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特定医療法人社団亮正会 総合高津中央病院

(神奈川県 川崎市高津区)

中村 良司 病院長

最終更新日:2023/05/16

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専門性や特徴を生かした医療で地域に貢献

1956年に初代理事長が「高津外科医院」として開設して以来60年以上にわたり、地域医療を支えてきた「総合高津中央病院」。現在は、地域に密着した急性期病院として、循環器内科を中心とした血管内治療、高齢者にも適した低侵襲の鏡視下手術、早期の回復をめざすリハビリテーション、救急医療などに力を入れている。2022年3月に病院長に就任した中村良司先生は、2005年に同病院に入職して以来、専門とする脳神経内科だけでなく、内科全般で幅広く診療に携わってきたドクターだ。新型コロナウイルス感染症の流行に対しても、地域医療を支えるために副院長、病院長として尽力してきた。「一般的な、しかしクリニックでは対応しにくい病気や症状に、誠意を持って対応していくのが当院の役割だと考えています」と語る中村病院長。得意分野や、長年取り組んできた医療と介護の連携体制を生かして、ウィズコロナの時代の中で求められる病院となっていきたいという中村病院長に、同院の診療の特徴や地域連携などについて聞いた。(取材日2023年4月11日)

まずこちらの病院のあらましについて聞かせてください。

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1956年に「高津外科医院」として開設されて以来、地域に密着した急性期病院として住民の皆さんに頼りにされてきた病院です。現在は、総合病院として多くの診療科を設置して、二次救急に対応しています。救急医療においては救急専門の医師を中心に、救急搬送を多数受け入れ、できるだけ断らない救急を実践しています。特に循環器内科の心臓血管部門は24時間体制で患者を受け入れています。高齢者にも負担の少ない低侵襲な治療を多く手がけていることが特徴で、心臓血管部門では、軽症者から、心筋梗塞で心肺停止の状態で運ばれてきた人まで、多くの血管内治療を積極的に行っています。また、腹腔鏡手術をはじめとする侵襲の少ない鏡視下手術を外科の幅広い領域の手術で取り入れており、整形外科でも行っています。在宅復帰をめざすリハビリに重点的に取り組み、手術後のリハビリおよび高齢者リハビリを積極的に行っているのも特徴だと思います。

循環器内科では専門的な診療を行っているとのことですね。

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超高齢社会の中で循環器疾患の患者さんは増えていますから、地域ニーズに積極的に応える形で診療体制を充実させてきました。現在は、専門性の高い医師に加え、看護師、放射線技師、臨床工学技士など豊富な経験を持つスペシャリストが在籍し、HCUも有して、虚血性心疾患や心不全などの循環器疾患、および頭頸部を除く末梢血管疾患の専門治療を実施しています。最近は、下肢動脈の狭窄や閉塞による閉塞性動脈硬化症(PAD)の治療も多く行っており、フットケアにも対応しています。また2022年9月より不整脈に対するカテーテルアブレーションなどの治療も開始し、不整脈の患者さんに対するハイレベルな治療を提供するための体制を強化しています。不整脈の心房細動から脳梗塞に至ることもありますし、カテーテルアブレーションは脳梗塞の予防や心機能の維持にも寄与すると言われていますから、ぜひ多くの患者さんに役立てていきたいですね。

他の診療科にはどのような特徴がありますか。

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外科は消化器外科を主軸に幅広い診療に対応しており、肺がん、胃がん、大腸がん、胆石症、虫垂炎などに対して鏡視下手術を数多く行っているのが特徴です。整形外科でも鏡視下手術を導入しています。2020年11月から肛門科専門の女性医師による診療も開始しました。白内障など眼科領域の手術も多く手がけています。内科には消化器、糖尿病、腎臓内科、神経内科、総合内科、呼吸器、膠原病・リウマチなどを専門とする医師が在籍して幅広い診療に対応し、必要に応じて専門的な医療につないでいます。また人工透析部門を設けてオンラインHDFをはじめ先進的な透析治療を導入していますし、小児科では内分泌、アレルギー、心臓疾患などの外来も設けています。リハビリテーション科では、手術後のリハビリや高齢者へのリハビリに力を入れており、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が在籍して多様なリハビリを行っています。

地域連携について聞かせてください。

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当院では、患者さんの流れをつくり効率的に病院を動かす「ペイシェントフローマネジメント(PFM)」という考え方を導入して医療支援センターを開設し、地域の開業医の先生からの紹介患者さんを電話一本で優先的に受け入れられるよう体制を整えています。入院の状況、途中経過、退院時の様子などを迅速にお伝えすることで、スムーズな逆紹介にもつなげています。病病連携については、特に聖マリアンナ医科大学病院と相互の特性を生かした連携を行っているほか、複数の近隣の大学病院のドクターに当院で診療していただくなど人事交流も盛んに行い連携を深めています。コロナ禍では、高度急性期病院で治療を受けて重症期を脱した患者さんを受け入れるなどして地域貢献してきました。その一方、コロナ禍で当院のマンパワーが低下するなど課題も山積していますので、ウィズコロナの中でよりスムーズな連携が実現するよう体制を整えていきたいと思っています。

今後の展望や地域へのメッセージをお願いします。

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「医療を通じて社会に貢献する」という病院の理念に沿って、一般的な、かといってクリニックでは対応しにくい病気や症状に確実に対応することが当院の役割だと考えています。また、当院は早くから訪問看護ステーションや介護老人保健施設、健診センターを併設して医療と介護の連携や予防に積極的に取り組んで来ました。この経験やネットワークを活用してさらに地域医療に貢献していきたいですね。在宅復帰に向けた支援やレスパイト入院を行う地域包括ケア病棟についても、コロナ禍で活用できていない面がありましたので、今後は積極的に活用していきたいと考えています。団塊世代がすべて後期高齢者となる2025年も目前です。高齢の方にも安心いただけるような低侵襲な治療や、スタンダードな治療を確実に提供できるよう人員確保にも努め、ドクターと看護師、職員のすべてが協力し合い、地域の方に信頼していただける医療を提供していきたいと思っています。

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中村 良司 病院長

1983年防衛医科大学校卒業。各地の自衛隊病院や国立精神・神経医療研究センター(現・国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)で研鑽を積み、1996年より自衛隊中央病院勤務。2005年「総合高津中央病院」入職。副院長などを経て2022年3月より現職。専門は脳神経内科。筋萎縮性側索硬化症に詳しく、脳卒中やパーキンソン病、てんかんなどの診療経験も豊富。大分県出身。

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