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財団法人日産厚生会 玉川病院

(東京都 世田谷区)

和田 義明 院長

最終更新日:2021/09/21

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急性期から回復期までワンストップで対応

1953年の開設以来、静かな丘の上の住宅街から二子玉川の街を見守ってきた「玉川病院」。敷地には豊かな緑があふれ、静かな環境。病院特有の暗さや圧迫感、緊張感をほとんど感じさせず、治療に対する前向きな気持ちを呼び覚ましてくれるだろう。同院の特色は、病院の機能分化が進む中、急性期医療からの専門的治療、さらには回復期のリハビリテーションまで、必要な医療をワンストップで提供していること。「急性期から慢性期へ移行する過程での転院の負担を軽減し、地域の人の生活を支えたい」と和田義明院長。二次救急医療機関として積極的に救急を受け入れるほか、2020年10月には東京都の災害拠点病院となり、災害時の医療体制構築にも力を注ぐ。新型コロナウイルス感染症に対しても、早い時期から患者の受け入れを開始し、同感染症診療の拠点として区内、および近隣の患者の健康の維持に向けて奔走してきた。コロナ禍への対応を含め、地域にとって必要な医療体制の構築と強化について、和田院長に話を聞いた。(取材日2021年4月27日)

公的病院と地域医療を担う病院、2つの役割を持つ病院ですね。

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公益財団法人日産厚生会に属する医療機関の一つである当院は、社会貢献を公的な使命としています。1953年の開設以来、「医の実践と研究」を理念に掲げて疾病の予防・治癒につなげるための臨床医学研究を進めるとともに、地域の皆さんに必要とされる医療の提供に努めてきました。急性期から回復期までワンストップでの医療提供、24時間365日体制での救急の受け入れなどはその一つです。近年は、初診で受診すべき診療科に悩む方や、単一の診療科では対応が難しいケースに対応するため、総合診療部門を設けて適切かつ迅速な判断による全人的医療の提供に努めてきました。2020年には東京都の災害拠点病院となり、行政や他の二次救急病院と協力しながら万一の備えの強化を進めています。従来は避難所に開設した救護所に医療者が集結する計画でしたが、他地域での災害の教訓をもとに検討を重ね、今後は二次救急病院前に救護所を作る方針になっています。

新型コロナウイルス感染症にも、早くから対応してこられました。

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2020年2月に大型クルーズ船で発生した集団感染の患者さんの受け入れから対応を開始し、専用病棟を開設。帰国者・接触者の外来、発熱の外来の開設をはじめ、世田谷区医師会運営のPCR検査施設などを通じて多くの感染者に対する診断・治療を行ってきました。受付での検温によるトリアージ、また入院時の抗原検査・PCR検査を徹底することで通常の外来診療と救急診療、入院診療を継続してきましたが、陰性を確認後に入院した患者さんが入院後に発熱して陽性になるケースも少なくありません。院内感染を防ぐための取り組みを強化しながら、今日まで新型コロナウイルス感染症の診療と通常診療を両立し続けています。今後は、これまでどおり通常診療と新型コロナウイルスへの罹患が疑われる方の診断・治療を継続的に行いながら、陰圧室での患者の入院治療、外来での抗体療法、ワクチン接種を進めていくことになるでしょう。

新型コロナ対応と並行して新たな取り組みも開始したそうですね。

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新たな取り組みは大きく4つあります。1つ目は、整形外科で導入したロボット支援手術です。正確性を重視したナビゲートで医師の手をサポートできるようになり、整形外科の人工関節置換術などにおいて、より緻密な治療が可能になりました。このあたりは、若手の先生方が非常に頑張ってくれている分野なんですよ。2つ目は、慢性心不全に対するチーム医療の強化です。地域の多職種との連携を強化し、包括的なケアを提供できる体制づくりをスタートさせました。3つ目は、脳神経外科における血管内治療の導入。脳動脈瘤、くも膜下出血などの血栓をカテーテルで直接的に除去・回収するための、低侵襲かつ有用な治療法です。4つ目は、医師の判断を待たずにより広範な対応を行うことができる看護師を育成するためのセミナーの実施です。知識のある看護師を増やし、タイムリーで質の高いチーム医療の実現に貢献していきたいと思っています。

特徴の一つである、先進的医療についてもお聞かせください。

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ヘルニア、気胸、股関節疾患、透析といった分野で、以前から先進的医療に取り組んでいます。ヘルニアは太もものつけ根が膨らみ、痛みや違和感がある鼠径ヘルニアを対象に専門治療を提供。CTによる精密な診断のもと、必要な場合は内視鏡治療を行っています。気胸は、肺に穴が開く病気。各病態に応じた治療を長年主導してきた実績から、遺伝的な気胸、難治性気胸といった難症例では、大学病院からの転院も珍しくありません。股関節の病気は、歩く時の痛みによるQOLの低下が一番の懸念点。変形性股関節症、関節リウマチ、人工股関節のゆるみなどに対して、温存療法や人工関節置換術で改善を図ります。人工関節置換術については、先ほどお話ししたロボット支援手術の導入によって、これまで以上に質の高い治療が追求できるようになりました。透析については、透析を未然に防ぐ予防指導から、病状が進んだ方の腹膜透析まで、総合的に提供しています。

今後の展望を含めて、地域の方にメッセージをお願いいたします。

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急性期から回復期まで広くカバーし、主な医療を近隣で完結させることで、「住み慣れた場所を離れずに済む」環境を地域の方に提供することが当院の目標です。しかし、一人暮らしの高齢の患者さんや、認知症の方、人工呼吸器をつけた方などをただご自宅にお返しするだけでは、幸せな暮らしを続けていくことは難しいでしょう。「どれだけ治療できたか」に加えて「治療後、どこでどのように暮らしていくのか」も見据えて、回復期病棟の充実や地域の福祉サービスとの連携をより強化していく必要があると思っています。引き続き、新型コロナウイルス感染症の診断と治療にも取り組みながら、地域の皆さんの安心で幸せな暮らしを支援していきたいですね。当院の連携支援センターでは、患者さんとそのご家族が抱える経済的な問題や退院後の生活に対する不安など、さまざまなご相談に対応していますから、こちらもどうぞご利用ください。

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和田 義明 院長

1981年東京医科歯科大学医学部卒業。同大学医学部附属病院神経内科外来医長、病棟医長、病院掛主任などを歴任。1991年からアメリカのユタ大学医学部神経内科留学。1998年玉川病院リハビリテーション科部長に就任し、副院長を経て2017年から現職。東京医科歯科大学臨床教授。日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医、日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医、医学博士。

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