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公益財団法人 日産厚生会 玉川病院

(東京都 世田谷区)

和田 義明 院長

最終更新日:2022/10/14

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急性期から回復期までワンストップで対応

1953年の開設以来、丘の上の閑静な住宅街から二子玉川の街を見守り、地域の人々の健康を支えてきたのが「玉川病院」だ。豊かな緑があふれる静かな環境の中にあり、病院特有の暗さや圧迫感、緊張感をほとんど感じさせない同院。病院の機能分化が進む中で急性期における専門的治療、さらには回復期のリハビリテーションまで、必要な医療をワンストップで提供しており、「急性期から慢性期へ移行する過程での転院の負担を軽減し、地域の人の生活を支えたい」と和田義明院長は話す。東京都指定二次救急医療機関として積極的に救急を受け入れるほか、災害時の医療体制構築にも注力。さらには、新型コロナウイルス感染症に対しても、早い時期から患者の受け入れを開始し、同感染症診療の拠点として区内、および近隣の患者の健康の維持に向けて奔走してきた。そんな同院の診療の特徴や、新型コロナウイルス感染症への取り組みについて、和田院長に話を聞いた。(取材日2022年6月22日)

公的病院と地域医療を担う病院、2つの役割を持つ病院ですね。

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公益財団法人日産厚生会の医療機関の一つである当院は、社会に多大なる貢献を行う公的使命を持っています。1953年の開設以来、「医の実践と研究」を理念に掲げ、疾病の予防・治癒につなげるための臨床医学研究を進めるとともに、地域の皆さんに必要とされる医療の提供に努めてきました。急性期から回復期までワンストップでの医療提供や24時間365日体制での救急の受け入れなどはその一つです。近年は、初診で受診すべき診療科に悩む方や、単一の診療科では対応が難しいケースに対応するための総合診療部門を設け、適切かつ迅速な、全人的医療の提供に努めてきました。さらには、行政やほかの二次救急病院と協力しながら災害時の万一の備えの強化を進めています。従来は避難所に開設した救護所に医療者が集結する計画でしたが、他地域での災害の教訓をもとに検討を重ね、今後は二次救急病院の前に救護所を作る方針になっています。

新型コロナウイルス感染症にも早くから対応してきたそうですね。

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2020年2月に大型クルーズ船で発生した集団感染の患者さんの受け入れから対応を開始し、専用病棟を設けました。加えて、帰国者・接触者を専門に診る外来や発熱症状に特化した外来の開設をはじめ、世田谷区医師会運営のPCR検査施設などを通じて多くの感染者を診療してきました。受付での検温や入院時の抗原・PCR検査を徹底することで通常の外来診療と救急受け入れ、入院診療を継続してきましたが、陰性を確認後に入院した患者さんがその後に陽性になるケースも少なくありません。そのような中、院内感染を防ぐ取り組みを強化しながら、今日まで感染症の診療と通常診療を両立し続けてきました。実は、これが一番難しいのですが、新型コロナウイルス対応をしているからと言って救急の患者さんがいなくなるわけではありませんから、これからも、新型コロナウイルス感染症に負けることなく、できるだけ通常どおりに医療を継続していきたいと考えています。

力を入れていることは何ですか?

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1つは、整形外科で導入したロボティックアーム支援手術です。主に、人工股関節置換術に使用していますが、正確性を重視したナビゲートで執刀医の手をサポートできるようになり、より緻密な手術が可能になりました。このあたりは、若手の医師たちが非常に頑張ってくれている分野です。2つ目は、高齢化に伴い急増している慢性心不全に対するチーム医療の強化です。地域の多職種との連携を強化し、包括的なケアを提供できる体制を構築しています。3つ目は、脳神経外科における血管内治療です。脳動脈瘤やくも膜下出血の治療、脳梗塞の血栓除去などを、開頭せずに血管から通したカテーテルで行うことができる低侵襲な治療方法です。4つ目は、医師の判断を待たずにより広範な対応を行うことができる看護師を育成するためのセミナーの実施です。知識のある看護師を増やし、タイムリーで質の高いチーム医療の実現に貢献していきたいと考えています。

特徴の一つである、先進的医療についてもお聞かせください。

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鼠径ヘルニアや気胸、股関節疾患、透析などで、以前から先進的な医療に取り組んでいます。鼠径ヘルニアは太もものつけ根が膨らみ、痛みや違和感が出る病気ですが、CTによる精密な診断のもと、可能であれば積極的に低侵襲の腹腔鏡下手術を行っています。気胸は、肺に穴が開く病気です。各病態に応じた治療を長年主導してきた経験から、遺伝的な気胸や難治性気胸といった例では、大学病院からの転院も珍しくありません。股関節の病気は、歩く時の痛みによるQOLの低下が一番の問題点。変形性股関節症や関節リウマチ、人工股関節の緩みなどに対して温存療法や人工関節置換術で改善を図っています。人工関節置換術については、先ほどお話ししたロボティックアーム支援手術の導入によって、これまで以上に質の高い治療が追求できるようになりました。透析については、腎臓病の治療や栄養指導などから、病状が進んだ方の腹膜透析まで総合的に提供しています。

今後の展望を含めて、読者にメッセージをお願いいたします。

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急性期から回復期まで広くカバーし、主な医療を近隣で完結させることで、住み慣れた場所を離れずに済む環境を地域の方々に提供することが当院の目標です。しかし、一人暮らしの高齢の患者さんや認知症の方、人工呼吸器をつけた方などをただご自宅にお返しするだけでは、幸せな暮らしを続けていくことは難しいでしょう。そのため、「どれだけ治療できたか」に加えて、「治療後、どこでどのように暮らしていくのか」も見据えて、回復期医療の充実や地域の介護・福祉サービスとの連携をより強化していく必要があると思っています。また、引き続き新型コロナウイルス感染症にも対応しながら通常の医療も続けていくことで、地域の皆さんの安心で幸せな暮らしを支援していきたいですね。当院の連携支援センターでは、患者さんとそのご家族が抱える経済的な問題や退院後の生活に対する不安など、さまざまなご相談に対応していますから、こちらもどうぞご利用ください。

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和田 義明 院長

1981年東京医科歯科大学卒業。同大学医学部附属病院神経内科外来医長、病棟医長、病院掛主任、米国ユタ大学医学部神経内科留学などを経て、1998年より玉川病院リハビリテーション科部長。同副院長を経て2017年より現職。日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医、日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医。東京医科歯科大学臨床教授。医学博士。

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