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独立行政法人国立病院機構 東京医療センター

(東京都 目黒区)

大島 久二 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域連携に注力する都会型総合拠点病院

駒沢公園に隣接する広々とした緑豊かな敷地内に、34の診療科と各種部門、760床を有する「東京医療センター」。1884年に設立された海軍軍医学校第二付属病院が前身の同院は、2004年に「独立行政法人国立病院機構東京医療センター」に改称。政策医療分野における眼科、耳鼻咽喉科をはじめとする高度専門医療施設として知られるが、救命救急センター、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、東京都災害医療拠点病院などの指定を受けており、地域における高度急性期病院としての大きな役割を担っている。「患者の皆さまとともに健康を考える医療の実践」という理念を継承し、多彩な機能を持つ同院をけん引するのは2017年に就任した大島久二院長。「科の垣根を越えたチーム医療と、伝統的に受け継がれてきた患者さんへのホスピタリティが当院の強みだと思います」。職員への信頼の言葉と屈託のない笑顔から、大島院長の誠実な人柄が伝わってくる。地域の高度急性期病院として、救命救急と高度医療、地域連携にも注力する同院が持つ「病院としての総合力」と「温かな雰囲気」。そのルーツや今後の展望を聞いた。(取材日2018年5月7日)

最初にこちらの病院の特徴を教えてください。

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この周辺には当院と同規模の広範囲かつ3次救急に対応している病院がないため、当院が担うべきことは、やはり高度急性期の診療、そして総合的な治療を要するがん診療です。そこは、われわれが非常に力を入れているところであり、地域から求められているものでもあると思いますね。東京都はある意味特殊な場所で、周辺でも元気な方は山手線内の病院まで通っていますが、この地域でも少しづつ高齢化が進んでいることから、地域の中で地域の方々を診るという使命がわれわれにはあると思います。患者さんの中心は世田谷区と目黒区の方ですが、全体の1割は全国からもいらっしゃいます。専門分野においては、いわゆる中堅の大学病院といえる診療機能を備えており、例えば前立腺がんの手術では、今年から適応範囲が広がったロボット支援手術、また小線源療法という放射線源を埋め込み、内側から放射線をがん組織に照射する治療を多く行っています。

特色のある部門も設置されていますね。

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国立病院機構特有のネットワークを生かし、臨床現場に根差した研究を行う研究部門を1979年から擁しており、臨床研究・感覚器部門として現在に至っています。目および耳の感覚器に重きを置いているため、当院には遺伝性の目と耳の疾患を持つ患者さんが数多く来院されていますね。最近は、がんゲノム医療が注目され、当院もがんゲノム医療連携病院となっています。当院は感覚器センターの経緯から、がん以外も含めた遺伝子に関する研究を進めてきました。一部ではiPS細胞を使った研究を慶應義塾大学病院と提携して取り組んでいます。また、心配だから確認したいという方、また確認した上でどうするのかという遺伝子関連のご相談の場合には、遺伝カウンセラーを含めた体制を整えて対応しています。現在、臨床研究センターは、単に目と耳の感覚器ということに留まらず、病院の機能として広く貢献してくれています。

チーム医療もこちらの大きな特長の一つと伺っています。

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都内の総合病院であれば、診療科が協力し合うチーム医療というのは、普遍的なキャッチフレーズですが、当院では、診療科の領域が非常に広いという特徴があります。先ほど言った日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーも複数おりますし、精神科、歯科の病棟もあります。そういった非常に広い分野で、それぞれに専門性の高い知識を持つ医師が連携して診療にあたっています。当院には、もともと科を超えた連携の流れと言いますか、“文化”があります。臨床研修制度が始まる前から、研修の際にはスーパーローテートという全科を回るスタイルで行っていました。当院では総合内科もあるのですが、内科の中でも入院患者さんが多く、そこで一般的な病気を勉強して、必要であれば内科の中、あるいは他科で勉強するという形で育ってきています。伝統的に皆で一人の患者さんに関わっていこうという雰囲気のある病院だからこそのチーム医療だと思います。

病院運営に対する院長先生の思いを教えてください。

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医師として一人の患者さん、あるいはご家族と向き合うということと、院長の仕事には大きな違いがあると思います。この病院を長い目で見て、あるいは5年~10年先を見据えて進んでいく方向を示していくことが院長としての仕事であると思いますね。医師だけでなく、看護師、事務員、メディカルスタッフ、皆さん優秀な方が多いので、そういう方たちがモチベーションを持てる方向性さえあれば自ら動いてくれます。一緒に話して、その方向性を見つけていくことができないかと、日々努力しています。それぞれがその領域のスペシャリストですので、皆さんの力をいかに発揮してもらうかですよね。ここに着任したときから感じていたのは、当院の職員はとても親切だということです。そういう土壌があるのでしょうか、若い人の面倒を見て育てるという脈々と続く文化があり、その雰囲気が科の垣根を越えたチーム診療にもつながっているのではないでしょうか。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当院は、地域における高度急性期医療を担う病院ですが、当院だけでは地域医療は成り立ちません。この地域、あるいはもう少し広範囲で連携し、その中でどうやって患者さんをケアしていくか。また、皆さんにかかりつけ医を持っていただくことが地域における課題であると思います。地域医療連携構想は、東京でも進みつつありますが、地方とは異なる都市型の地域医療連携構想の中で、当院の役割や情報をキチンとお伝えしていくことがミッションだと思います。ただ単にかかりつけ医を持っていただくことを患者さんにお話しするのではなく、患者さんがメリットを受けるような地域の役割分担、かかりつけ医の先生方との関わりというものを築いていきたいです。患者さんは、何らかの心配事を持って病院にいらっしゃいます。そういう不安を払拭し、少しでも安らいだ気持ちになっていただけるような療養の環境も大事にし、信頼に応えられる医療を行っていきたいですね。

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大島 久二 院長

1978年慶應義塾大学医学部卒業。リウマチ・膠原病全般、ステロイド治療、生物製剤治療を専門とし、1995年から藤田保健衛生大学医学部講師を担い、2002年教授に就任。日本リウマチ学会評議員、日本内分泌学会代議員を務め、2007年東京医療センターのリウマチ膠原病内科医長に着任。2017年4月に院長就任。日本内科学会総合内科専門医。

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