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がんの予防や早期発見に役立つ
痛みの少ない内視鏡検査

社会医療法人三栄会  中央林間病院

(神奈川県 大和市)

最終更新日:2021/09/13

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  • 保険診療
  • 胃がん

最近では、会社や自治体で行う胃がんの検診で、バリウム検査に加えて内視鏡検査を選べるところが増えてきており、実際に希望をする人も年々増加しているという。そのような社会環境や患者ニーズの変化に対応するために、新たに内視鏡検査施設をオープンしたのが、大和市の急性期病院で消化器疾患の診療にも定評がある「中央林間病院」だ。経験豊富な医師と専門のスタッフ、新鋭の充実した設備の中で行われる同院の内視鏡検査について、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医である菅知也副院長に聞いた。(取材日2017年5月26日)

検査・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q内視鏡検査を行うために、どのような取り組みをされていますか?
A

日本消化器内視鏡学会では、一定以上の設備が整った内視鏡室が設置されていることや内視鏡の指導医、専門医が常勤していること、内視鏡室専属のスタッフを配するなど基準を設けており、当院は、2012年よりそれに沿った環境づくりをしています。加えて、2016年3月末に内視鏡検査施設を新たにオープンしました。特殊な光をあててがんを発見しやすくするNBIを備えた新鋭の内視鏡検査装置を導入した検査室を2室と、検査後にゆっくり休めるように4床の経過観察室を備え、平日は24時間の緊急内視鏡検査と治療に対応しています。検診の受診者さんや患者さんに、より安心して検査や治療を受けていただける体制が整っています。

Qバリウム検査と比較した内視鏡検査のメリットは何でしょうか?
A

胃がんを発見するということでは、バリウム検査(上部消化管造影検査)も有効ですが、内視鏡検査では、胃の内部を直接見ることができるので、がんやポリープをより発見しやすくなりますし、もしバリウム検査で異常が見つかれば、内視鏡検査をすることになるので、最初から内視鏡検査を受けたほうが結果的に体への負担が少ないとも言えます。また、胃の内視鏡検査では、同時に喉や食道にもがんなどの異常がないかを検査できるのがメリットでしょう。最近は、会社や自治体の検診、大和市もそうですが、最初から内視鏡による胃がん検診を受けることができるところも増えていますので、積極的に選んでほしいと思います。

Q検査中にポリープなどの異常が見つかったら、どうするのですか?
A


胃の場合、5ミリ以下の小さなポリープであれば、ほとんどが良性ですので、すぐに切除するということはせず小さく組織を取って確認します。大腸の場合は、腺腫という小さなポリープが大きくなるとがんになる可能性がありますので、その場で切除するようにしています。当院のように検診専門でなく治療も行っている施設なら、もし異常が見つかっても、より詳しい検査のためにその場で組織を取ったり、切除などの対処ができますので、患者さんへの負担も少なくなります。また胃がんなど、より治療が必要な病気が見つかっても、大学病院から来ている専門の医師もいますので、当院で引き続き専門的な治療を受けてもらうことができます。

検査・治療START!ステップで紹介します

1検査前の問診とカウンセリングを受ける

電話などで申し込むと問診票が自宅に送られてくるので、記入して持参する。検査当日は、朝食をとらずに来院。受付をすませると、既往歴やアレルギー、服用中の薬の有無などの簡単な問診の後、検査の説明がある。わからないことや不安なことがあれば、しっかりと聞いておくこと。鎮静剤を使って眠った状態での検査の希望も、ここで聞かれる。車を自分で運転して来ている場合は、鎮静剤を使うことができないので注意しよう。

2水薬を飲んで胃の中をきれいにする

消化管内有泡性粘液消去剤と呼ばれる水薬を飲んで胃の中をきれいにしたあと、看護師にスプレーで喉に麻酔をしてもらう。鎮静剤を使用する場合は、ここで腕に点滴のラインを入れる。胃の内視鏡検査の場合は着替える必要はないが、衣服が汚れないように薄手のスモックを着用する。その後、歩いて検査室へ移動し、検査台に横になる。眠った状態で検査をする場合は、この後に鎮静剤を投与され、患者はすぐに眠った状態になる。

3内視鏡検査がスタート

検査が始まると医師が検査台の両脇に設置されたモニターを見ながら、太さ8〜9ミリの内視鏡を口の中に挿入していく。鎮静剤を使って検査を受ける場合は、痛みや苦しさを感じることはなく、使わない場合でも、苦しくないように看護師がサポートしてくれる。同院では、「内視鏡」の専門知識を持つ看護師や臨床工学技士が、検査中の血圧や心拍の状態をモニターでチェックしているので安心だ。検査自体は、5〜10分程度で終了。

4経過観察室にて休憩する

鎮静剤を使った検査が終わったら、車いすで隣にある経過観察室に移動して安全に帰れるまで体を休める。こちらの病院には、専用の休憩スペースがあるので、受診者はゆっくりと休むことができる。検査当日は、鎮静剤を使った場合のみ自動車などの運転を避ける必要があるが、他には特に制限はなく、普通の生活を送ることができる。

5検査画像を見ながら結果説明を受ける

落ち着いたら、医師から検査結果の説明を受ける。モニターで検査画像を見ながら、丁寧に説明やアドバイスをしてくれる。来院から帰宅の途につくまでは、半日程度。同院では、食道・胃・十二指腸と大腸の内視鏡検査に加えて、内視鏡による膵胆管の造影検査(ERCP)、粘膜及び粘膜下でがんを取り除く手術(EMR,ESD)など専門的な治療も受けられるとのこと。

患者さんへのメッセージ

菅 知也 副院長

1986年北里大学医学部卒業。1993年北里大学医学部大学院修了。北里大学病院消化器内科などを経て、2007年から中央林間病院副院長を務める。多くの経験と技術が必要な“匠の技”のような内視鏡診療に魅力を感じて研鑽を積む。日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。

胃がんや大腸がんは近年、検診によって早期で発見できる人が増えてきています。そして、早期発見できれば、消化器のがんは治療で完治できる時代です。しかし健康と仕事を天秤にかけたときに、どうしても仕事が大事という方や、症状がないから今は検診を受けなくても大丈夫と考えている人もいると思います。しかしよくよく考えてみると、健康体でないと仕事はできませんから、健康と仕事のどちらかを選ぶのではなくバランスをとって、年に1回でいいのですから、内視鏡による胃がんや大腸がんの検診を受けてほしいと思います。特に大和市は、内視鏡による胃がん検診を選べますので、上手に活用していただきたいですね。

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