一度入院となるとADL、つまり日常生活動作が下がってしまい、入院が長引いてしまうのも高齢者救急の特徴で、このような患者さんが非常に増えてきているにも関わらず、入院の長引く患者さんの行き場がないのが現状です。当院は長年の実績を誇る回復期リハビリテーション科が充実しているので、治療と同時にリハビリを開始するなど入院日数の短縮にも非常に役立っています。日常生活自立度の向上や復職など一人ひとりの患者さんに合わせた目標を設定し、退院まで安心してお過ごしいただけるので、地域の診療所や地域包括支援センターとも連携しながら、急患の受け入れや在宅患者さんの急変時の対応なども強化していきたいと思っています。

専門に特化した急性期医療に注力されていると伺いました。

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私自身が外科専門に胃がんや大腸がんなどの手術に多数携わってきたこともあり、西館の4階に手術室3室を設け、麻酔科の医師の常勤体制を整えるなどして手術にも対応できるようになりました。以前は急性期疾患はすべて東部病院で診ていましたが、今は当病院の外科と東部病院の外科・救急科で1つのチームとして診療にあたり、当院で診療する疾患や内視鏡治療、手術件数も順調に増えてきています。それまでは当院に来られた救急の患者さんはそのまま東部病院に送っていたのを、まずは自分たちでしっかり診て、手術も含めてこちらで対応できるものにはすべて対応し、本当に高度医療が必要な患者さんだけを東部病院に送るようになってきています。スタッフは忙しくなりましたがめきめきと力をつけてきているし、東部病院も助かっています。他にも白内障や整形外科、皮膚科の手術件数も増え、患者さんが長年通いなれた病院で受けられる医療の拡充を進めています。

今後の展望についてお聞かせください。

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今は専門化の時代で内科でも消化器内科、神経内科と細分化されるのが一般的ですが、当病院では内科の先生には「専門分野だけでなく総合的に診れるようになってほしい」と常々言っています。これは専門外だからと簡単に患者さんを他へ回すようなことはせず、まずは一通りのことを自分で診た上でしかるべきところに振り分ける能力を身につけてほしいからです。専門分野だけでなく、患者さんを総合的に診断治療できる医師集団を育てることで病院全体のレベルの向上をめざしています。さらに東部病院との協働や地域の診療所との連携により、この神奈川区・鶴見区の横浜市東部地区に良質な地域完結型医療システムを構築していきたいと思っています。「医療を通じて地域の皆様の幸福に貢献します」という理念のもと、この地域の誰もがいつでも安心して良質の医療を受けられるよう、1人でも多くの患者さんに満足していただける病院にしていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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新棟西館のオープンを機に、建物だけでなく中身も生まれ変わろうと今まさに転換期にある病院ですが、地域の反応は上々です。回復期リハビリテーションや救急医療だけでなく、がんや外科の手術、消化器内視鏡治療、透析・シャント、眼科、皮膚科、整形外科、神経内科、緩和ケアなど通いなれた地元の病院で受けたいという地域のニーズは大きく、まだ助走段階にも関わらず患者数が急増しています。今まで以上に何かあった時に真っ先にご相談いただける、頼れる地域の基幹病院としてより良質な医療を提供していきたいですね。地域で困っている方を助けるのがわれわれの使命なので、来てよかったと喜んでいただける良質の医療を1人でも多くの患者さんに提供していけるようスタッフ一同頑張っておりますので、何かお困りのことがあればぜひお気軽にご相談ください。

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長島 敦 病院長

1985年浜松医科大学卒、同年慶應義塾大学医学部外科学教室入局。1991年済生会神奈川県病院医員、2003年同病院外科部長、2007年済生会横浜市東部病院の開院とともに外科部長就任。2012年より副院長、並びに医療連携センター長兼任。2016年4月より済生会神奈川県病院の病院長代行兼務、同年10月病院長就任。

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