専門の医師・スタッフによるチーム医療で
糖尿病患者を支える
公立学校共済組合 関東中央病院
(東京都 世田谷区)
最終更新日:2021/10/22


- 保険診療
- 糖尿病
- 甲状腺疾患
近年、社会環境や生活習慣の変化によって増加し続けていると言われる糖尿病。糖尿病はさまざまな合併症を引き起こしたり、生活の質の低下を招く場合もあるため、適切な治療を継続していくことが重要だ。そのため医療機関では患者がうまく病気と付き合っていくため、さまざまな取り組みを行っている。「関東中央病院」の糖尿病・内分泌内科では、糖尿病に関する深い知識と経験を持つ専門スタッフが多く在籍し、多職種によるチーム医療で療養患者に寄り添いながらサポートしている。そこで同科の岡畑純江診療科部長に糖尿病への取り組みをはじめ、内分泌疾患の診療について話を聞いた。(取材日2021年6月17日)
目次
糖尿病の知識や経験が豊富なスタッフがチームになって患者の療養生活を支えていく
- Qこちらでの糖尿病治療について教えてください。
- A
外来スタッフ
通院患者さんの外来診療の他、入院患者さんの糖尿病およびその合併症の管理、そして救急での受け入れも行っています。当院では特に、糖尿病専門の外来を設け、教育入院にも力を入れています。教育入院では、糖尿病を専門とする医師と糖尿病療養に精通したスタッフによるチーム医療で取り組んでいます。また、合併症についても院内の他科とスムーズな連携で、適切に対応できるよう体制を整えています。生活習慣病を患う患者さんは近年増加の一途をたどっていることから、地域の医療機関との協力が不可欠であるため、ホームドクターとの病診連携を重視しています。
- Q糖尿病治療はチーム医療がポイントだと聞きました。
- A
定期的に多職種でのカンファレンスを行っている
患者さんの様子や病態などを医師やスタッフ複数の目で見ていくことで、その患者さんにとって最適と思えるアプローチを考えていきます。当院では栄養サポートチーム(NST)という、医師、看護師、薬剤師、栄養士といったいろいろな専門職が集まってチームになり、食事の面からも患者さんの療養に関与しています。チームによるサポートのメリットは、さまざまな視点からの意見を集められ、より良いサポートのあり方を探っていけること。お互いに知識と経験を持ち寄ることでこれまで気づかなかったことや、各自の専門領域以外のトレンドを知ることもでき、その時代に合った良い治療を患者さんへ提供することができるようになると考えています。
- Q糖尿病に精通したスタッフがそろっているそうですね。
- A
経験豊富なスタッフがそろう
当院には糖尿病と療養指導に関して専門的に知識や経験を積み重ねてきたスタッフが、看護師や薬剤師、管理栄養士など各職種にそろっています。お互いに情報を共有し、医師が相談に乗っていただくことも多くとても頼りになる存在です。当院にはこのような糖尿病療養のプロフェッショナルともいえるスタッフが20人以上在籍していますので、受診される患者さんはもちろん、ご紹介いただく医療機関の先生方にも安心してお任せいただければと思います。
- Q甲状腺疾患については、どのように対応されていますか?
- A
甲状腺疾患にも力を入れていく
地域の先生方から、甲状腺疾患の検査や治療に関するご相談や手術に関するお問い合わせも増えてきましたので、外科の医師たちと連携して積極的に手術にも対応できるように体制を整えています。甲状腺超音波検査と病理組織検査を糖尿病・内分泌内科で対応し、外科手術が検討される症例の診断と治療については外科と相談する流れで、診断から治療までシームレスに行っています。
- Q副腎疾患の診療についても教えてください。
- A
副腎静脈サンプリング検査の様子
原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリングを開始しました。これは副腎静脈にカテーテルを挿入し採血を行う検査です。左右いずれかの副腎からアルドステロンの自律性分泌が確認された場合、手術での副腎切除が検討されますが、その際に病変部位を特定するために実施します。この検査は、放射線科の医師による専門性の高い技術を要するもので、大学病院も含めて実施できる施設が限られています。原発性アルドステロン症と診断され、通い慣れた地域の病院での検査をご希望の場合は、ぜひ担当医の先生とご相談の上、受診してください。検査の結果、副腎切除が必要な場合はアルドステロン症の手術症例が豊富な医療機関にご紹介いたします。