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学校法人 昭和大学藤が丘リハビリテーション病院

(神奈川県 横浜市青葉区)

市川 博雄 院長

最終更新日:2021/06/18

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365日の絶え間ないリハビリで患者に貢献

東急田園都市線・藤が丘駅から歩いて1分の「昭和大学藤が丘リハビリテーション病院」。その名のとおり、リハビリテーションに注力する病院の6代目院長にこのほど就任したのが市川博雄院長だ。関連病院の「昭和大学藤が丘病院」で脳神経内科医長を5年務めた後の登用。突然のことに驚きつつも、「院内外での医療連携をさらに緊密にしていきたい」とビジョンを掲げる。同院は一般病床と回復期病床を計197床備え、藤が丘病院で急性期の治療を終えた患者を受け入れて切れ目のない医療を提供している。脳卒中、整形外科疾患に加え、心臓疾患などの内部障害に対するリハビリも行っているのが大きな特徴。「スタッフが忌憚なく意見を言い合える雰囲気を」と語る市川院長に、病院の特徴や今後の展望などを聞いた。
(取材日2016年6月30日)

病院の概要についてお聞かせください。

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当院は昭和大学病院の関連病院で、1990年の開院以来、一貫してリハビリテーションに力を入れていきました。計197床の内訳は、緊急に治療が必要な急性期を脱し、リハビリテーションが治療の中心となる方のための回復期リハビリ病棟が67床。その他は、整形外科52床、内科44床、眼科34床で、藤が丘病院の後方支援としての役割も担っています。藤が丘病院が急性期の治療にあたり、改善後に当院でリハビリを行うという連携により、切れ目なく患者さんを支えています。命を守り、機能障害を改善することはもちろんですが、患者さんが退院した後の日常生活を守ることにも重きを置いています。例えば心臓の病気で脳の血管に障害が起きている可能性があれば藤が丘病院を含めた他科で診療してもらい、合併症の早期発見や予防をめざす。診療面以外でも、市民公開講座を開いて病気の理解を深めてもらうことで、予防につなげていければと考えています。

注力しているリハビリの体制や特徴はどんなことでしょう。

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リハビリは早期からの継続が大切ですから、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といった専門家が50人ほど在籍し、365日のリハビリを実現しています。当院の特徴は、心臓や呼吸器、腎臓などの疾患で日常生活をスムーズに送れない、内部障害の患者さんへのリハビリです。当院では藤が丘病院の循環器内科の医師が中心となって治療方針を立て、再発防止にも気を配りながら急性期を脱した患者さんに合わせた運動プログラムを考案しています。弱っている心機能に適度な負荷を与えて機能を上げた上で日常生活に戻ることは、患者さんやご家族の負担軽減にもつながりますから。脳卒中、整形外科疾患、内部障害のリハビリといった3本柱を据えていることが「総合的なリハビリ」を掲げている理由ですね。当院には内科医もおりますので、リハビリ中に内科疾患が起きた時もスピーディーに診療できます。

先生ご自身のことについてお聞きします。医師をめざした理由は?

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子どもの頃の体験がきっかけです。私の生まれは練馬区で、近くのかかりつけのクリニックによく行っていました。私の順番が回ってくると、女性の院長先生が呼んでくれるんですが、先生の顔を見ると不思議と体調が良くなるんです。「あれ、病院に行くと気分が良くなるな」「先生と話すと調子が良くなる」と思っているうちに、「僕も大人になったらこんな人になりたい」という気持ちが芽生えていって。私の身内には医者が1人もいませんでしたが、だからこそ自分は違った職業に就きたいとも思いました。中学、高校を経てイメージが具体化し、昭和大学医学部に進学しました。脳卒中を代表とする脳神経系の疾患の診断と治療をメインに扱う神経内科を専門にしたのは、進学当時は標榜する病院自体が少なく、新しい分野でしたので、興味を覚えました。血液検査ではわからない神経の症状を細かく診察するために患者さんを触診する機会や話す時間が長いことも理由ですね。

医師として、やりがいに感じていることはありますか。

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やはり患者さんからの「ありがとう」の言葉。神経疾患の治療は日進月歩で、その後の回復も人それぞれです。治療の限界を感じることもありますが、何か方法やサポートはないか模索することは変わりません。印象に残っている経験として、20年前、パーキンソン病で腸閉塞を起こし、入院された女性の患者さんがいました。治療が進み「数日後には退院かな」と思っていた頃、患者さんが言ったんです。「先生。ありがとうございました。昨日夫が来て、お前もそろそろこちらに来いよと言いました。だから私は明日、いきますね。今まで本当にお世話になりました」と、にこやかな表情で。ご主人は既に亡くなっていました。パーキンソン病に度々みられる幻覚かと思いましたが、実際にその方は翌日、心筋梗塞で亡くなりました。驚きました。前兆はなく、気づけなかった。医学では計り知れないことがある、それでも、見抜けなかったことが悔しかったです。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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藤が丘病院と共存共栄していきたい思いが一番。そのためには、よりスムーズに藤が丘病院からリハビリが必要な患者さんを受け入れる体制をつくることが必要だと考えています。今は受け入れ時にいくつかの部署を経由していますが、できれば段階を減らしてワンクッションでできるようにしたい。起点になる藤が丘病院の地域連携室の権限を強めることがその方法の一つですね。医師を入れて治療的な判断をしやすくするなども考えられます。院内のチーム連携においては、週に1回、職種関係なくたくさんのスタッフが集まる場を設置構想中。今は月曜日の朝に各診療科の代表が集まって経営面を話し合っており、これに診療面も加えたディスカッションがしたいです。さらに今後は、パーキンソン病のリハビリにもより力を入れていきます。内部障害に続く新たな特徴として打ち出せるようになれば、より多くの患者さんに貢献できるのではないでしょうか。

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市川 博雄 院長

1989年昭和大学医学部卒業。昭和大学藤が丘病院脳神経内科医長を経験後、2016年より現職。幼少期、通院していたかかりつけのクリニックの院長とのふれあいがきっかけとなり、医療の道をめざすように。院長職を打診された時の思い出は「青天の霹靂で、言葉が出ず」。より緊密な藤が丘病院との共存共栄をめざし、職務の全うをめざす。

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