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医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院

(神奈川県 横浜市神奈川区)

岩本 哲明 院長

最終更新日:2020/11/25

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24時間365日体制で脳疾患に対応する

横浜市の中心部に位置する「脳神経外科東横浜病院」は、1986年に理事長の郭水泳先生が開設し、2013年に岩本哲明院長が就任した。90床ほどの規模の一般病床と療養型病床を有する病院としてスタートした後、1998年から病床数を60床に減らし急性期を専門に、特に救急に力を入れる現在のスタイルを確立した。脳神経外科の単科病院として、得意分野である脳疾患の救急に24時間365日体制で対応。開頭手術から低侵襲の血管内治療まで、幅広い治療の中から適した方法を選択し、「救える命を救う」という開設当初からの理念を継承している。また、脳卒中集中治療室(SCU)や高気圧酸素療法室を設置し、地域の身近な病院でありながら高度医療にも積極的に取り組んでいる。機動性を生かして、職員が一丸となって目の前の患者の治療に臨むチームワークが特徴の病院だ。
(取材日2017年12月14日)

特に力を入れている治療など病院の特徴を教えてください。

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開頭手術などの治療方法に加え2015年9月に新しい脳血管撮影装置を導入して本格的に血管内治療を開始したことで、両方の治療からより患者さんにとってベストだと考える方法を選択できるようになりました。血管内治療は入院期間が短く治療後の痛みがほとんどないなど患者さんへの負担が少ないことが特徴ですが、通常の開頭手術でもより切らないようにするにはどうすればいいか、痛みを減らすためにはどうすればいいかを考え、6、7年前から完全無剃毛の手術を取り入れています。女性にとって髪は大切な体の一部ですし、社会復帰の面からも有効な方法だと考えています。設備面ではSCU3床を2015年12月に開設し、脳卒中の診療が専門的に行えるようになったほか、高気圧酸素治療も積極的に行っています。また当院では常勤の医師だけではなく当直の医師も脳外科専門の医師がそろい「救える命を救いたい」というモットーのもと、日々取り組んでいます。

患者さんは地域の方が多いのでしょうか?

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病院のある神奈川区に近接しているのは保土ヶ谷区ですが、旭区、港北区と幅広くカバーしています。救急の患者さんは近隣の方が多いですが、川崎に近い遠方の方でも「この病院なら受け入れてくれる」との救急隊の判断で運ばれてくることもあります。僕たちは、患者さんや困っている救急隊に対して、僕らの治療を必要とする人は受け入れますよという「断らない救急」をめざし、「救える命を救う」という理念に基づき、対応しています。脳卒中など頭の病気は突然起こります。目の前でしゃべっている人が急に倒れたり、話せなくなったり、患者さんやご家族にとっては晴天の霹靂でしょう。また、治療までの時間が非常に重要で、脳梗塞の血栓溶解療法(t-PA)は4時間半、血栓回収療法も8時間というタイムリミットがあるため、迅速で丁寧な対応を心がけています。

地域の医療機関との連携はどのように取られていますか?

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医師会の会合、病病連携の会合などへの参加のほか、近隣のクリニックの先生とは2年前から当院主催の勉強会を年に数回開催し、顔の見える関係性を築くようにしています。また、救急隊へ向けてのレクチャーも年に2回開催しています。リハビリについては、3年前から院内での急性期リハビリを開始し、病気を起こしてから1〜2日くらいから2週間をめどにリハビリを開始、それ以上のリハビリが必要な方には回復期リハビリ病院に移っていただくようにしています。当院には2名のケースワーカーが在籍しており、入院の早い段階から介入し、必要に応じて専門病院への転院のお手伝いをしています。

内科系疾患を併発している患者へはどのように対応していますか?

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脳神経外科の単科病院としてさまざまな治療ができるメリットがある反面、内科疾患の初期治療は可能ですが胃カメラや心カテといった専門的治療は難しい。脳卒中では、心筋梗塞や心不全といった循環器系のトラブルも抱えている方がおり、昨年から循環器の診療を開始しました。月に2回、横浜市大の循環器の先生にきていただき、今は主に入院患者さんの循環器系の相談を受けてもらい、少しずつですが、通院中の患者さんで循環器系の診察が必要な方にも対応していただいています。将来的には、内科の先生を常勤にしたいと考えています。

医師として、院長として大切にされていることはありますか?

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当院は60床の病院でスタッフも限られているので皆の顔と名前がわかり、アットホームな病院です。一つの治療をやろうと一声かけると皆が一斉に集まり、チームワークは非常に良いので、それを乱さないように、まとまって診療ができるように院長として働きかけていきたいと思っています。医師としては、臨床をやっていると、手術がうまくいってもその後の経過が悪い人がいたり、逆に悪い経過になりそうと予想していても結果的に良くなることがある。結局、自分たちが治しているというよりは、患者さんが悪い方向に行かないよう良い方向に行けるようベストを尽くして背中を押してあげる、あとは患者さんの持つ自然治癒力に期待する、そういう気持ちで診療をやるべきだと思っています。また、手を尽くしても結果的に亡くなる方がいるのも事実ですので、ご家族にもできるだけ寄り添えるような診療をしていきたいですね。

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岩本 哲明 院長

1988年山口大学医学部卒業。済生会山口総合病院、岸和田市民病院を経て、多くの手術が経験できることに魅力を感じ1997年に同病院へ赴任し、2013年より現職。脳神経外科全般を診るが、脳血管障害を主に診療。患者や家族が安心して受けられる治療を心がける。 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。趣味は登山、テニスなど。年に数回、病院職員と富士登山を楽しむ。

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