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医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院

(神奈川県 横浜市神奈川区)

郭 樟吾 副院長

最終更新日:2024/12/24

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救える命を救うため、救急医療に尽力

横浜市の中央部、神奈川区羽沢にある「脳神経外科東横浜病院」は、1986年に現理事長の郭水泳(かく・すいえい)先生が開設した脳神経外科の専門病院。90床ほどの一般病床と療養型病床を有する病院としてスタートした後、1998年から病床数を60床に減らして急性期を専門とし、特に救急に力を入れる現在のスタイルを確立した。脳神経外科の単科病院として、得意分野である脳疾患の救急に24時間365日体制で対応。開頭手術から低侵襲の血管内治療まで、幅広い治療の中から適した方法を選択し、「救える命(脳)を、救うために。」という開設当初からの理念を継承している。また、脳卒中集中治療室(SCU)や高気圧酸素療法室を設置し、地域の身近な病院でありながら専門性の高い医療にも積極的に取り組んでいる。機動性を生かして、職員が一丸となって目の前の患者の治療に臨むチームワークが特徴の病院だ。そんな同院で臨床とともに運営に携わるのが、2018年から副院長として活躍する郭樟吾(かく・しょうご)先生。あらましから建設予定の新棟の詳細まで、同院の「今」を語ってもらった。(取材日2024年10月28日)

病院の特徴を教えてください。

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脳神経外科を専門とする医師が7人在籍、脊椎・脊髄疾患を専門とする医師もおり、脳疾患や脊髄疾患の急性期治療に迅速に対応しています。24時間365日救急要請に対応し、昨年も非常に数多くの症例に対応しました。専門の医師はもちろん、臨床検査技師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床工学技士、理学療法士らが常時待機しており、SCU3床を設けて脳卒中が疑われる患者は搬送後30分以内に治療を開始できる体制です。新型の血管撮影装置の導入と、脳血管内治療を専門とする医師らの働きにより、頭を切らない低侵襲の血管内手術でも多くの実績を上げています。新鋭装置ではリアルタイムの血管や血流の様子を詳細に確認できるほか、救済が見込める虚血領域までもが解析され、素早く治療計画を立てることが可能に。必要に応じて開頭手術に移行することもできます。

建設中の新棟について詳しく伺えますか。

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現病院の隣に新棟を建設中で、2026年始頃から稼働開始できる予定です。当院が特に注力している救急への対応力をより強化する目的で建設に至りました。病院というと、ありきたりで同じような造りになりがちですが、今回の新設では「職員ファースト」を重視。救急隊員による運び入れから受け入れまでの一連の流れにおけるスタッフ動線を考慮し、効率良く、安全に働きやすい環境を整えました。医師が常駐する医局や手術室を1階に置き、救急対応のスピード感を追求。2〜3階の病棟とも一体感を持って動けるようフロアリンクを意識し、各階のナースステーションに階段を設けるなど工夫しました。血管内手術と開頭手術をそれぞれ行うオペ室は救急対応する部屋に隣接させることで、各々の設備水準を保ちながら流動性も確保。外来部門は既存の1階フロアに残すことで、空間の機能を完全に分かち、それぞれに集中しやすい環境としたものです。

循環器の診療も行っていらっしゃるそうですね。

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単科病院として高い専門性を追求できるメリットを持つ反面、脳と脊髄以外の疾患についての専門対応は難しいというのがネックになることも。特に、脳と心臓は切り離せない関係にあり、脳神経疾患で来院される方の多くは、何らかの心疾患も抱えていらっしゃいます。そこで、循環器の医師による診療を週に数回実施し、カテーテルアブレーションを含む不整脈治療なども行っています。通院中の患者さんはもちろん、入院中の患者さんにも他科のケアが必要なケースは少なくないため、脳卒中と関連の深い歯周病などの治療のため歯科などとも連携しています。幅広く診療することをめざすというよりは、あくまで脳神経疾患の治療に必要な部分で他科連携を強化しているという形です。こうした連携を強化することで、当院の軸となる脳神経外科診療にさらに集中できると考えています。

リハビリテーションにも力を入れていらっしゃるとか。

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急性期リハビリを担うスタッフは現在7人が在勤しており、今後の増員も検討しています。当院での急性期治療を終え、一定のリハビリを経た方を、いかに回復期リハビリへとつないでいくかという点も注力ポイントです。メディカルソーシャルワーカーが入院の早い段階から介入し、必要に応じて専門病院への転院のお手伝いをしています。一定の治療やリハビリが終了した後にも、一般的なジムでは必要な運動指導を受けることが難しいというケースもあると耳にすることも。当院としても、地域に戻られた患者さんの健康増進につながる何らかのアプローチができないかと模索中です。また、回復期を担う病院や開業医の皆さんなど、地域医療者とのつながりを保つことは、患者さんを支える上でとても大切なもの。ご紹介を受けた際の対応などを充実させながら、実際に会う機会があれば顔の見える関係づくりにも尽力しています。

読者に向けて、ひと言メッセージをお願いします。

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脳卒中などの頭の病気は突然起こるもの。元気だった人が急に倒れたり、話せなくなったりと青天のへきれきで、ご家族としては慌ててしまうことも多いでしょう。脳卒中治療にはタイムリミットがあり、迅速に適切な対応を受けることがとても重要です。当院では、常勤医師はもちろん、当直医師も脳外科専門の医師がそろっている上、チーム内で情報を共有・検討できるアプリを導入しています。必要に応じてベテラン医師が遠隔で指示を出したり、東京慈恵会医科大学附属病院と連携したりといった対応が可能な体制です。新棟建設により、外見が新しくなるだけでなく、さらに利用しやすく、さらに安心・安全を追求できる病院へと生まれ変わる予定です。スタッフもリボーンに伴い、ますます地域に貢献できることに高いモチベーションを持っています。今後も「救える命(脳)を、救うために。」の理念のもと全力で努めていきたいと考えていますので、ぜひご期待ください。

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郭 樟吾 副院長

2001年東京慈恵会医科大学卒業。厚木市立病院、独立行政法人国立病院機構横浜医療センターでの脳神経外科勤務や、東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座講師・診療医長を経て、2018年より現職に。脳腫瘍全般と、脳血管内治療を含む脳血管障害の診療を専門とし、指導的立場でも活躍する。医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医。

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