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昭和大学横浜市北部病院

(神奈川県 横浜市都筑区)

門倉 光隆 病院長

最終更新日:2023/03/06

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地域医療の中核を担う高度急性期病院

2001年に開業した「昭和大学横浜市北部病院」は、横浜市北部の地域医療を支える中核病院であると同時に、各国の医師たちが勉強に訪れるほどの先進的な専門医療を提供する大学病院だ。内科、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、産婦人科、眼科、リハビリテーション科など豊富な診療科・部門をそろえ、多種多様な患者のニーズに応えるとともに、女性特有の疾患や禁煙治療に特化した外来にも対応している。また同院は小児人口の多い同地区にあって、20人以上の小児科医師が医師会と連携しながら小児医療を展開。先天性心疾患の子どもの受け入れに対応した医療機関でもある。2017年に病院長に就任した門倉光隆先生は、多くの肺がんの手術に携わってきた呼吸器外科のエキスパート。開業に先駆けて1998年頃から同院の立ち上げに関わり、開業時には総合医局長も務めていたという門倉先生に、病院の歴史から今後の展望までじっくり聞いた。(取材日2017年10月16日/情報更新日2022年12月15日)

病院の歴史と、地域における役割についてお聞かせください。

1

当院は2001年の開業以来、横浜市北部の中核病院として港北ニュータウンの発展とともに地域医療に貢献してきました。急性期病院が不足していた都筑区の現状を踏まえ、開院日は日曜日、救急の外来のみのスタートで、私自身も率先して外科当直医を務めたことをよく覚えています。地域の救急医療をサポートする救急科では生命に危機的な重症患者を積極的に受け入れるほか、勉強会や救急隊員との連携を深めて搬送前の医療向上にも貢献しています。大学の付属病院として産科から小児科、眼科、緩和ケア内科まで幅広い診療科をそろえ、専門的な医療を提供しています。さらに「地域医療支援病院」として地域の医療機関と連携し、緊急性のある患者さんの場合は、地域の先生方と担当ドクターが直接連絡を取り合いながら、患者さんが到着したらすぐに診療にとりかかるなど、迅速、かつ適切な対応の実現に努めています。

地域のニーズに応じ、診療体制も随時拡充されているのですね。

2

近年では甲状腺疾患のほか、女性の出産・加齢に伴う尿漏れや臓器脱などの専門診療を行う「女性骨盤底センター」を開設しました。その目的は、女性の泌尿・生殖器周りの器質的・機能的不具合に対して手術治療などを実施し、生活の質(QOL)の向上を図ることにあります。骨盤臓器脱や尿失禁などは良性の疾患に分類され、生命活動に直結するものではありません。しかしQOLを著しく損ねるのも事実。骨盤底筋トレーニングを専門的に指導できる理学療法士も採用し、症状改善に向けた理学療法・行動療法にも力を入れています。このほか、脳血管障害に対しては「脳血管センター」として専任の医師を配置。院内のチームを率いて難易度の高い脳血管内治療に取り組んでいます。シャント疾患の難症例にも対応するすご腕のチームで、すでに多くの治療を手がけていますが、多くは他院からの紹介です。これは地域との密接な連携が取れている証しであるといえるでしょう。

専門的な小児医療の提供にも注力されているとか。

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小児や新生児の内科・外科を専門とする医師20人以上が協力し、先天性心疾患をはじめ、血液関連と主要を除く小児科領域全般の診療にあたっています。そして小児科領域と産婦人科との密接な連携も、当院の大きな強みの一つです。2012年には西棟に陣痛室・分娩室・回復室が一体となったLDRルームを備えた産科病棟「マタニティハウス」を開設しました。こちらでは、助産師を主体とするチームが妊婦健診から出産、産後の育児相談まで一貫してサポートします。一方、双子などの多胎児や高齢出産、さらに多くの併存疾患を持つなどハイリスクな妊産婦さんの場合は、中央棟で医師を主体とするチームがフォローします。このような機能分担と受け入れ可能枠の拡充により、今まではお断りせざるを得なかった患者さんの受け入れが可能となり、母子の状況に柔軟に対応できる周産期医療を提供しています。

今後の展望についてお聞かせください。

4

当院では、総合サポートセンターを窓口にして、地区医師会を中心とした医療機関と連携し、患者さんのスムーズな受け入れと早期退院をめざしてきました。ただ、住民の平均年齢が比較的若いといわれる都筑区でも確実に高齢化が進んでいます。それに伴い、脳出血や脳梗塞など高齢者の救急搬送が増えてきており、これまでの病診連携だけでなく、地域の介護現場との連携も深めていく必要を強く感じています。初めての患者さんが気軽に相談できる雰囲気づくりのほか、症状の重い患者さん、認知症患者さんの入院前・退院後の支援など、多様化する地域のニーズに応えるための介護現場と連携した体制づくりの強化が、今後は必須であると感じています。同時にこれまで培ってきたことをさらに発展させて、より身近な地域の中核病院としての役割をこれまで以上に強固なものにしていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

5

患者さんから「良くしていただいた先生が異動になってしまい不安だ」という声をいただきますが、大学病院は医師を育てる教育施設でもあるため異動は避けられません。その分、新任の医師との新たな信頼関係と、彼らが持つ新しい情報を得るチャンスだと思っていただければ幸いです。また当院には「常に心のこもった病院でありつづける」「無事故の病院になる」「現在のぞみうる最高の医療をおこなう」という3つの基本理念があります。当院を選んでくださった患者さんの信頼にお応えすべく、医師だけでなく、看護師から病院の入り口に立つドアマンまで、患者さんに関わるスタッフが一丸となって最高の医療サービスを提供できるよう努力しています。ホテルのような居心地の良い空間であるとともに、「また来たい」と思っていただけるよう、一人ひとりの患者さんやご家族の気持ちに寄り添いながら地域の方々に信頼され、愛される病院をつくっていきたいと思います。

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門倉 光隆 病院長

1980年昭和大学医学部卒業、1984年同大学大学院医学研究科修了。1993年メイヨークリニック(米国ミネソタ州)留学、1999年昭和大学助教授、2007年同大学教授、2016年昭和大学横浜市北部病院副院長、並びに昭和大学横浜市北部病院呼吸器センター長を経て2017年4月より現職。日本呼吸器外科学会呼吸器外科専門医、日本気管食道科学会気管食道科専門医。

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