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医療法人社団元気会 横浜病院

(神奈川県 横浜市緑区)

北島 明佳 理事長

最終更新日:2020/11/25

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医療と介護で患者と家族の心を元気にしたい

「横浜病院だからこそできる、医療と介護をめざしています」と語る「横浜病院」の北島明佳理事長。大学病院でアルツハイマー型認知症などの研究に携わった経験を持つドクターだ。父の後を継ぎ、同院の理事長に就任。超高齢化時代に対応できる療養型病院へ変革するために、まず全職員が参加できる環境整備により業務改善の必要性を説き、意識改革を行い、組織としての共通意識を芽生えさせた。さらに「病院の質は、働く人の質が決める」と人材教育に取り組み、研修専用の介護開発室を設置し、病棟と同じ設備や資材を使った実践的なトレーニングを実施。先駆的な試みで病院を進化させた。その一方、患者や家族の心のケアにも尽力し、最期の時をより良く過ごしてもらえる病院でありたいと、院内の生活環境やレクリエーションのプログラムにもきめこまかく気を配る。きびきびと行動的なフットワークと、親しみやすい笑顔も印象的。人の心を救いたいという精神科の医師としての理念と、医療と介護で高齢化社会を支える病院の理事長としての強い責任感を持つドクターだ。(取材日2014年10月23日/情報更新日2018年2月5日)

こちらの病院の特徴を教えてください。

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ご自宅や介護施設では診ることが難しい、急性期での治療を終えた患者さまを受け入れています。医療療養病棟、精神療養病棟、介護療養病棟があり、精神科の医師による認知症患者さまへや、重い糖尿病や肝硬変の方向けの診療体制など、さまざまな医療と介護のサポートを行っています。四季の森公園が近く、上の階からの眺望も自慢です。人生の最期の時を過ごしていただく療養型病院として、先代院長の時から「こわくなく、くるしくなく、さびしくなく」という考えを大切にしています。医療面では「人」を診ることに重きをおき、心と体両面のケアを徹底。先進医療機器の導入による診療技術の向上にも努めています。また、ゲームや趣味を楽しむ院内デイケア、季節の行事、音楽療法などを実施。2017年より認知症専門のもの忘れの外来を開設、認知症初期集中支援事業のリハビリテーションにも力を入れており、患者さまの可能性を引き出せるよう努力しています。

理事長になってどのようなことに取り組まれましたか。

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病院には専門職が多いため、それぞれの専門性や立場の違いから組織としてのまとまりに欠けがちです。そこで2008年から毎日20分環境整備の時間を設けました。掃除をして仕事しやすい環境を整え、どこを改善したかという提案書の提出を求めたのです。意識改革に対応できないスタッフも多くいましたが、3年ほどで日々改善を行うという意識が浸透するようになりました。次に取り組んだのは教育体制の整備です。2009年には介護職の新卒採用と、新しい介護を導入するための介護研修をスタートさせました。介護開発室という専門部署を設け、病棟と同じベッドや寝具を使用しての介護研修を行っています。新しい介護技術を会得すると、介助者にとっても介護される側にとっても効果的な介護につながります。現在は次の段階として、組織として機能することをめざして、看護部長ほか経営幹部にマネジメントを任せて、私はなるべく口を出さないようにしています。

先駆的な取り組みを始められた理由はなんでしょうか。

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時代や社会の変化につれて私たちも変わらないと、病院として機能できないという危機感があったんですね。教育に力を入れたのは、働く人が病院の質を決めるとの考えもありました。そこで、数年を経て、目標に基づいて計画を立て、実行し、検証し、改善を行うという、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action)を徹底し、目的に向かって組織として動ける形になってきました。スタッフ一人ひとりが成長したことで、自主的に考えて行動するシステムが浸透。それぞれの現場で、例えば「褥瘡(じょくそう)の新規発生をなくす」などのさまざまな取り組みが行われています。今後の計画としては、この地における地域包括ケアシステムの構築に向けて「医療と福祉が一体化したロールモデル病院」になるべく、さらなる努力をしているところです。

印象的な患者とのエピソードがあれば教えてください。

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患者さまがご家族に「この病院に入れてくれてありがとう」と感謝の言葉を言っていた、と聞いた時はうれしかったですね。ご家族さまの中には「本当は家で介護したいができない」という思いをお持ちの方もいらっしゃいます。患者さま本人が満足してくださるような医療や介護を提供することで、ご家族さまにも安心していただければ幸いですね。寝たきりや意思疎通をとるのが難しい患者さまも、当院に来られて「元気になった」「明るくなった」と喜んでもらえればうれしいことです。少しでも話ができるようになったり、ご自分で食べられるようになったりして、患者さまとご家族さまの最後の時間をより良く過ごしていただくことが私たちの一番の願いです。これからも安定した経営と、よりよい医療と介護を提供することで、患者さまとそのご家族さま、働くスタッフ、ビジネスパートナー、地域の人々が安心して暮らせる場をめざしていきます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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今までは病院の“中”を充実させてきたので、これからは地域の施設や診療所との連携を深めるなど “外”の整備にも力を入れていきます。加えて、超高齢化社会を迎えた日本に求められる、医療と介護のスペシャリストの育成も当院の役目。地域の急性期病院、施設、在宅との連携の中心的な役割を果たしたいですね。現代の日本において医療・介護は誰もが直面する人生の問題です。特に首都圏では高齢者が爆発的に増えることが予想されていますので、皆さまも医療・介護というものを知っていただきたいと思います。ボランティアや仕事などを通し、医療・介護を経験、理解するのも良いでしょう。当院でも地域向けの介護教室などを開催したいと考えています。医療や介護に携わる側と、一般の皆さまが双方向で努力していけば、高齢化社会を乗り切っていけると私は信じています。患者さまもご家族さまも、そして働く私たちも元気になれる社会へ進んでいきましょう。

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北島 明佳 理事長

2006年順天堂大学大学院卒業。日本精神神経学会精神科専門医。アルツハイマー型認知症などの研究に携わり、2006年より父の後を継ぎ理事長に就任。「人」を診る医療の実践をめざしており、その一環として全職員の環境整備により業務の改善と意識改革を徹底。研修専用の介護開発室を設置するなど、先駆的な試みも多数。

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