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医療法人すこやか 高田中央病院

(神奈川県 横浜市港北区)

荏原 太 院長

最終更新日:2020/11/25

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生活習慣病と認知症に総合的に対応

横浜市最大と言われる人口を持つ港北区で、40年以上も地域の健康を見守ってきた「高田中央病院」。救急の外来は24時間365日対応、幅広い診療科、MRIやCTといった充実の機器、いざという時頼れる入院設備など、地元住民に安心を提供し続けている。開設当初から生活習慣病を重視してきたが、院長を務める荏原太先生の専門もまさしく糖尿病・代謝内科。2010年の入職以来、糖尿病療養指導士チームの立ち上げに従事し、現在はその努力が実を結び数々の成果を上げている。「大病院ではできないことをやっていきたい」と荏原院長が言うように、中小規模病院ならではのフットワークの良さを生かして地元住民と積極的に触れ合い、健康増進や生活習慣病予防のための活動を行う。港北区でも高齢者数が多い高田町にある同院は、認知症、リハビリテーション、生活習慣病の3つを柱に掲げ、各領域の専門医師が協力して1人の患者を総合的に診る体制作りや、スタッフ教育による専門性向上などに力を入れてきた。常に地域密着型病院としての役割とは何か、できることは何かを考えるという荏原院長に、医療連携や今後の展望などを聞いた。(取材日2016年11月22日)

こちらの歴史について伺えますか。

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私の父が1973年にこの地で開設したのが始まりです。27床の病院としてスタートし、それ以降、増床を重ねて約60床で定着しました。増床を繰り返して複雑になった部分を整理したい、療養環境をより良くしたいということで、2003年12月に今の病院に新しく建て替えてオープンしています。診療方針として、開設当初から地域の生活習慣病に力を入れてきました。また、父は脳神経外科の医師で、現在、当法人の理事長を勤めている弟も脳神経外科の医師として診療を継承しています。もうひとつ、開設当初から一貫して行っているものは、訪問診療です。近年、国を挙げて在宅診療が推進されていますが、当院では40年以上前から積極的に取り組んできました。かつては、1日に何十軒もの患者さん宅を訪問していたと聞いています。1994年には訪問診療車両「すこやか号」初代を導入し、現在、2代目が活躍中です。

病院の診療方針は? 全体で取り組んでいることはありますか?

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大きな総合病院と違い、あらゆる診療科をそろえて満遍なく資源を投入するわけにはいきません。そこで、高齢者が多い町にある当院の役目は何かと考えた時に生まれたコンセプトが「認」「転」「糖」でした。認知症、転倒予防を含めたリハビリテーション、糖尿病などの生活習慣病。この3つに集中して全員で学習していこうと決め、最近ようやく一定のレベルに達したという実感が持てるようになりました。取り組みは、1996年から始めて現在も続いている「すこやか教室」です。簡単に言えば地域の方を対象にした健康増進・生活習慣病予防のための教室です。各専門領域の医療関係者、管理栄養士、理学療法士、介護福祉士、運動指導員など当院のスタッフが講師となって実践的なセミナーを開催したり、ノルディックウォーキングやヨガ教室といった体を動かすイベントを行っています。私たちも、皆さんと一緒に学び成長していこうというスタンスで開催しています。

全員で共有する理念があると伺いました。

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「信頼とやさしさを いつでもどこでも誰にでも」が当院の理念です。これは院長になる以前に私が作りました。父が病院を運営していた当時、住む家もない行き場もない方が救急搬送されてきても、分け隔てなく受け入れていたのを見ていた私は、父を見習いたいという思いから、信頼とやさしさをどなたにでもご提供するという意思をどこかで表したいと思い、この理念を考えました。当院の存在意義は、まさにそんなところにあるのではないかと思います。理念が浸透している効果なのか、よく患者さんから「受付の人の感じが良い」「看護師さんの対応が優しい、来て良かった」といったお声をいただきます。もちろん、努力が足りない部分も指摘されます。これも、スタッフ全員の顔が見渡せる小さな病院ならではなのかもしれません。

病診連携など、地域での役割についてお聞かせください。

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診療所では対応が難しい患者さん、大学病院で治療を受けた慢性期の患者さんやがん疾患のターミナルケア、急性期と慢性期、その両方を受け入れるハブのような役割を果たすのが重要な使命だと考えています。リハビリテーションの設備も整っていますので、例えば、お年寄りのご夫婦で認知症の旦那さんが倒れられて寝たきり状態になった時、長期の療養先が決まるまでこちらに入院してリハビリテーションを受けていただく、といったことも可能です。診療所や他の病院だけでなく、同じ法人内の「すこやか訪問看護ステーション」や、当院から歩いて5分にある歩行訓練重視の短時間型デイサービス「にわとこジム」との連携も密に行っています。「にわとこジム」には、看護師を勤務させることで、病院に行ったり在宅診療を受けなくても安否と健康状態の確認ができるようになりました。これで、大事に至る前に病気などを発見することができます。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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当院は、糖尿病など生活習慣病と、認知症に総合的に対応できるよう、診療体制や入院施設、リハビリテーションの設備などを整え、スタッフ教育も行ってきました。特に、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士が糖尿病療養指導士の資格を取り専門性を高めて、チームとして機能している点は、当院の特徴ではないでしょうか。以上のように、診療体制が自主性を持ちながら育っていく確認ができたので、今後はそこを維持しつつ、「認」「転」「糖」以外の領域にも取り組んでいきたいと考えています。当院は、来院されたすべての方に、医療サービスの提供だけでなく、信頼や安心感、優しさを提供させていただくことを理念として掲げてきました。もちろん、相性のあう・あわないはありますが、まずは風邪やインフルエンザ、ちょっと気になることなどありましたら、一度当院に足を運んでいただき、体感してもらえたら幸いです。

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荏原 太 院長

1996年東京慈恵会医科大学卒業。同大学糖尿病・代謝・内分泌内科入局後、2001年町田市民病院糖尿病内科医長、2003年デンマークのステノ糖尿病センター留学、2006年津南病院勤務を経て2010年に高田中央病院に入職し2015年に現職。研究分野は糖尿病疫学、行動心理学、睡眠時無呼吸症候群、認知症予防など。沖縄県などと共同で、認知症予防に関連した抗酸化作用のあるサプリメントなどの開発も行っている

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